min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

米国映画『マッドマックス怒りのデスロード』

2015-06-26 16:24:28 | 映画・DVD
米国映画『マッドマックス怒りのデスロード』(原題:MadMax Fury Road)

上映時間:120分

監督:ジョージ・ミラー
キャスト:トム・ハーディ(マックス)
     シャーリーズ・セロン(フュリオス大隊長)ほか

今年公開される映画の中でも最も期待した映画であった。第一作「マッドマックス」が公開されたのが1979年。映画の中で通行が左側であることに単純に驚くとともにそれがイギリスではなくオーストラリアであったことに更に驚愕したものだ。
オーストラリアでも映画が作られていたんだ!という驚きであった。全編を流れるハードボイルドな映像。主演のメル・ギブソンがとても新鮮な演技で注目されたし、何より使用された車、オートバイがむちゃむちゃカッコイイのであった。
特にメル・ギブソンが乗るカワサキZ1000にシビレた日本の若者がごまんと排出されたに違いない。3作まで4メル・ギブソンが主役を務め彼の世界的映画スターの座を不動のものにした。
1,2作はある意味現代のリアルティーのある物語進行であったが3作目のサンダードームあたりから完全に近未来の砂漠化した地球に移行し、今回は更にその荒廃ぶりが徹底化された感がする。この3作目が作られてから30年経過し、更に台作の制作を狙い続けたジョージ・ミラー監督の執念に感服した。お年は僕よりかなり上の70歳を過ぎたものと思われる。
年を重ねるにつれ動作は鈍くなるものの、脳内のアクション度は倍加されるに違いない。
本作のストーリーは極めて単純で、砂漠の中の独裁者の下から囲われた妻たちが逃げ出した。その裏切りに加担した大隊長こと女戦士のフュリオス。その逃走劇に加わる形になったマックス。そして彼らを追う帝国の車列とバイク群。
120分の上映時間のうち90パーセント以上がカーチャイスと戦闘場面が占める異常ぶり。正にアクションにつぐアクションの連続で息をゆっくりする暇もないほど。こんな映画は初めてだ。
マックス役のトム・ハーディも良いのだが巨大トレーラーを駆るフュリオス大隊長が女性ながら素敵な❝男気❞を発し萌えてしまった。理屈抜きに楽しめた!!!






デボラ・クーンツ著『規格外ホテル』

2015-06-24 11:01:14 | 「カ行」の作家
デボラ・クーンツ著『規格外ホテル』創元推理文庫 2014.6.12第一刷 1,447円+tax

おススメ度:★★☆☆☆


ラスベガスにある巨大ホテル「バビロン」のお客様係り女主任、すなわちトラブルシューターであるラッキー・オトゥールが主人公の第2弾。
第一弾は未読であるが今回のトラブルはのっけから大通で横転したトレーラーに積んであった巣箱から逃げ出した大量のミツバチ。
道行く人々を無差別に攻撃しはじめたものだからたまらない。一部の人々は逃げ場を求めてホテルバビロンのロビー逃げ込む事態に。
驚いたラッキーは現場に向かうも有効な手立てはない。警察と消防を呼んで何とか事態を収拾した束の間、大事件が発生。
悪名高き女オッズ屋がサメの水槽に投げ込まれ、サメの餌食になったというもの。彼女と最後に一緒にいたところを監視カメラが捉えたのだが、その人物とはなんと部下の彼氏。
当然疑惑が彼に向けられ、ラッキーはその無実を証明すべく立ち回るのであるが、事件は思わぬ方向に向かい謎だらけとあいなる。
物語の舞台、背景、その他主人公を取り巻く人々のキャラが面白く、面白いプロット展開になるものと大いに期待したのであるが、肝心のこの主人公のキャラが気に食わないのだ。
彼女が有能であるのはわかる。だがその有能さを描くにしてももう少し謙虚に描けないものか?
それより何より彼氏の存在、いや彼氏そのものの描き方が気に食わない。いい年した女主人公がまるで女子高生の恋愛ごっこのように振る舞う姿は滑稽でありかつ醜悪でもある。
第一作が彼氏募集中。二作でゲット。三作目、もしこれがあるならば、間違いなくこいつと別れて別なのを探してる、というのが如実に創造出来る代物。
これだけの素材が用意されたならば、例えばドン・ウィンズロウのような作家の手にかかれば遥かに軽妙洒脱な作品となったであろうと想像に難くない。
とにかくページをめくる速度が鈍る。なぜ?眠ってしまうから・・・読了まで2週間もかかってしまったぜいw

大沢在昌著『鮫島の貌』

2015-06-05 10:54:33 | 「ア行」の作家
大沢在昌著『鮫島の貌』光文社文庫 2015.5.20

おススメ度:★★★☆☆

「新宿鮫」シリーズは1990年の「新宿鮫」から2011年の「絆回廊」までの10作品がある。初めて「新宿鮫」を読んだ時の衝撃は今も忘れない。
いわゆる警察小説というジャンルは当時既にあったものと思われるが、同シリーズの主人公鮫島刑事のような人物にお目にかかったことはなかった。
キャリア試験に受かり、公安警察に配属となった鮫島がそこで出会った公安警察の光と影。その影の部分でどうしても自分に納得のいかない事案に遭遇し、その闇を抱え込んで警察内部に踏み止まった鮫島を待っていたものは新宿署生活保安課への左遷であった。
「男の矜持とは何か」を真剣に問いかける警察小説に自分も大沢ファンの一人としてハマっていった。第一作発刊と同時にリアルタイムに読んだ同シリーズは大沢作品の中でも一際好きな作品であった。
本シリーズの再開はもうないものと諦めていた折に刊行された本作品は短編集とサブタイトルが付けられてはいるものの、鮫ファンへのサービス譚が語られている。ファンであればこそ「ほ、ほー」とうなずかれる場面が多々あり、同シリーズを一度も読んだことのない読者には何のことは分からないであろう。
特に印象に残った作品は「雷鳴」であろうか。特に最後のフレーズが良い。それと「幼な馴染み」で登場した人物にびっくり!なんと漫画「こち亀」の両さんではないか!?ドタバタ漫画の主人公との共演とは茶目っ気を通り越しているかも知れない。もう一作「エンジェル・ハート」という漫画とコラボしているとは言われたが、この作品に関しては一切知らないのでコメントは避けておく。
いずれにしても話題性にあふれる作品となったようだ。
さて、前述したように「新宿鮫」シリーズは大沢作品の中でもお気に入りの作品なのであるが、更に同シリーズの以前に書かれた初期作品群もなかなか面白い傑作がある。
が、しかし、である。近年の大沢作品のふがいなさは一体どうしたものであろうか?
以前のような作品はもう書けない、ということであれば絶筆されてはいかが?もう既に過去作品群の印税だけで十分に暮らせるでしょうに。