Chang! Blog
福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです




 市町村合併で、二つの離島を持つことになった宗像市。そのうちの一つ、地島(じのしま)で椿まつりが開かれるというので、島旅仲間と共に小さな旅へと出かけました。


 宗像離島の発着場となる神湊へは、JR東郷駅からバスで20分。宗像大社を経由し、田んぼの中をのんびりと走ります。
 神湊(こうのみなと)というバス停で思わず降りかけてしまいますが、最寄りバス停は終点の神湊渡船場になるのでご注意を。


 フェリーターミナルは、最近建て替えられたようです。吹き抜けにはシンボリックなフラッグが掛っていました。


 地島の人口約200人に対し、椿まつりには800人規模の観光客が訪れます。市営航路は臨時切符売り場や臨時船も出して対応していましたが、列の後ろの方は積み残しになってしまいました。
 旅客船は決して大きな船ではありませんが、ぎっしり150人が詰め込まれると、案外入るものだなと思います。


 このところの、ぐずつき気味の天気もどこへやら。すっきり晴れた天気に、島旅気分も沸き立ちます。


 小さな島ですが、集落と港は2ヶ所あります。まずは島の南側にある、泊に寄航。
 祭り会場まで距離はあるものの、2つの集落を結ぶつばきロード(健脚向きコース)を散策して会場に向かう人々が降りていきました。


 西海岸を回り込み、白浜港に到着。港の前が、祭り会場です。
 さっそく島の子どもたちが、案内パンフレットを手渡してくれました。総合学習の時間にでも作成したのでしょうか。島の歴史や特産品もカバーした、力作のガイドブックです。


 テントの出店では、島の特産物を使った食べ物が並んでいました。
 びっくりしたのは、その安さ。椿油で炊き込んだ「椿油ごはん」が二百円、サザエは1個50円!朝11時前でしたが、さっそく海辺でランチにしました。


 ステージイベントも、午前・午後と続きます。司会はプロ、中身は手作り感いっぱいで、そのギャップが楽しかったです。


 お腹も膨れたところで本来の目的を思い出し、椿散策に出発! 残念ながら見ごろは過ぎたそうですが、自生する6千本余りの椿の花が、ところどころに残っていました。


 泊港方面への遊歩道はアップダウンが激しいとのことですが、展望台に向かう倉瀬遊歩道は比較的穏やかな道のり。海の青に、赤い椿が映えます。


 展望台からの眺めも良好。都心から1時間とは思えないほどの、透き通った海です。


 帰路は歩いて、泊港からの乗船を試みました。14時10分の船は、白浜出発時点でほぼ満員。数人しか乗れずに、行列からは文句も上がりましたが、島の生活航路にお邪魔させてもらっている気持ちは忘れたくないもの。島の時間を楽しむ、余裕が肝心です。
 さいわい、続行の臨時便にはなんとか乗船。接続のバスもぎっしり満員御礼で、一年で島一番の賑わいに埋もれた一日でした。


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 両親は、泊まったビジネスホテルが思いのほかデラックスだったとご満悦ですが、カプセルホテルに泊まった僕はやや寝不足、そして二日酔いのまま1月2日の朝を迎えました。初夢も、定かではありません。
 駅から歩いて10分の、朝見神社へ初詣。2日ではありますが、地元の人で早朝からにぎやかでした。


 こちらのお年玉特典は、500円の絵馬。思いのほか豪華なプレゼントで、使い慣れている母曰く、小さな神社ほどいいお年玉がもらえるのだとか。
 母は記念に持ち帰っていましたが、僕は願いをしたため、境内に掲げてきました。


 別府駅の高架ホームに上がると、雪を頂いた鶴見岳を遠望できました。ゆけむりなど別府の宝の風景は数あまたありますが、鶴見の山もそのひとつだと思います。
 815系電車の広い窓からも冬の風景を楽しみつつ、1時間強、中津に着きました。


 中津駅では、なつかしい列車と対面。いつしか九州は、485系の最後の牙城になってきました。


 駅から歩いて15分の中津城へ。横の中津神社への初詣客や、黒田官兵衛ブームもあって、盛り場のようになっていました。


 再び電車に乗って、城野駅へ。コンビニ併設の平屋建て駅舎は閉鎖され、立派な橋上駅舎に面目を一新していました。
 ただテナントの誘致はこれからのようで、乗り換えの間に昼ごはんの調達との目論見はもろくも崩れました。


 このまま福岡に戻れば2時間もかからないのですが、せっかくの乗り放題なので、日田彦山線経由で久留米へと向かいます。
 2両編成のワンマンディーゼルカーが1時間に1本、のんびりと行きかう日田彦山線ですが、北九州口ではいつも混んでいるイメージがあります。空いているボックスはなかったので、2ボックスに分かれて筑豊へ。


 炭鉱の火は消えた筑豊地方ですが、セメント工場は今も稼動しており、荒々しい車窓が展開します。


 田川を過ぎれば、乗客もぐっと減ってローカル線らしい風情に。雪も強まり、車窓は九州の正月とは思えないものになってきました。
 虎の子の缶ビールを片手に、雪見酒としゃれ込みます。


 彦山駅では雪を踏みしめ、乗客が降りていました。雪国のような風景です。


 英彦山トンネルを抜ければ、夜明。夜明ダムの水面を右手に遡れば、日田に到着です。日田駅の待合室は観光客でいっぱいでしたが、室内のキオスクには閉店のお知らせが。棚ははやくもガランとしていました。
 「ゆふ森」はビュッフェがありますが、「ゆふ」に車内販売はなく、事前の食料調達は必須。なのにキオスクもなしでは、ローカル線の旅も厳しいく寂しいものになってきたと感じた、平成27年の初旅でした。

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 珍しく長期の旅に出なかった、今年の年末年始。両親が、毎年恒例の正月乗り放題きっぷの旅を計画しているというので、急遽ついて行ってみることにしました。
 「お年玉乗り放題きっぷ」は、九州内の普通列車が元日または2日のどちらか1日、2,080円で乗り放題になるきっぷです。「青春18」に比べ極端に安いわけではありませんが、正月しか休めない両親にとってはうってつけです。


 佐賀・みやき町の実家から、マイカーで新鳥栖駅へ。バスが激減してしまうお正月は、駅までもクルマでのアクセスにならざるを得ません。100円/24時間で止められる新鳥栖駅は、強い味方です。
 広大な駐車場は満車に近く、雪が積もっていました。雪が降り始めたのは昨夜からだったので、長い時間止めている人が多いのが分かります。


 快速電車で北上。鳥栖では初日の出を浴びましたが、基山前後では吹雪のような雪に。二日市を過ぎれば再び平穏、宗像付近ではまた雪…と、前線を串刺しにするように走っていきます。


 西小倉で、3両ワンマンの日豊本線の電車に乗り換え。両親は北九州に来る機会などめったになく、車窓という車窓が新鮮だとか。
 僕とて日豊本線を普通電車で下ることなどほとんどなく、「苅田町神田町」という地名に初めて気付きました。「町(まち)」の下に「町(ちょう)」がつくとは!


 中津で乗り継ぎ、宇佐で下車。宇佐神宮へ向かいます。宇佐神宮までのバスは通常1時間に1~2本しかないのですが、さすが初詣シーズンとあって増発されていました。
 ただそれとて1時間に2~3本と、神宮の規模を考えればさほど多くはありません。特急の臨時停車も、行われていませんでした。


 参堂の食堂で腹ごしらえして、参拝に赴きました。とにかく寒かったこの正月。神宮も雪を頂いていましたが、これはこれでオツな風景ではあります。


 「お年玉乗り放題きっぷ」には、各地の寺社で使える特典クーポンが3枚付いてきます。宇佐神宮では、通常300円の宝物殿の入場料が150円に。ほとんど「避寒」のために逃げ込みました。


 定期のバスに乗り込み、宇佐駅経由で豊後高田へ。古い商店街を「昭和の町」として売り出し、成功を収めたことで有名な町です。
 かつての私鉄駅跡という豊後高田バスターミナルも、ことさらレトロを強調していませんでしたが、昭和の香りをぷんぷん感じました。


 バスターミナル前の商店街は、「駅前商店街」を名乗ります。「駅前食堂」も、構えもレトロなら値段もレトロで驚きました。


 旧共同野村銀行は、お正月というのに開館していたのは立派。昭和初期の銀行建築らしく、2層吹き抜けの大空間が広がります。
 RC造の建築物も一般的になった時代のものなのに、RC調の木造建築というのも面白いところ。林業が盛んな地域でもあり、腕のいい大工も多かったのでしょう。


 平成5年まで西銀として使われていただけに、金庫もそのまま。金庫からの「脱出口」も見せて頂きました。


 商店街は思いのほか奥まで広がっており、国東半島でもっとも栄えた街の栄華を伝えていました。
 それはいいのですが、天気は再び雪模様に。僕一人ならいくらでも歩くけど、トシもトシの両親がいるので、「給食カフェ」に逃げ込みました。


 ウチの地元では「きなこパン」と称した揚げパンを、ストーブに当たりながら食べると生き返る思いでした。


 正月営業していたレトロ館は、後で見ればいいやと思っていたら、早仕舞いしていて残念! 正月の旅は、「開いているうちに見る」が鉄則です。
 電車に乗って夜7時前に別府に到着。さっそく駅前高等温泉で、凍りついた体を温めました。


 年末は魚や野菜が多かったので、がっつり食べようと焼肉屋へ。別府は焼肉屋の数が多く、名物として売り出していこうという機運もあるとか。
 飲み放題が1,500円と手ごろだったので頼んでみたら、もともと酒類は安く、3杯では元が取れないことが判明。おかげでガッツリ飲んでしまい、親子ともども泥酔してしまった元日でした。

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 冬休み初盤の12月27日~28日は、福岡市西区に浮かぶ能古島へ、島旅仲間と共に一泊してきました。


 今回は荷物(≒酒?)が多かったので、格安レンタカーをレンタル。都市高速経由で、姪浜の能古渡船場に直行しました。夏に小呂島へ行って以来の渡船場です。
 シーズンは混雑するため、島外在住者のマイカー乗り入れは自粛を求められていますが、今は冬なのでそのまま車で乗り込みました。前後に進める船なのでバックの必要はなく、小型船ながらドライバーに優しいつくりです。


 例年より冷え込む日が多い厳しい冬ですが、この日は抜けるような青空! ももち浜対岸の「市内」に向かうだけとはいえ、旅気分が盛り上がってきました。


 島の狭い道路も、パッソならスイスイ。対岸のドームやタワーが、冬空に輝いていました。


 のこのしまアイランドパークに到着。シーズンオフの園内に花はほとんどなく、人も少なくてちょっと寂しいです。コテージの宿泊者も、僕らのグループだけでした。
 しかし見方を変えれば、閉園時間後は広い園内を僕らだけで「独占」できるということ。気兼ねなく盛り上がるには、うってつけのシチュエーションです。




 花が少ないとはいえ、冬に咲く花の姿はちらほら。


 季節に関係なく、糸島に沈む夕陽は美しいものです。


 そして日が落ちれば、対岸の福岡市街地が輝き始める時間です。
 無数のビルに博多湾の大型船舶、空にはジェット機まで。泊まった人だけが楽しめる夜景を、独り占めにしました。


 鍋をつつき、ワインを6本空けるころにはヘロヘロに。メンバーの中でもダントツトップの、9時台に寝落ちしてしまいました。
 おかげで、いろいろ飲めなかったです(泣)。


 その分翌朝は早起きして、博多湾の日の出を見に来ました。
 地表近くには雲が立ち込め、雲の上に上がる日の出を期待したのですが、雲が赤く色付いただけで終わってしまい残念。


 朝ごはんを食べた後は遊具で遊んだり…


 ヤギと戯れたり…


 うさぎと遊んだりしながら、童心に返って過ごしました。


 さて能古島には西鉄の島内バスが走っているのですが、今年、「ぐりーん」が転属してきました。JR九州の列車デザインでおなじみ、水戸岡鋭治氏の手によるもので、以前は福岡市内ループバスとして活躍してきた車両です。
 秋の路線廃止に伴い能古島に転属。ウッディな内装は、自然を求めて能古島にやってきた市民を癒してくれることでしょう。


 島らしくお魚満載のランチを食べれば、短い週末は終了。
 1月の長崎大島に始まり、津久見保戸島や八丈島など、たくさんの島を訪れた年の締めくくりにふさわしい「小さな島旅」でした。

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 紅葉シーズンも終盤。下関の城下町・長府へ、秋の名残りを探しにいきました。


 街の紅葉は、久留米も本番。明治通り沿いのイチョウ並木は、枝も重たげに真っ黄色に染まっていました。


 博多まで快速で出て、小倉までは新幹線こだまレールスターで移動。週末の日帰り往復は「よかよかきっぷ」で3千円ちょっとになるので、ありがたいです。
 下関では、海岸にそびえる「海峡ゆめタワー」に初登頂。公式に恋人の聖地ってやつらしいですが、ここで写真を撮るのはちょっと勇気が必要…な気がします。


 いい天気。青い海に、白い関門橋が映えます。


 西側に目を移せば、初秋に渡った六連島の姿が。143mの高さから眺めていると、本土と目と鼻の距離のように感じられました。


 そのまま歩いて、市場のある唐戸へ。レトロ建築といえば門司港の名物になっていますが、対岸の下関も歴史ある港町とあって、近代の建物物があちこちに見られます。
 その一つである、下関南部町郵便局。1900年築の現役最古の郵便局として知られ、国の登録有形文化財にもなっています。コの字型の建物で、中庭に入ればどこかヨーロッパの町並みを思い起こさせるような空間でした。


 一角には「カフェ多羅葉」が入店。レトロな雰囲気の中で、軽食やコーヒーを楽しめます。
 建築当時のものと思われる煉瓦壁は存在感があり、耐震補強は空間のイメージを損なわないような配慮が見られました。


 カレーとハヤシライスのセットをオーダー。サラダ、コーヒーにデザートまで付いて千円かからないのですから、「雰囲気料金」を含めれば、なかなかお値打ちにも感じられます。
 食事をしていると、ドアの向こうからATMの操作音が響いてくるのも、また楽しいものでした。


 お隣の下関観光情報センターは、木材の貿易を営んでいた秋田商会の旧本社ビル。戦前の木材貿易といえば台湾材の輸入をイメージしたのですが、国産材を輸出する側だったのだとか。
 1階は銀行を連想させる大空間です。


 漆喰の装飾も見事。日本の材料で西洋の意匠に挑んだ、文明開化の時代を感じさせる建築物です。


 しかし2階の住居部分に上がると、途端に日本家屋風になってしまうのが対照の妙。外側のRC部分は新技術を使い、中は大工が腕を振るったのでしょう。RC造だと柱を飛ばせることから、真ん中の柱は着脱式になっており、大きな集まりの際には大空間にできる工夫も見られました。
 屋上は庭園になっていて、建物の外からも緑が見えるのですが、公開は年に1~2回に限られるとのこと。タイミングを合わせて、また訪れたいものです。


 サンデン交通のバスに乗り、長府へ。長府往復+1回を乗る予定だったので、しものせき観光1日フリー乗車券(720円)を求めました。
 城下町長府バス停で降りて、カモだらけの壇具川沿いを上がると、さっそく色づいた木々が。








 日頼寺。




 功山寺。墓地の傍の坂道も、落ち葉が降り積もっていました。


 大江小路。


 夕暮れを迎え冷え込んできたので、長府と唐戸の間にある下関マリン温泉へ。関門海峡に大きく開いた、眺望抜群の温泉なのですが、時間も時間なので窓の外は真っ暗でした。
 海沿いらしく、少し塩っ気のあるいい湯でしたが、千円という高値の価値を一層満喫するには、昼に来るのがよさそうです。


 唐戸に戻ると、下関南部町郵便局と秋田商会がライトアップされていました。


 夜景きらめく関門海峡を関門汽船に乗って渡り、門司港へ。地ビール園で、名物・焼きカレーをほおばる! ビール分を含むので、未成年者、ドライバーはオーダー不可というスペシャルメニューです。
 ビールの風味はよく分かりませんでしたが、下関の夜景を見ながらの地ビールとカレーが まずかろうはずもありません。なぜか突然打ち上げ花火が上がり、ホールは大騒ぎになりました。


 電車で小倉に移動し、イルミネーション見物。紫川の橋は、アーチ状に光に包まれていました。
 点灯時間は22時までで、22時になったら数秒で消されてしまいました(笑)。


 リバーウォークにも、ツリーがお目見え。福博レベルではないものの、北九州の冬の夜もきれいなものでした。

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 11月14日(金)、毎年恒例になった博多駅と天神のイルミネーションが始まりました。




 博多駅では、盛大に点灯式を開催。平原綾香の歌声が、華を添えました。
 今年のイルミネーションは、昨年と違い「動き」が見られるもので、印象が変わりました。


 キャナルシティ博多のイルミネーションは、一足早くスタート。




 警固公園にはミニSLが走り回り、家族連れでも楽しめそうです。

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 10月はじめの週末は、我らが島旅師匠のプロデュースによる、下関の「エミューの島」こと蓋井島(ふたおいじま)への1泊旅行の計画でした。
 しかし折から接近中の台風18号の影響を受け、宿から渡島見合わせを勧める連絡が。残念ではありましたが蓋井島をあきらめ、せっかく予定を合わせた休日なので、ひとまず下関へと旅立つことにしました。


 小倉までは、新幹線を利用。週末なら「よかよかきっぷ」で往復3千円になるので、在来線特急とも大差ない金額で乗れるのはありがたいです。
 東京行き「のぞみ」は、初めて乗ったN700系「アドバンス」。ロゴで区別できましたが、ただ乗っている分には従来のN700系との違いを発見できませんでした。


 小倉~下関間は、415系電車で結びます。ロングシート改造車が多数を占めるようになった中、貴重な原型のセミクロスタイプでした。
 電源切り替えのデッドセクションを惰性で越え、長い関門トンネルをくぐれば本州・下関です。


 案内板の「九州方面」の文字を見て、逆に本州へ来たことを実感。
 下関駅はリニューアルを終え、電車と高い段差が生じていたホームも、かさ上げされていました。駅舎本来も一新、駅ビルも完成して、まったく別の駅のような装いです。


 11時に予約しておいた、駅前大丸の春帆楼茶寮へ。高級ふく料理店として知られる店ですが、大丸店では2千円でふく刺し付きの定食を食べられます。
 天ぷらも付いて、ボリューム満点。なかなかお値打ちなメニューだと思います。


 腹ごなしに、唐戸までぶらぶら散歩。すっかり秋めいてきた時期ですが、日差しはじりじりと肌を焼きます。
 唐戸にはいつの間にやら、ミニ遊園地が誕生。その名も「はい!からっと横丁」(笑)。デパートの屋上遊園地のノリで、気軽に遊べそうな遊園地でした。


 唐戸と門司は、まさに目と鼻の先。関門連絡船は、頻発運行で観光客を運びます。十数年前には廃止の危機にあったのが、信じられないほどです。
 いい季候なので、巌流島への遊覧船も大勢の人が楽しんでいました。


 唐戸市場で買った、ワンパック800円なりのお寿司を「おやつ」に。午後1時半をまわると品薄状態ですが、見切り品もあってうまく選べばお得です。
 海峡を眺めながら、青空の下で寿司を食べてると、平和な気分になってきます。


 さて蓋井島へは行けなくなりましたが、駅裏の竹崎渡船場から20分という手ごろな場所に、六連島という島があります。せっかくなので、渡ってみることに。
 船の待合所は建ったばかりのようで、正方形の畳が並ぶモダンな建物でした。


 六連島航路は短距離航路ながら、本数はわずか1日4往復。竹崎からの最終便は18時で、島から下関市内へ通勤するのは難しそうです。
 下関駅から徒歩5分もかからない場所ですが、海側は漁村のようなたたずまいでした。


 出航すると船は、彦島と本土の間の、通称「小瀬戸」と呼ばれる狭い海域を抜けて行きます。
 海峡なので波もおだやか。デッキに出て潮風を浴びていたら、船員さんに「橋をくぐったら右側は波をかぶるから」と注意をもらいました。


 その言葉に違わず、彦島道路をくぐれば一気に外洋の波に。確かに、不思議と右側だけ波をかぶっていました。デッキの床も、いつしか水浸し。
 下関から小倉へと抜ける響灘は大型船の大通りでもあり、小さな渡船は縫うように島を目指します。


 わずか20分とはいえ、本格的に外洋を渡ったような気分で六連島に到着。
 そこは下関駅からわずかな距離とは思えない、島ののどかな風景がありました。




 ほとんどの車やバイクにナンバーはなく、バイクに乗る人はもれなくヘルメットをかぶっていません。
 キーも付けっぱなし、離島の大らかさがそこにはあります。


 やぶを掻き分け登っていったところにあるのが、六連島灯台。1872年に完成した、下関市の文化財でもあります。
 漢字で打ち出された、風見鶏の「東・西・南・北」の字がいい味出してました。


 現在も海峡の要衝である場所だけに、自衛隊のレーダー基地もあります。
 防衛省の施設も立っていますが、人の気配は感じられませんでした。


 海越しには、行くはずだった蓋井島の影が。
 これだけの晴天なのに渡れなかったのは、やはり残念。いつか必ず行きます!




 離島ののどかさ満載ながら、都市圏に近い島であることを物語るのが、花の栽培が盛んなこと。立ち並ぶビニルハウスは、普通の離島とはちょっと違う風景です。
 北九州都市圏という大消費地を控えているからこそ、産業として成り立つのでしょう。


 集落は、路地が入り組んだ島らしい住まい方。屋根の色が、中国地方にいることを感じさせます。


 家のワンコが、どこまでも付いてきました。


 六連島は、うにの瓶詰 発祥の地。その商品化に尽力した城戸久七氏の碑が、寺の中にありました。
 「うに」と掘られた三角の石を載せた碑は、どこかユーモラスです。




 今日、10月4日は島の秋祭りの前夜祭。あちこちで準備が進んでいましたが、島外の人が島に泊まるための施設はありません。
 島外からの観光客を呼び込むようなものではなく、あくまで島の人による、島の人のためのお祭りです。


 17:30の船で、夕暮れ迫る島を後にします。帰路は、不思議なほど穏やかな航海でした。
 九州と山陽路の電車が並ぶ、下関らしい風景に見送られ九州へ。蓋井島には行けなかったけど、思いがけず身近な場所で、島旅らしい島旅を満喫できた土曜日でした。

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 夏の福岡空港といえば、ビアエア! 飛行機を眺めながらビールを楽しめる、旅好きにはたまらないビアガーデンです。年を追うごとに人気が高まり、開催期間も年々延長。今年は昼の営業も始まりましたが、週末の予約は数ヶ月後しか取れないほどの盛況ぶりです。
 9月最後の日曜日、幹事さんが2ヶ月前に抑えてくれたビアエア「夜のフライト」に旅立ちました。


 地下鉄で福岡空港駅に降り立ち、第2ターミナルへ。日曜夕方とあってラッシュの時間を迎えており、大荷物の旅行者に混じっていると、どこかへ旅立つかのような錯覚を覚えます。
 僕らの「搭乗機」は、このポスターが目印。昼営業を「増便」と表現するあたりが、いかしてます。


 狭い通路を屋上デッキに上がると、そこは魅惑の空間。受付で、フォルダに入った「搭乗券」を受け取ってチェックインします。
 細やかな演出が、いっそう旅立ちの雰囲気を演出してくれます。


 駐機中のジェットを目の前にしながら、まずはカンパイ! ビアガーデンとしての基本は抜かりなく、ビールはスーパードライとプレモルの2種類。ノンアルや黒ビール、その他ドリンクも充実してます。
 食べ放題のフードも、種類豊富!とまではいきませんが、各種おつまみがずらり。お腹が空いたらカレーもあるし、「機内放送」を合図にロールケーキ(案外うまかった!)も出てきました。4,200円という値段は、立地を考えれば充分納得です。


 次々に、着陸しては飛び立つ飛行機。
 旅好き仲間で来れば、「スターアライアンス柄の飛行機だ!」「こんな時間から韓国に行けるんだね」「FDAって何色あるの!?」等々、ビール片手に盛り上がること請け合いです。


 コースターや箸袋も、オリジナルで揃ってます。お酒がまわってきた頃には、オリジナルグッズの「ワゴン販売」も回ってきますので、酔った勢いで「大人買い」しないよう要注意!
 一昨年、勢いでTシャツを買ってしまったのは私です。


 グループでわいわいも楽しいけど、飛行機を真正面に見ることができる2人用席もいい感じ。グループ席からは少し離してあるので、2人の時間を静かに楽しめそうです。
 今年の営業は今週末までですが、ぜひ来年は「昼フライト」に搭乗してみたいなと思いつつ、21時には「着陸」となりました。

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 福岡の観光地周遊バス「ぐりーん」が、9月28日をもってラストランを迎えることになりました。2008年9月末、走り始めて1週間目にも乗ったことがある路線だけに、丸8年での撤退には寂しいものも感じます。
 一方、福岡の新たな魅力を打ち出すべく走り始めた「オープントップバス」は、快走を続けているようです。そこで「ぐりーん」廃止の1日前、9月27日に二つの観光バスを乗り比べてみました。


 昼前に「オープントップバス」の受付がある福岡市役所に行ったところ、都市高経由の「シーサイドももちコース」は、17時以降しか空席がないとのこと。時間に余裕を持って、18時の便を予約しました。
 それまでの時間は、「ぐりーん」に乗ることに。市役所1階のカフェには自由に使えるタブレットが置いてあり、西鉄のサイトを見れば「ぐりーん」の現在地も分かるので便利でした。


 天神コア前まで移動して、「ぐりーん」に乗車。定刻12時30分の便は、15分遅れでした。昼間30分間隔の運行で、ほぼ無ダイヤの状態です。見慣れた緑色のバス停ポールも、明日を持って見納めになります。
 なお「ぐりーん」は1回乗車250円、1日乗車券700円ですが、オープントップバスの乗車券を持っていればその日はフリー乗車できます。オープントップバスでまずは一巡りしてみて、ぐりーんでじっくり回るというのも、いい観光コースではありました。


 「ぐりーん」は、JR九州の列車デザインでお馴染み、水戸岡鋭治氏のデザイン。白木のシートと床がさわやかで、「豪華」さよりもナチュラルなテイストがウリでした。
 引退を翌日に控え、バスファンらしき姿も見られましたが、乗車率は半分程度です。


 木の葉が舞う外観はきれいなのですが、車内から見れば車窓の妨げにも…乗車口のパーテションも前方への視界を妨げており、眺望という面では今一歩の感がある印象は、デビュー当時と変わっていません。
 他にないユニークな車両ではありましたが、オープントップバスの登場でちょっと陰が薄くなってしまった面は否めませんでした。


 福岡タワー前で下車。最終日を目前にして、ぐりーんを撮影する西鉄バスファンの姿も目立ちました。
 4台ある「ぐりーん」専属車の処遇は明らかになっていませんが、できれば今の姿のまま、観光客が多い路線にでも転用してくれればと思います。


 ひさびさに登った、福岡タワーからの眺め。福岡県人だとなかなか登らないタワーですが、街からの山と海の近さを感じることができて、福岡は恵まれた街なんだと確認できます。
 この後は「ぐりーん」で大濠公園を目指す予定でしたが、時間を合わせられずに一般の路線バスで巡りました。30~40分毎とはいえ渋滞で時間が読めない点は、実際に使いにくさも感じられました。


 18時前になったので、改めて天神の市役所前へ。3路線があるオープントップバスですが、この日18時発のシーサイドももちコースには赤いバスが入っていました。(写真は別時刻に撮影)
 今日も満席の盛況。韓国からの観光客の姿も見られました。


 18時から数分遅れて、市役所前を出発。案内は「DJ運転士」ではなく、ちょっとアニメ声の案内係が務めます。
 まずは見慣れた天神の街を、渋滞に阻まれつつゆっくりと走行。屋根なしで頭上の景観が広がるのも楽しいですが、少し視線が上がるだけで日常の風景と違って見えるのも、2階建てバスの楽しさです。


 通りに面している赤レンガ館も、オープントップバスから見ればご覧の通り。


 渡辺通りを北に折れれば、最初にして最大のハイライト、都市高速へと入って行きます。
 料金所の「高さ制限」が、おそらく道中で一番低い位置にある看板。手を伸ばしても届かない位置とはいえ、思わず頭をかがめてしまうほどの迫力で通り過ぎて行きます。


 複雑な立体交差が絡むランプ部分はジェットコースターのようで、普段の車では感じないような「逆G」の感覚も味わえます。
 荒津大橋の走行路は、高さ39m。博多湾と市場、市街地までを一望できる展望スポットです。海はちょうど夕暮れに差し掛かっており、島々を背景にピンクに染まっていました。


 シーサイドももちの施設群も、一枚の写真の中に。


 ももちの高層住宅群も、一番上まで見渡せると「最上階は形が違うけど、どうなっているのかな?」と別の興味も沸いてきます。
 韓国からの観光客は「大した高さじゃないな」と言っており、たしかにかの国のアパート群に比べれば、ちょっと低いですけどね…


 大濠公園の側をひとめぐりすれば、ラストコースの都心部へ。けやき通りには、トンネルのようなけやき並木と、洒落た店が並びます。きらめく夜景に、渋滞もそんなに気になりません。
 渋滞で時間も伸びましたが、案内からは市内のおいしいお店の情報が留まることなく流れ続けビックリ。思わぬ「引き出しの数」に驚かせられながら、約1時間半の福岡観光はフィナーレとなりました。

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 福岡市の市営渡船といえば、能古島、志賀島、玄海島など、長くても30分程度の航路ばかりというイメージでした。しかし唯一、65分という「渡船」という範疇ではくくれない航路もあります。小呂島行き…福岡市の最北端かつ最西端の島を目指す航路です。
 本数は1日2往復。月・水・金は1往復になってしまい、日帰りは不可能というダイヤ。島に宿泊施設はなく、帰路が欠航になれば野宿する他ないという、「市内」とは思えぬ島です。3連休の中日に、そんな身近で遠い島へと旅立ってみました。


 小呂島航路は、能古島航路と同じ姪浜の渡船場から発着。所用時間10分の、バス並みに気軽な能古島航路の合間を縫って運航されています。


 島に宿泊施設はなく、欠航時は待合室を開ける旨の掲示。切符売り場でも、島外からの訪問客にはこのことについて念を押されます。
 「市営渡船」「西区の島」という言葉だけでとらえていると、決して想像の及ばない環境です。


 所定の出航時刻は9:00ですが、特に案内はなく9:20へ変更になっていました。前日の、姪浜⇒小呂島の最終便が欠航になっていて、早朝に送り込みがあったため遅れが出たようです。
 特に細かい案内がないあたり、島の航路ののどかさも感じられました。


 積み上げられた、給食の食材。島の子どもたちの学びも支えます。


 小呂島航路に入る船は、2000年に就航したニューおろしま。市営渡船として小さな船体ではありませんが、玄海灘の荒波に立ち向かっていく航路としては頼りなげな気も…
 船室は2階建で、座席がずらりと並ぶのみ。自販機などはなく、船外デッキは立ち入り禁止になっています。


 糸島市沖では、市街地を背景に行き交うヨットを眺めつつ、遊覧船気分。


 玄海島のすぐ側を通過。新しい住宅や集合住宅が多く、震災後の復興した島の姿が、海からも垣間見れます。


 玄海島を抜けると、海には白波が。船体の揺れも、にわかに激しくなってきました。縦に横に、不規則に現れる予告なき揺れに、船にはさほど弱くない僕もちょっと込み上げてくるものが…乗船時間があと30分長かったら、マズかったかも。
 沖に見える島影は、壱岐。緯度で言えば、小呂島は壱岐よりも北に当たります。


 約70分で、小呂島着。出迎えの人で賑わうのも、本数の少ない離島航路ならではの光景です。
 姪浜から70分かけてきましたが、逆にいえばわずか70分で、ずいぶん遠くに来た感じもします。


 港には漁船がぎっしり。水産資源が豊富な玄海灘に位置する上に、大消費地・福岡の市内でもあることから、漁業は盛んなのだとか。
 人口の流出も一般的な離島に比べればゆるやかで、海岸沿いには若者向けの集合住宅も見られました。島内でも、若い夫婦や子どもの姿を多く見かけます。


 島で唯一の商店が、漁協の売店。土日祝日はお休みなので、島に行って手に入れられる飲食物は、自販機の飲み物のみです。
 日帰りの小トリップでも、万一に備えて非常食の携行だけは忘れずに。


 海の透明度では、壱岐にも負けません。ビーチがないので、海水浴ができないのは残念なところです。


 天候不順だった夏を脱し、秋を前に快晴の日が続いたこの3連休。壱岐だけでなく、この日は九州本土もくっきりと見えていました。




 島内の車やバイクには、ナバープレートがありません。


 畑に置かれたバスタブは、水が貴重な島ではよく見かける光景です。


 追ってくるワンちゃん。野良ではなく、放し飼いのようです。


 配水池。周囲をコンクリートで固められ、遺跡のような風景です。
 行政区域としては福岡市なので、水道関係の施設はもちろん福岡市水道局のもの。その他の公共施設にも当然、「福岡市」「西区」の文字が並ぶのですが、島の風景と比べ なんともしっくりこない感が、また面白いです。


 島で唯一の学校が、小呂小中学校。2階建ての木造校舎は、のどかな島の山並みを背景にマッチします。
 どんな様子かのぞいていたら、出勤していた先生が招き入れてくれました。鍵はかかっておらず、西区内とはいえ離島ののどかさが感じられます。


 木造校舎とはいえ昭和50年代の建物とのことで、古さは感じられません。階段室は2層吹き抜けになっていて、解放感と明るさが感じられます。


 体育館も大断面の木構造になっていました。館内では、バドミントン部が顧問の先生の指導を受けて活動中。ちなみに部員は2名、中学校の全生徒です。
 午後は文化系部活での活動があり、島の中学生は連休といえども、忙しい毎日を送っているのでした。


 砲台跡などの見どころもある島ですが、船の遅れもあってこの辺でタイムアップ。13時20分の船で、姪浜へと戻りました。海も落ち着き、往路ほどの揺れはありませんでした。
 島で海の幸を味わえないのは残念ですが、赤坂のこの店では小呂島で水揚げされた魚を楽しめます。飛び込みで行ったので魚介類にはありつけませんでしたが、ぜひいつか「のどかな西区」を舌でも楽しめたらと思います。

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