min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

最近観た映画「バトル・フロント」他寸評

2014-08-22 20:35:47 | 映画・DVD
最近観た映画「バトル・フロント」他寸評

1.『オール・ユー・ニード・イズ・キル』

おススメ度:★★★☆☆

【日本原作、トム・クルーズ主演!】という宣伝文句だけで観てしまった。同名の小説(ライトノベル)があるそうだが、もちろん読んでいない。
物語は近未来の地球。エイリアンと人類の攻防戦が繰り広げられているのだが、その最前線に送られてしまった戦闘ド素人のトム・クルーズ。タコともクモとも思われるエイリアンのキリング・マシーンに簡単に殺されてしまう。
だが彼が気がつけば戦闘前日の同じ場面に戻っている。また出撃。そして殺されまた元に戻る。こんなあり得ない事態を何回か繰り返すうちに、同じような境遇にある女性兵士の存在に気づくのであった。
どうも殺される寸前にエイリアンの親玉(何体かあるみたい)の血しぶきを浴びたせいらしいと推測する。どうもこのエイリアンは時空をコントロールする術を持っているらしい。
したがって人類に勝ち目はない。これを逆手に取って彼と彼女は反撃を試みるのであった。
とのかく屁理屈をこねずこの未来型戦闘を楽しめば良い。トム・クルーズを始め“強襲部隊”が着る戦闘スーツが超カッコいいのだから。重量が50kgを超えるアーヌド・スーツを着た撮影はさぞきつかったことだろう。

2.『GOZILLA』

おススメ度:★★☆☆☆

御存じ円谷監督がつくった怪獣映画「ゴジラ」を原案に作られたハリウッド映画。渡辺謙が芹沢博士役を演じている。確か本作の前に一度ゴジラ映画がハリウッドでリメイクされたことがあったが、あれはゴジラというよりも「ジェラシックパーク」風の恐竜の一種じゃないの?と思われる代物で興ざめした思い出がある。
今回は日本のゴジラ・オリジナルにかなり近いものがあり、必殺技の熱放射能の放射があったりもする。
GOZILLA復活と同時に二匹の怪獣が誕生してアメリカを襲うのであるが、これがまたダサイ怪獣で、強いていえば「キングギドラ」を模したものと考えられるが、キングギドラのほうが遥かにカッコ良く美しい。物語のクライマックスはGOZILLA 対ダサ?キングギドラの対決シーン。結果は?GOZILLAは人類を救う救世主?なんとも妙な感じを受けてしまった。謙さんの英語、「ラストサムライ」の時より随分と上手になってます。
3.『バトル・フロント』

★★★☆☆

あのS.スタローンが自ら主演しようと思って脚本を書いたとか。しかし主演は「トランスポーター」シリーズで一躍人気俳優になったジェイソン・ステイサム。
スタローンとは「エクスペンダブル1&2」で共演し気に入られたのであろうか。スタローンでは年を取り過ぎだからしょうがない。
“俺の娘に手を出すヤツはぶち殺す!”そのまんまの映画。この手の父と娘の映画といえば「96時間」。リーアム・ニーソン演じる父親は元CIA要員。退職したとはいえ娘を誘拐した相手を容赦なくブチ殺していく。
対する本作のジェイソン・ステイサム演じる父親は凄腕の元潜入麻薬捜査官。もちろん強いこと強いこと。
ストーリーに新鮮味は無いものの、日常生活でクサクサしている人にはうってつけの作品。


和田竜著『村上海賊の娘 上・下』

2014-08-19 19:03:59 | 「ワ行」の作家
和田竜著『村上海賊の娘 上・下』 新潮社 2013.10.20第1刷 

おススメ度:★★☆☆☆

横浜市立図書館に今年の初めに予約し手元に届いたのがなんと8ヶ月経ってのことであった。さほどに人気の小説であったのだが結論としてはそれほどおススメしたい本ではない。
小説の舞台背景は信長の大坂本願寺攻めの過程で起きた。いわゆる“木津川合戦”である。
主人公の村上景姫は野島村上家の当主、村上武吉の娘で、兄と弟がいる。
ごく一部の歴史資料の村上家家系図でかろうじて景の名が出てくるが、実際どのような女性であったのかの記述はない。
作者和田竜氏はこの歴史にほとんど名を残していない女性にスポットを当て、かって誰も書かなかったであろう村上海賊の船戦を描こうとしたようだ。
彼女に関わるその風貌、容姿、性格は作中では“悍婦で醜女”と表現されているのであるが、あの当時もそれ以前以降も日本人女性としても“美しさ”の規格から大きく外れていただけのこと。
どのような容貌かと言えば説明がちょっと難しいのであるが、しいてビジュアル的に申せばモデルの富永愛のボデー(長い手足)に北川景子の顔を乗っけたとでも言おうかw
現代的にはかなり受けそうなのだが、当時この容姿が受けたのは敵側の泉州海賊だけであったというのが面白い。彼らの美的基準から言うとえらい別嬪と映った。
さて、この破天荒な生きざまを望んだ姫であったのだが、思想的にはほとんど何も持たず、ただただイケメンの海賊に輿しいれしたかったのと、女人禁制の軍船にのって船戦をしたかっただけのあばずれ娘と言っても良い。
ひょんな縁で助けた門徒衆の少年のために一命をかけるのであるが、その理由に確たるものがなく読者を説得出来るものではない。
とにかく登場する歴史上実在した人物の言動がまるで劇画マンガのようで、戦いぶりもマンガ的とも言える内容だ。いっそこれはマンガの原作であると言われたほうが納得出来る。
村上海賊という僕の中でのロマン的イメージが脆くも崩れ去った一作である。