折り返しのガイドウエイバスでナゴヤドーム前矢田へ戻り、ナゴヤドームを外観から見学。ペナントレースも終わり、陶磁器関係の催し物でお年寄りらが列を作る光景は、いつものドームとは違うものだろう。
中京圏の名物といえば、充実した喫茶店のモーニング!というわけで、手近な喫茶店に入ってみたが、値段も内容も、大して九州と変わりはなかった。競争の激しい、都心で見られる現象なのかしら。
そのまま南へ歩き、出来町通へ。ここから市内までは、バスが道路の中央を走る「基幹バスレーン」の区間である。バス停は道路の真ん中にあり、まるで路面電車。ガイドウエイバスの原型ともいえるバスだ。
僕がよく訪れるソウルの街では、2004年から大々的にこの方法を取り入れ、今や100km単位の規模に成長。しかし名古屋の基幹バスの歴史ははるかに長く、1985年のスタートである。ソウルで高い評価を受けているこのシステムだが、名古屋ではいかに?というわけで、帰路はこのバスに乗り、市内へ戻った。
ソウルとの大きな違いは、終日バスレーンとなっていない点。混雑時間帯以外は、容赦なくバス停の前を一般車が走り抜けていく。ソウルを見慣れていると、なんとも奇異な光景に映るのだが、終日規制は日本だと理解を得られにくい面があるのかも。どことなく一般車両が入りづらい雰囲気はあるので、慣れないドライバーは入ってこないようだ。
真ん中をバスが走るものだから、右折車両の扱いは一般の道路と大きく異なる。右折時に対向車線だけでなく、後方からのバスレーンも注意を払うのは難しいからか、直進と右折の信号は分離されている。いきおい待機時間は長く、一般車のドライバーからすれば、少々不便な道路かもしれない。
やってきた市バスに乗り込む。9時過ぎというのに身動きができないほどの混雑で、市内への交通機関としてよく利用されているのが分かる。運転頻度も市営、名鉄合わせると多く、ゆとりーとラインよりもはるかに多い利用者がいるのではないか?
バス停が限られている上、中央レーンを車線変更なしに走れるスムーズさから、一般の路線バスに比べれば早い。ただバス優先信号(バスが接近したら青に変わる信号)までは設置されていないようで、信号待ちの時間がかなりストレス。特にゆとりーとラインから乗り換えた身には、顕著にそれを感じる。この路線がガイドウエイバスになれば…と思うが、工事は大変だろう。
市役所前で下車。いかにも官庁街といった雰囲気だが、名古屋らしく、ど派手に鯱を載せた瓦屋根の市役所が圧巻だ。市議会議場なども歴史的建築物でありながら「城」風で、派手な地域の気質は脈々と受け継がれて行くものなのだと感じ入った。
中央を行きかうバスの列に新鮮さを感じつつ、大津通から今度は名鉄の基幹バスへ。さすがは自動車産業の都だけあり、ハイブリット式の低床バスだった。静かな走りはまさに最先端。せっかくの電気駆動なのだから、基幹バスレーンに架線を張り、トロリーバスにしても面白いと思うのだが、いかがだろうか。
つづく
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