min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

米映画『スターウォーズ 最後のジェダイ』

2017-12-18 14:27:16 | 映画・DVD
米映画『スターウォーズ 最後のジェダイ』ディズニイ配給 2017.12.15 封切 

おススメ度 ★★★★☆

監督:ライアン・ジョンソン

上映時間:152分

前作エピソード7「フォースの覚醒」で主人公の若き女の子レイが絶海の孤島の岩山で相対した人物があの伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーであった。
この場面を最後に映画は終えたのであった。それから2年待望の続編エピソード8が公開された。このシリーズを40年も見続けてきたのだから今作を含めてあと一作が残るだけだから、しっかりとみさだめてから僕も逝きたい(苦笑)
それにしても前作ではあっさりと?ハン・ソロが亡くなり、レイア姫も実生活上で亡くなっている。そして今度はルーク・スカイウォーカーの番か?
あまりにも寂しいではないか!
新キャラクターが続々誕生しているので次世代の観客も楽しめるように工夫はされているものの、死に行くオジサンにとってはどうでもいい気になってしまう。あと一作早めに制作くださいネ。こちらが逝く前に………
最後になってしまったが作品の出来は前作よりはるかに良い。主人公レイ役のデイジー・リドりーも大いに役者として成長している。次回作が楽しみだ。

日本映画『探偵はBARにいる3』

2017-12-07 19:07:43 | 映画・DVD
日本映画『探偵はBARにいる3』東映 2017.12.1 封切 
おススメ度 ★★★★☆

監督:吉田照幸
キャスト:大泉洋・松田龍平・北川景子ほか
上映時間:122分

北海道札幌が生んだ作家、東 直己の「ススキノ探偵というか便利屋俺」シリーズのひとつ「探偵はBARにいる」から題名を取ったシリーズ第三作目。
東 直己の同シリーズは全部読んでいるが本編の内容と同じ原作はどこにもない。
探偵はじめ北大の助手高田や脇役として度々登場する地元暴力団若頭の相沢や地元紙の新聞記者など原作通りの設定ではある
だが、ストーリーは一部似たようなところもあるものの、新たに作られた脚本は原作から大きくはずれている。
原作者の東 直己氏は何かのエッセイで「映画と原作は完全に別物である」と言い切っているから、今回のような別作品とも言える映画に対しても肯定的なのであろう。
そもそもこのシリーズの第一作目から探偵役の大泉洋があまりにも原作の探偵とイメージがかけ離れていたため、大丈夫かい?と疑念を抱いたものであった。
それが回を重ねる毎になんかシックリとして来たから不思議だ。相棒の高田(原作ではいつもバディーとなっているわけではない)との絶妙なコンビ具合が奏功しているのかも知れない。
札幌生まれの札幌育ちの僕としては、とにかくススキノのシーンが出てくるだけで嬉しくなってしまう。
この映画を観る最大のモチベーションはこの望郷の念からと言っても過言ではない。
本編からは監督も吉田監督になり、ストーリー展開のテンポも良く、アクションシーンも重みと迫力を増す工夫がなされている。
面白さは過去の二作よりも上を行っている。三作目の成功(興業的にも良い数字が出るだろう)でほぼ次回作も制作されるのではなかろうか。
ああ、やっぱりススキノに行って飲みたいなぁ~。

月村了衛著『機龍警察 狼眼殺手』

2017-12-05 17:58:38 | 「タ行」の作家
月村了衛著『機龍警察 狼眼殺手』早川書房 2017.9.15 第一刷

おススメ度 ★★★★★


日本の通産省と香港のフォン・コーポレーションが進める「クイアコン」プロジェクトに一大疑獄があることが判明した。この「クイアコン」とは新世代量子情報通信システム(詳細は私には理解不能)なるもので、実現されればその影響は軍事、経済を含む全ての分野で絶大な影響を与えるであろう新技術となる。実はこの技術は特捜部が保有する3体の龍機兵(ドラグーン)にも既に使われているといわれ、この謎のシステムはより一層の謎を生むことになる。
「クイアコン」に群がる利権を求める金の亡者たちはあらゆる産業分野にまたがっている。この一大疑獄と並行してクイアコン・プロジェクトに係る役人、研究者が殺される事案が発生し、明確な繋がりは不明ながら連続殺人の様相を見せ始める。この事態を踏まえ警察側は捜査一課、二課に加え特捜部を入れた三者合同捜査を行うという異例の体制をひくこととなった。
しかも三者のとりまとめは特捜部の沖津部長となった。
捜査には更に国税や外事二まで関与し、互いのいがみ合いもあり、捜査は困難を極めた。
さて今回の最大の特徴は本シリーズの目玉とも言えるドラグーンが登場しないことだ、何故なら前述の連続殺人の犯人とおぼしき暗殺者が単身拳銃のみを持って殺戮を繰り返す元北アイルランドのテロリストであるらしいことが分分かっからだ。そこで3人の突入班もドラグーンに搭乗することなく、通常銃火器を持って対処することになった。本編の副題にある狼眼殺手とは「オオカミのような眼を持った殺し屋」を意味する中国語であるが、香港を主な舞台として暗躍し恐れられる殺し屋だそうであるがその国籍、性別、年齢などは一切不明である。だがラードナー警部だけは何故か不吉な予感に囚われた。それは狼の眼を持った一人の元IRFの女テロリストを思い浮かべていた。
本編ではこの狼眼殺手という暗殺者のクライアントが警察内部の<敵>ではないのか?というのが最大のポイントとなっている。
<敵>に関しては沖津部長がその存在を真っ先に指摘してきたが、未だにその黒幕は誰か、組織あるいはグループの実態は明かされていない。今回は遂にその真実が明かされるのか否か?という点も最大の関心ごととなる。
先に述べたが今回ドラグーンを駆使した戦闘こそないものの、狼眼殺手と迎えうつ特捜部の突撃班、特にラードナーとの白兵戦は見ものであろう。
本の帯にある「またしてもシリーズ最高傑作を更新した長編第5作、・・・」といううたい文句はウソではない気もする。とにかく最初から最後まで読者を惹きつけて離さない秀作である。