体調やら旅行やらで、3週間くらい映画を見てなくて、映画エンジンがかからないけど
友達がみんな、すごくおもしろかった!といってた「団地」を見ました。
おもろー!おもろー!おもろー!好きー!
思わず太字にしてしまう。笑
いやはや、なんか予告編を見ててね、なんとなく、
日常の中に忍び込むシュールな笑いのある、ちょっと斜に構えた感じの
ドタバタあり人情ありの家族映画のようなものを想像してたんですよ、勝手に。
全然違った。
藤山直美、いいわー。
樹木希林もいいけど、この藤山直美のこの生活感は誰にも追随を許さないのでは。
ほんと、すばらしい。
話はね、映画のネタバレをされるのは全然平気で、自分でも
ここまでは大丈夫かなという程度のことはネタバレしてしまうわたしですが
この映画に関しては、もう何も言いません。
後半、どシュールな展開が来るのかと身構えてたけど
シュールというのかなんというのか、この、団地という舞台の
べたべたこてこての所帯染みた生活感に、そう話をつなげるかという、
なんかもう、やられた〜と感服しかない。
まあ少しは予想の出来た展開ではあったけど、それでも見ながら
ワクワクする気持ちがなくなることがなく、ずっと軽い驚きが続いたまま
最後まで魅了されて楽しみました。
長年商店街で漢方薬屋をしていた夫婦が、あることがあって店じまいし
団地に引っ越してきます。
団地では、どの団地にもいそうな噂好きの女性たちや孤独な子供がいて、
自治会長選びや入居者不足などの問題もあり、
その辺の描写にはステレオタイプな部分も少しあるけど
やりすぎではない、微妙な距離感があって、リアリティを損なってないというか、
むしろ多少損なっててもちょうどいいくらいの感じになっています。
そして主人公夫婦に起こったことと、団地の人たちの噂や妄想などが絡み合い
お話は進んでいきます。
主人公夫婦の団地の部屋がね、わたしは割と好みです。
「海よりもまだ深く」も団地映画でしたが、あれほどの生々しさはなく
整理整頓された部屋で、小さいながらも居心地は良さそう。
小さな台所には横に食卓もあり2歩もあるけば何にでも手がとどく。
あと4畳半くらいの和室が2つかな。
天井も低く、余分なスペースは全くなく、動き回る余地も全然ない狭さけど、
それでもまあ十分なんだなぁと思った。家の中って動き回るもんじゃないしなぁ。
小さなスペースでこじんまりとこざっぱりと暮らしている感じが好きです。
「海よりもまだ深く」の樹木希林の部屋も同じような間取りと狭さだけど
あおこはとにかくものが多い。子供二人を育てているうちに物が増えて
子供たちや夫がいなくなったあとも、ものはそのまま減ってない感じでしたね。
たとえていうなら、冷蔵庫の奥に賞味期限切れの得体の知れない、
いつ買ったかもわからないものがある感じ、あの感じが部屋中に充満してました。
映画として、あの部屋の生々しいまでのリアリティは素晴らしいけど
個人的にはあの部屋にはあまり住みたくないかな。笑
「団地」の藤山直美の部屋なら住んでみたいです、
美意識的には違うものはたくさんあるけど。
そういえば漢方薬の丸薬を作る様子が描かれていますが、この道具も面白かった。
今は多分機械を使うこともあるのでしょうが、ああいう風に作ってたのねぇ、
あの作業、わたしもやってみたいわぁ、と
細かい工作のわりと好きなわたしは思いました。
あと、夕ご飯にお好み焼きをおかずにご飯を食べてるシーンとかあって
大阪だなぁと、ここでもくすり。そういう、
くすくす笑えるくすぐり満載で、ほろりとするところも、ぐっとくるところもあり、
意外な展開や驚きもあって、最後にはいい気持ちで見終えることができる、
いい映画です。
また、藤山直美さん的なもののある大阪っていいやんなぁ、という気持ちにもなるし
3週間ぶりに見た映画がこれでよかった〜。
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