10月はじめの週末は、我らが島旅師匠のプロデュースによる、下関の「エミューの島」こと蓋井島(ふたおいじま)への1泊旅行の計画でした。
しかし折から接近中の台風18号の影響を受け、宿から渡島見合わせを勧める連絡が。残念ではありましたが蓋井島をあきらめ、せっかく予定を合わせた休日なので、ひとまず下関へと旅立つことにしました。
小倉までは、新幹線を利用。週末なら「よかよかきっぷ」で往復3千円になるので、在来線特急とも大差ない金額で乗れるのはありがたいです。
東京行き「のぞみ」は、初めて乗ったN700系「アドバンス」。ロゴで区別できましたが、ただ乗っている分には従来のN700系との違いを発見できませんでした。
小倉~下関間は、415系電車で結びます。ロングシート改造車が多数を占めるようになった中、貴重な原型のセミクロスタイプでした。
電源切り替えのデッドセクションを惰性で越え、長い関門トンネルをくぐれば本州・下関です。
案内板の「九州方面」の文字を見て、逆に本州へ来たことを実感。
下関駅はリニューアルを終え、電車と高い段差が生じていたホームも、かさ上げされていました。駅舎本来も一新、駅ビルも完成して、まったく別の駅のような装いです。
11時に予約しておいた、駅前大丸の春帆楼茶寮へ。高級ふく料理店として知られる店ですが、大丸店では2千円でふく刺し付きの定食を食べられます。
天ぷらも付いて、ボリューム満点。なかなかお値打ちなメニューだと思います。
腹ごなしに、唐戸までぶらぶら散歩。すっかり秋めいてきた時期ですが、日差しはじりじりと肌を焼きます。
唐戸にはいつの間にやら、ミニ遊園地が誕生。その名も「はい!からっと横丁」(笑)。デパートの屋上遊園地のノリで、気軽に遊べそうな遊園地でした。
唐戸と門司は、まさに目と鼻の先。関門連絡船は、頻発運行で観光客を運びます。十数年前には廃止の危機にあったのが、信じられないほどです。
いい季候なので、巌流島への遊覧船も大勢の人が楽しんでいました。
唐戸市場で買った、ワンパック800円なりのお寿司を「おやつ」に。午後1時半をまわると品薄状態ですが、見切り品もあってうまく選べばお得です。
海峡を眺めながら、青空の下で寿司を食べてると、平和な気分になってきます。
さて蓋井島へは行けなくなりましたが、駅裏の竹崎渡船場から20分という手ごろな場所に、六連島という島があります。せっかくなので、渡ってみることに。
船の待合所は建ったばかりのようで、正方形の畳が並ぶモダンな建物でした。
六連島航路は短距離航路ながら、本数はわずか1日4往復。竹崎からの最終便は18時で、島から下関市内へ通勤するのは難しそうです。
下関駅から徒歩5分もかからない場所ですが、海側は漁村のようなたたずまいでした。
出航すると船は、彦島と本土の間の、通称「小瀬戸」と呼ばれる狭い海域を抜けて行きます。
海峡なので波もおだやか。デッキに出て潮風を浴びていたら、船員さんに「橋をくぐったら右側は波をかぶるから」と注意をもらいました。
その言葉に違わず、彦島道路をくぐれば一気に外洋の波に。確かに、不思議と右側だけ波をかぶっていました。デッキの床も、いつしか水浸し。
下関から小倉へと抜ける響灘は大型船の大通りでもあり、小さな渡船は縫うように島を目指します。
わずか20分とはいえ、本格的に外洋を渡ったような気分で六連島に到着。
そこは下関駅からわずかな距離とは思えない、島ののどかな風景がありました。
ほとんどの車やバイクにナンバーはなく、バイクに乗る人はもれなくヘルメットをかぶっていません。
キーも付けっぱなし、離島の大らかさがそこにはあります。
やぶを掻き分け登っていったところにあるのが、六連島灯台。1872年に完成した、下関市の文化財でもあります。
漢字で打ち出された、風見鶏の「東・西・南・北」の字がいい味出してました。
現在も海峡の要衝である場所だけに、自衛隊のレーダー基地もあります。
防衛省の施設も立っていますが、人の気配は感じられませんでした。
海越しには、行くはずだった蓋井島の影が。
これだけの晴天なのに渡れなかったのは、やはり残念。いつか必ず行きます!
離島ののどかさ満載ながら、都市圏に近い島であることを物語るのが、花の栽培が盛んなこと。立ち並ぶビニルハウスは、普通の離島とはちょっと違う風景です。
北九州都市圏という大消費地を控えているからこそ、産業として成り立つのでしょう。
集落は、路地が入り組んだ島らしい住まい方。屋根の色が、中国地方にいることを感じさせます。
家のワンコが、どこまでも付いてきました。
六連島は、うにの瓶詰 発祥の地。その商品化に尽力した城戸久七氏の碑が、寺の中にありました。
「うに」と掘られた三角の石を載せた碑は、どこかユーモラスです。
今日、10月4日は島の秋祭りの前夜祭。あちこちで準備が進んでいましたが、島外の人が島に泊まるための施設はありません。
島外からの観光客を呼び込むようなものではなく、あくまで島の人による、島の人のためのお祭りです。
17:30の船で、夕暮れ迫る島を後にします。帰路は、不思議なほど穏やかな航海でした。
九州と山陽路の電車が並ぶ、下関らしい風景に見送られ九州へ。蓋井島には行けなかったけど、思いがけず身近な場所で、島旅らしい島旅を満喫できた土曜日でした。
しかし折から接近中の台風18号の影響を受け、宿から渡島見合わせを勧める連絡が。残念ではありましたが蓋井島をあきらめ、せっかく予定を合わせた休日なので、ひとまず下関へと旅立つことにしました。
小倉までは、新幹線を利用。週末なら「よかよかきっぷ」で往復3千円になるので、在来線特急とも大差ない金額で乗れるのはありがたいです。
東京行き「のぞみ」は、初めて乗ったN700系「アドバンス」。ロゴで区別できましたが、ただ乗っている分には従来のN700系との違いを発見できませんでした。
小倉~下関間は、415系電車で結びます。ロングシート改造車が多数を占めるようになった中、貴重な原型のセミクロスタイプでした。
電源切り替えのデッドセクションを惰性で越え、長い関門トンネルをくぐれば本州・下関です。
案内板の「九州方面」の文字を見て、逆に本州へ来たことを実感。
下関駅はリニューアルを終え、電車と高い段差が生じていたホームも、かさ上げされていました。駅舎本来も一新、駅ビルも完成して、まったく別の駅のような装いです。
11時に予約しておいた、駅前大丸の春帆楼茶寮へ。高級ふく料理店として知られる店ですが、大丸店では2千円でふく刺し付きの定食を食べられます。
天ぷらも付いて、ボリューム満点。なかなかお値打ちなメニューだと思います。
腹ごなしに、唐戸までぶらぶら散歩。すっかり秋めいてきた時期ですが、日差しはじりじりと肌を焼きます。
唐戸にはいつの間にやら、ミニ遊園地が誕生。その名も「はい!からっと横丁」(笑)。デパートの屋上遊園地のノリで、気軽に遊べそうな遊園地でした。
唐戸と門司は、まさに目と鼻の先。関門連絡船は、頻発運行で観光客を運びます。十数年前には廃止の危機にあったのが、信じられないほどです。
いい季候なので、巌流島への遊覧船も大勢の人が楽しんでいました。
唐戸市場で買った、ワンパック800円なりのお寿司を「おやつ」に。午後1時半をまわると品薄状態ですが、見切り品もあってうまく選べばお得です。
海峡を眺めながら、青空の下で寿司を食べてると、平和な気分になってきます。
さて蓋井島へは行けなくなりましたが、駅裏の竹崎渡船場から20分という手ごろな場所に、六連島という島があります。せっかくなので、渡ってみることに。
船の待合所は建ったばかりのようで、正方形の畳が並ぶモダンな建物でした。
六連島航路は短距離航路ながら、本数はわずか1日4往復。竹崎からの最終便は18時で、島から下関市内へ通勤するのは難しそうです。
下関駅から徒歩5分もかからない場所ですが、海側は漁村のようなたたずまいでした。
出航すると船は、彦島と本土の間の、通称「小瀬戸」と呼ばれる狭い海域を抜けて行きます。
海峡なので波もおだやか。デッキに出て潮風を浴びていたら、船員さんに「橋をくぐったら右側は波をかぶるから」と注意をもらいました。
その言葉に違わず、彦島道路をくぐれば一気に外洋の波に。確かに、不思議と右側だけ波をかぶっていました。デッキの床も、いつしか水浸し。
下関から小倉へと抜ける響灘は大型船の大通りでもあり、小さな渡船は縫うように島を目指します。
わずか20分とはいえ、本格的に外洋を渡ったような気分で六連島に到着。
そこは下関駅からわずかな距離とは思えない、島ののどかな風景がありました。
ほとんどの車やバイクにナンバーはなく、バイクに乗る人はもれなくヘルメットをかぶっていません。
キーも付けっぱなし、離島の大らかさがそこにはあります。
やぶを掻き分け登っていったところにあるのが、六連島灯台。1872年に完成した、下関市の文化財でもあります。
漢字で打ち出された、風見鶏の「東・西・南・北」の字がいい味出してました。
現在も海峡の要衝である場所だけに、自衛隊のレーダー基地もあります。
防衛省の施設も立っていますが、人の気配は感じられませんでした。
海越しには、行くはずだった蓋井島の影が。
これだけの晴天なのに渡れなかったのは、やはり残念。いつか必ず行きます!
離島ののどかさ満載ながら、都市圏に近い島であることを物語るのが、花の栽培が盛んなこと。立ち並ぶビニルハウスは、普通の離島とはちょっと違う風景です。
北九州都市圏という大消費地を控えているからこそ、産業として成り立つのでしょう。
集落は、路地が入り組んだ島らしい住まい方。屋根の色が、中国地方にいることを感じさせます。
家のワンコが、どこまでも付いてきました。
六連島は、うにの瓶詰 発祥の地。その商品化に尽力した城戸久七氏の碑が、寺の中にありました。
「うに」と掘られた三角の石を載せた碑は、どこかユーモラスです。
今日、10月4日は島の秋祭りの前夜祭。あちこちで準備が進んでいましたが、島外の人が島に泊まるための施設はありません。
島外からの観光客を呼び込むようなものではなく、あくまで島の人による、島の人のためのお祭りです。
17:30の船で、夕暮れ迫る島を後にします。帰路は、不思議なほど穏やかな航海でした。
九州と山陽路の電車が並ぶ、下関らしい風景に見送られ九州へ。蓋井島には行けなかったけど、思いがけず身近な場所で、島旅らしい島旅を満喫できた土曜日でした。