鳴海章著『強行偵察』 JOI NOVELS(実業之日本社)2006.10.25
838円+tax
鳴海章といえば最近何かと話題となった、北海道特有の競馬を描いた「輓馬」を思い起こす読者の方々が多いと思うが、そもそも「原子力空母信濃」とか「ナイトダンサー」に代表される海・空の軍事モノとして活躍してきた。一方「死の谷の狙撃手」などスナイパーものの著作も多く、本編はこのスナイパーもののひとつである。
物語は2歳の長女の臓器移植手術のため早急に1億円を必要とする現役の自衛官(北海道で強行偵察部隊に所属する海外訓練も受けたプロ)である澤崎を、元警察官僚で自衛隊の諜報分野に出向した経験を持つ古橋が“ある目的”のためリクルートしようとする。
古橋は官僚を辞め独立したのであるが闇金融に手を出し今や借金総額が2億5千万円にも膨れ上がり返済を迫られていた。
かって日米政府がからんだ謀略の中で死んだはずの元CIA工作員「ラックスマン」が生きており、ゴールデンクレセントと呼ばれるアフガニスタンの山中で莫大なヘロインを栽培、精製するクンサーとなっている。
この男を取り除くことで日本政府の“その筋”から相当の金をせしめることができる、と判断した古橋は澤崎とともにパキスタンに乗り込んだ。「ラックスマン」を暗殺するために。
ストーリーにはまるで現実感を伴わないし、主人公を含めた登場人物に肩入れする気持ちにもなれないのであるが、テンポある展開で気軽に読める娯楽作品ではある。
838円+tax
鳴海章といえば最近何かと話題となった、北海道特有の競馬を描いた「輓馬」を思い起こす読者の方々が多いと思うが、そもそも「原子力空母信濃」とか「ナイトダンサー」に代表される海・空の軍事モノとして活躍してきた。一方「死の谷の狙撃手」などスナイパーものの著作も多く、本編はこのスナイパーもののひとつである。
物語は2歳の長女の臓器移植手術のため早急に1億円を必要とする現役の自衛官(北海道で強行偵察部隊に所属する海外訓練も受けたプロ)である澤崎を、元警察官僚で自衛隊の諜報分野に出向した経験を持つ古橋が“ある目的”のためリクルートしようとする。
古橋は官僚を辞め独立したのであるが闇金融に手を出し今や借金総額が2億5千万円にも膨れ上がり返済を迫られていた。
かって日米政府がからんだ謀略の中で死んだはずの元CIA工作員「ラックスマン」が生きており、ゴールデンクレセントと呼ばれるアフガニスタンの山中で莫大なヘロインを栽培、精製するクンサーとなっている。
この男を取り除くことで日本政府の“その筋”から相当の金をせしめることができる、と判断した古橋は澤崎とともにパキスタンに乗り込んだ。「ラックスマン」を暗殺するために。
ストーリーにはまるで現実感を伴わないし、主人公を含めた登場人物に肩入れする気持ちにもなれないのであるが、テンポある展開で気軽に読める娯楽作品ではある。