min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

東直己著『抹殺』

2013-03-17 15:58:35 | 「ア行」の作家
東直己著『抹殺』光文社 2007.5.25 第一刷 1,600円+tax

オススメ度 ★☆☆☆☆

本編は8作の短編をそれぞれ「小説宝石」及び「ジャーロ」(光文社が発行するミステリー誌)に発表したものを集めた短編集。
車椅子に乗った画家と特別老人養護施設の理事長が組む異色の殺し屋の物語。発想は東先生にしては良いのだが、どうにも物語の内容、構成、展開がいただけない。
特別老人養護施設の理事長龍犀が“営繕係り”と称する謎の機関?組織?から暗殺指令を受け、画家から暗殺者に変身する宮崎一晃に実行を命ずるというものであるが、この“営繕係り”については最後の「私怨」まで明かされない。
暗殺理由そのものの説明が全く不十分であるばかりではなく、狙撃に使用する特殊な銃器に関しても読者を納得させるようなディティールが無い。これは作者自身がその方面の知識がいかに希薄であるか自己曝露しているようなもの。途中なんどもこの本を投げ出そうとしたが思い止まって最後まで読んでしまった。
最終編「私怨」で“営繕係り”の組織の概要が多少語られるものの、結末があまりのもお粗末で苦笑いしてしまった。
ススキノ便利屋シリーズも終わり、しばらく東先生の作品に触れることはなかったが、こんな駄作の群れを三流雑誌に投稿していたのね、センセ・・・・





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