min-minの読書メモ

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月村了衛著『機龍警察 火宅 』

2018-11-03 14:47:33 | 「タ行」の作家
月村了衛著『機龍警察 火宅 』 ハヤカワ文庫2018.8.10第1刷 

おススメ度 ★★★★★

機龍警察と呼ばれる警視庁特捜部の幾人かのメンバーを取り上げ、特捜部に入る前及び入った後の前日譚、後日譚を綴った短編集である。
一遍を除きタイトルが全て仏教用語からなる異色な短編集である。一つだけ除外となったタイトルの作品「雪娘」もロシアに伝わる雪の精霊の名前であって、これも極めてスピリチュアルな響きを持つ。タイトルはそれぞれ
・火宅
・焼相
・輪廻
・済度
・雪娘
・沙弥
・勤行
・化生
からなる7編の物語。機龍警察シリーズファンにとってはどの一遍をとっても感慨深いそして味わい深い内容である。
中でも好きな作品は「済度」。機龍警察突入班の龍機兵搭乗員であるライザ・ラードナーの物語であって、それも彼女が何処でどのようにリクルートされたのか以前から知りたかったからだ。
なるほど、そういう経緯だったのかと充分に納得出来たのであった。
また「勤行」も味わい深い作品となっている。シリーズではあまり深く語られることのない宮近及び城木両理事官が主体となる物語である。こうしたある種ファンサービスとも受け取られる短編集であるがファンにとっては勿論嬉しい限りである。




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