ダン・シモンズ著 早川書房 2,310
前作『鋼(はがね)』の続編。前作では主人公クルツとその取り巻きの連中、そしてクルツのパートナーが殺された背景や理由が今ひとつ説明不足であったのだが本作においてその詳細が明らかになってゆく。ということは作者は初めから続編があることを前提として『鋼』を書いたということだ。
前回、この主人公、元私立探偵が正義か悪か?と書いたが、こいつは正真正銘の悪(ワル)であることがわかった。だが、彼の相対する連中がはるかにワルであるためそんな議論は無駄というものだ。
今回はパートナーの殺害を指示したマフィアのドンを前回ほぼ壊滅させた敵対するマフィアの生き残りの女を使ってドンの命を狙う作戦に出たクルツであったが、その前にとてつもない強敵が現れる。この4者4つどもえの戦いの結末やいかに?
本作は前作よりもクール度は増し、徹底的にハードボイルドである。連続殺人機が殺人課の警部になりすます、ということが果たして可能か?という疑問が生じるのであるが、そこは日本の戸籍制度がない米国社会ならではの物語設定なのかも知れない。
とまれ、更に続編を期待できる作品だ。
前作『鋼(はがね)』の続編。前作では主人公クルツとその取り巻きの連中、そしてクルツのパートナーが殺された背景や理由が今ひとつ説明不足であったのだが本作においてその詳細が明らかになってゆく。ということは作者は初めから続編があることを前提として『鋼』を書いたということだ。
前回、この主人公、元私立探偵が正義か悪か?と書いたが、こいつは正真正銘の悪(ワル)であることがわかった。だが、彼の相対する連中がはるかにワルであるためそんな議論は無駄というものだ。
今回はパートナーの殺害を指示したマフィアのドンを前回ほぼ壊滅させた敵対するマフィアの生き残りの女を使ってドンの命を狙う作戦に出たクルツであったが、その前にとてつもない強敵が現れる。この4者4つどもえの戦いの結末やいかに?
本作は前作よりもクール度は増し、徹底的にハードボイルドである。連続殺人機が殺人課の警部になりすます、ということが果たして可能か?という疑問が生じるのであるが、そこは日本の戸籍制度がない米国社会ならではの物語設定なのかも知れない。
とまれ、更に続編を期待できる作品だ。