min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

鬼塚英昭著『黒い絆 ロスチャイルドと原発マフィア』

2015-01-22 15:40:51 | ノンフィクション
鬼塚英昭著『黒い絆 ロスチャイルドと原発マフィア』成甲書房2011.5.30 第一刷

おススメ度:★★★★☆

ロスチャイルドと聞くと「ああ~、また何時もの陰謀論かい!」と腰を引くアナタ!、ちょっと待って下さい。9.11の陰謀論まではかなり納得出来るのですが、その後の3.11東北大震災も陰謀云云になってくると僕もさすがに腰が引けるのですがね。
今回は原発なのです。
上述の3.11大地震によって福島第一原発がレベル7までの被害を受けながら、今日本政府並びに電力会社は性懲りもなく原発再稼働をしようとしている。
もうあの「安全神話」なんて誰も信じないし、もしもう一度原発事故が起きればこの国は二度と立ち上がれない、ということも分かりながら。
では何故やめないのか!?いや、何故やめられないのか!???
それはこの国が近代化を迎えた時から、ある勢力に完全に取り込まれたからに他ならな。こう言うと中々信じられないであろうが、明治維新以来この勢力が目に見えて表れたのは、日露戦争直前のこと。
日本は何とかロシアの南進を食い止めようと躍起になったあの時代。だがいかんせん新興弱小国の懐事情かな、金が無い。ロンドンまで出かけ何とか日本の国債を売らんとした高橋是清であったが誰も買ってくれない。ほとほと弱り切った閣下の前に手を差し伸べてくれたのが米国「クーン・ローブ商会」、ボンと5,000万円貸してくれたのだ。実はこの商会、イギリスのロスチャイルド家のアメリカ代理店なのであった。
そしてこのクーン・ローブ商会は後に原爆開発及び製造という最も深い闇の産業に関わっていく。
第二次大戦が終えた頃、日本で一体何が起きたか。正力松太郎と中曽根康弘はA級戦犯として巣鴨プリズンにとどまるものと思われたのだが何故か二人とも出て来た。
そう彼らはCIAの手先となり日本の戦後政治、産業を動かして行くことになる。著者鬼塚氏によれば正力松太郎は日本の原発マフィア第一号であり、中曽根は第二号ということである。
この二人は二人三脚のように日本の原子力政策を推し進めた。当時、あのビキニ環礁で被爆したマグロ漁船第五福竜丸の事件をも「毒をもって毒を制す」とばかり強引に「安全神話」を作って行った。
一方ロスチャイルド家は世界の主な産業、金融、マスコミ、等々全ての上に君臨するようになった。わけても世界のウラン埋蔵量の八割以上を手中にした彼らは、そのウランを使用する原発のマフィアを形成している。彼らにとっては事故を起こし、その国が滅びようが構う事は無い。ひたすら原発を増やす方向へ進んでいる。
日本は世界の中では最もアメリカ原発マフィアに取り込まれており、東芝はウェスチングハウスを既に傘下に収め、日立はGEと企業連合を組んでいる。米国内での原発新設が難しくなった今、アメリカ原発マフィアは日本の安倍首相をもトップセールスマンに起用しながら海外に売り込んでいる。もちろん国内の原発再稼働にも余念がない。
こうして日本はアメリカさんの意のままに動く“操り人形”劇団と化してしまった。我々はどうやってこの愚行を止められるのか!?


映画『96時間/レクイエム』20世紀フォックス配給

2015-01-09 16:45:16 | 映画・DVD
監督:オリヴィエ・メガトン
製作・脚本:リュック・ベッソン
casting
リーアム・ニーソン(ブライアン・ミルズ役)
ファムケ・ヤンセン(レノーア役)
マギー・グレイス(キム役)
フォレスト・ウィテカー(ドッツラー警部役)

96時間シリーズの第3作目の作品。原題はTAKEN3。takenとは拉致、誘拐の意。
第1作と2作ではフランスのパリそしてトルコのイスタンブールを舞台に、アルバニア出身のマフィアを相手に娘と前妻を守る為死闘を繰り広げ、第2作目では相手をほぼ全滅させたかに思えた。
娘のキムは大学に通っていたのだが同棲相手とのあいだに子供が出来たらしい。前妻のレノーアは今の夫とはあまりうまく行ってはいないらしい。とはいえ、そこそこ平和な生活に戻っていたのだが・・・・
そんなある日、レノーアがミルズの家で待っているとのメールを受けたミルズが家に帰ってみると何とレノーアがベッドの上で死んでいた。
間髪をおかず警官が駆け付けミルズを逮捕しようとした。誰かが警察に通報したみたいだ。完全に罠だと判断したミルズは咄嗟に警察の手から逃れ、独自に真犯人を探そうと決意した。ここに警察はもちろん、FBI,CIAからも追われる身となったミルズは自らの潔白を証明し、真犯人を突き止める事が出来るのであろうか?

全世界の娘を持つ父親達から熱狂的な支持を受ける?元CIAエージェントの胸のすくようなスーパーアクション・ムービーが封切り、ということで封切り当日に映画館に駆け付けた私であった。いわゆるシリーズもので、第3作目の作品が前作より面白い!などという例はそうあるものではなく、本編も例外ではなかったようだ。とはいえ、そこそこ楽しめる作品であることは確か。金と時間を返せ!とはならないと思う次第。
おそらく、今回で暴力オヤジの暴走?も終わるのでは。主役のリーアム・ニーセンにしても走ったり、ハードアクションをこなすのはシンドそう。いまだに未練たらたらであった前妻には死なれるし、愛する娘は軟弱ボーイフレンドに取られるし、ああ~、哀れな暴走オヤジ。お疲れ様でした。

蛇足:
娘のキムやくを演じるマギー・グレイス嬢。一作目では未だ青臭い女子高生役を演じていたのだが、もうすっかり大人の女の匂いがぷんぷん。いいオンナになりました。もう少しマシな男を見つけて欲しかったなぁ・・・・


おススメ度:★★★☆☆


ラフィク・シャミ著『愛の裏側は闇(1)』

2015-01-06 12:06:35 | 「サ行」の作家
ラフィク・シャミ著『愛の裏側は闇(1)』 (原題:Die dunkle Seite Lieb)2014.8.29
東京創元社 初版 2,200円+tax
おススメ度:★★☆☆☆

本の紹介分の一部に

「ふたつの物語の断片に、一族の来歴、語り部による哀話や復讐譚を加えて構成された全304章が、百年にわたるシリアの人々・風土・文化が埋め込まれた壮大なモザイク画となる。今世紀最大級の世界文学第一巻!」

とあるのだが、本当に今世紀最大級の世界文学なのか!?と思わず突っ込みを入れたくなる作品だ。
先ず、対立する二つの家系の男女が恋に落ちれば?といった古典の名作「ロミオとジュリエット」的なロマンチックな悲恋小説と思ったら大間違い。
舞台は中東シリアなのだ。この地を舞台に一世紀以上に渡り、血で血を洗うような抗争を繰り返してきたアラブの二つの家系。複雑なのは彼らがキリスト教とイスラム教との対立か?と言えばそうではない。
この地ではマイナーとは言え、れっきとした歴史を背負う「東方典礼カトリック教会」と「正教会」同士の争いだ。歴史的背景についてはこの場で割愛するとして、両家がどのような発端で邂逅し、何が対立の火種となったのか。
本書はその抗争が始まったという1870年頃から話をスタートさせる。全ての物語は著者がドイツに亡命する1970年頃までを描いているようだが、それまで前述のように304章を費やし、本編では65章まである。
本編の主人公となる3代目にあたる男女、ムシュターク家の男ファリードとシャヒーン家の女ラナーは本書の冒頭及び最後にちょっと登場するのだが、その他はすべて彼ら以外のそれぞれの一族同士の抗争を描いている。
その抗争の様は吾々現代の日本あたりに住む者にとってはまさに“異世界”の物語のように思われ、その激しさ、情熱的な出来事に目を奪われる。
例えば暴力的な抗争以外の性的表現に関して特に興味をそそられるのかも知れない。だが人間の情(さが)というものは抑圧されればされるほど情熱的になってくるものだ。
要は、このちょっと我々と違った“異世界”の出来ごとの詳細を知って喜ぶか、それがどうでもいいじゃないかと突き放して考えるか。
はっきり申し上げれば、糞みたいな土漠に住む欲情むき出しの者ども同士の争いごとなどどうでもよい。どちらの者たちにも感情移入なんて出来ないからだ。
ここが分岐点で、このまま(2)巻(3)巻に進むかどうかが決まるようだ。どうも僕は後者のようだ。
作品のおススメ度を★二つに止めた理由は上述の通りであり、あくまでも他人へお奨めしたいかどうか?の場合の基準であってけっして本作品の出来栄え云云の話ではないことをお断りしておきたい。

迎春

2015-01-03 09:00:11 | ノンジャンル
皆様、明けましておめでとうおめでとうございます。

当ブログは2005年3月に開始いたしましたのでもうすぐ10年となります。ご訪問いただきました人数も昨日の段階で199999でしたので本日で20万台に達したものと思われます。総閲覧数も50万台に達しており、ひとえに皆様のご来場に感謝する次第です。
今年も更に本を映画を取り上げて感想を書いていきたいと思いますので宜しくお願い申し上げます。