教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

ん~

2007年03月05日 18時33分26秒 | 教育研究メモ
 今日は早起き。午前中に無呼吸の定期診察のため病院へ。
 登校後はひたすら読書。今日は、伊東俊太郎・村上陽一郎編『日本科学史の射程』(講座科学史4、培風館、1989年)を読む。同書には、古代から明治までの日本の自然認識や技術の歴史を、日本科学史として描く論文集。内容は、古代日本における宇宙観・世界観、真言密教(空海)における探鉱・採鉱・鍛錬技術、朱子学と自然科学(洋学)との接合場面における朱子学的「理」の後天的・経験的側面に関する強化強調、本居宣長の学問の両義性(国学と医学)、蘭学における直訳的義訳の医学的擁護形成に果たした役割・評価、オーストラリアとの比較からみた明治日本における物理学の受容と定着の特質・問題点、和算の内容上の通史、中国科学と西洋科学の評価における日本人の役割、日本に物理学がうまれそこなった歴史、日本への近代物質観の伝達における重要な蘭書と学者の努力、本草家同士のつながりへの視点を含む本草学の通史、農業研究における普遍性の追求と地域性への対応、江戸時代の医学(漢方・蘭方)の通史、が明らかにされています。これも科学史だといっていいのか?と気になるところもぽつぽつと。
 あと、博士論文の問題設定について気になる点があったので、悩む。
コメント
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