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秘境の巨人ヨーウィ

2010年10月13日 23時31分53秒 | 連載カード考察企画
カード考察第51回は秘境の巨人ヨーウィです。
リクエストを貰ったのは5ヶ月も前なので
再開までに随分かかってしまいましたね。
ヨーウィは千年皇国の栄光で再録されたユニットですが
Sレギュレーションの当時から大した活躍をしたカードではなかったですね。
実はリクエストを貰った当時は、
このカードの問題点を分かりやすく解説するのは
なかなかに骨が折れるのではないかと思っておりました。
が、環境が変わったので今更わたしが説明するまでもない
状況になってしまったのではないかと思います。
はい、シャチやオズホーが登場したからです。
シャチデックはアイテムデックのこれまでの問題点を
端的にフォローした非常に完成されたデックです。
対してヨーウィはこれまでの重アイテムユニットの弱点を
そのまま引き継いだ使い辛いカードです。

今の知識で考えれば、シャチが強くてヨーウィが弱い現実に
疑問の余地はないでしょう。
しかしこのリクエストを貰ったのは5月の26日です。
スケグル制限から10日も経ってない時期だったんですね。
当時のモンコレはスケグルの影響でドラゴン型も死滅状態にあり、
単純に対抗の回数のみで戦闘の勝敗が決するゲームでした。
攻撃力防御力の高さが重視されなかったんですね。
しかもアイテムデックで強いといえるデックは
1パターンもない環境でもありました。
なので5ヶ月前の段階でヨーウィの問題点を実証と伴わずに
理屈だけで説明しても分かりづらかったのではないかと思います。

ヨーウィの初登場はSレギュレーションの聖王の刻印です。
Sレギュも末期のエルド伝の頃のカードだったんですね。
7/7/5のスペックにアイテム枠を3枠も持ち、
しかし装備品を装備すると消耗品は使えない、というユニットでした。
装備品と消耗品の同時使用を制限する特殊能力は
ハイスペックなユニットが3神器を使用できた場合、
相手の対抗を打ち消しているだけで一直線に勝ってしまう、
という懸念から生まれた制限です。
その他にもどういった形であれ、アイテム3以上のユニットは
装備品に関連する特殊能力を持っています。
これは現在でも変わっていませんね。
つまり、まさに今シャチがやっているような戦法は
大昔からオフィシャルが懸念し、ごく最近になるまで
けして成立しないように避け続けていたスタイルだったのです。
アイテム2のユニットが総じてスペックが低かったのもそのためで、
それがステージ2になって突然解禁したわけですから
シャチの登場は非常に大きな事件だったんですね。
これはジーグルーデも同様です。
中型以上の重スペラーでイニシアチブ+を持っているデザインは
ステージ2までほとんどいなかったんですから。

ヨーウィはスペックで見ると低い訳ではないはずですが、
強い弱いで見れば弱いカードでしょう。
その理由はあげつらうとキリがありません。
レベル7のアイテムユーザーは珍しく互換ユニットが少ない。
攻撃力も防御力も微妙に足りないので両方にフォローが必要になる。
レベル7のジャイアントでは種族強化を受けられない。
サポートとなるレベル1のスペックが低下している。
考えれば考えるほどあらゆる面が今一歩足りない。
ヨーウィはそういうユニットです。
ただし上記に列挙した問題点のうち、本当に致命的なのは1つ。
攻撃力も防御力も微妙に足りないので両方にフォローが必要になる。
これだけです。
相手の対抗のキャンセルが持ち味の重アイテムデックは
相手よりも高い攻撃力と防御力を持っているかどうかが
勝敗を大きく左右します。
それも、攻撃だけで相手の防御力を貫けるか、
強靭の薬を使わないでも素の防御力だけで全滅しないか、
という1点の差で強弱が決するのですから
重アイテムユーザーのスペックは非常にシビアです。
ヨーウィだって相手パーティの総防御力が8点以下であれば
攻撃力1点のレベル1をお供につけて先攻を取る事が出来れば
あとはアイテム枠3枠で相手の対抗をカットしているだけで勝てます。
しかしヨーウィは普通以下の防御力の相手にしか
そういう有利が発生しない程度の水準に調整されている。
ヨーウィに限らず多くのアイテム2枠のユニットにも
共通した話なのですが。

さてここで注意して欲しいのは
問題なのは攻撃力も防御力も中途半端に低いため、
攻撃と防御の両方についてサポートが必要であるという点であって
攻撃面は十分な性能で、防御力はその代わり防御力だけ極端に劣っている場合や
その逆で攻撃力はイマイチだが防御力に関しては十分なので
攻撃手段だけサポートしてやればいいようなデックの場合は

総合的には同程度の性能でも
1つのテーマデックとして十分に成立するという事です。
たとえばバードマンやギルマン、ドワーフなどの
先攻または後攻に特化したデックですね。
これらはこちらのやりたいことだけに気を配っていればいいので
デックのなかに明確な勝利パターンが生まれます。
50枚のデックと6枚の手札、3つのアイテム枠を駆使して
勝利のために満たさなければならない要素は何か?
全てが微妙に足りないデックは
あれこれといくらでもカードを積まなければならないので
50枚ではとてもカードが足りません。
総合力よりも偏ったデザインで明確なコンセプトがあるほうが
重要だという事ですね。
アイテム系に限らず、使われているカードに共通する要素でしょう。
ガトーよりオズホーのほうが使えそうだ、みたいな話ですね。
まあガトーはそれでもレベル分の攻撃力防御力はあるので
攻撃防御両方ともギリギリで水準内なのですが。

Sレギュの話になりますが、
ヨーウィはそれより前に存在したダイヤモンドガーディアンの
差し替えのようなユニットでした。
構築セットの固定スペシャルカードであり、
六王国レギュレーションのカードでもあったダイヤモンドガーディアンに対し
エルドレギュレーション用にそれに近い性能のカードとして
登場したのが秘境の巨人ヨーウィです。
ダイヤモンドガーディアンは7/5/7ディフェンダー+10のアイテム3。
(土スペルもありましたがアイテムを使うと使えなくなります)
対するヨーウィは7/7/5のアイテム3。
なのですが、ダイヤモンドガーディアンのほうは
本当に途轍もなく強いんですよね。
今のGレギュに復活させても一線級の働きが
出来るカードではないかと思います。
だいたい英雄点1というところでしょうか。
ステージ1の水準なら2はありそうですが。
両者の運用性に明確な違いを与えているのはディフェンダーの存在ですね。
イニシアチブ-を持ち防御力の高いレベル1を付ければ
あとはアイテム枠3枠で相手からの対抗をカットするだけで
15点の打撃が炸裂します。
Sレギュだとノッカーやディープグリーンが居て、
普通のデックの先攻時の攻撃力はそれほど高くなかったので
相手に何もなければそれだけで殴られただけで死にませんでした。
攻撃力15点もの打撃が発生するオプションをわずかな差、
というのは乱暴ですが
ダイヤモンドガーディアンとヨーウィは常備能力1個の差で
環境の上位と底辺ほどに強さが違ったのです。
いえ、厳密には常備能力1個の有無の差、ではありませんね。
もしヨーウィがチャージを持っていて7/7/5チャージ+7アイテム3。
先攻時には14点で殴れるユニットであったとしても
ダイヤモンドガーディアンほど活躍するとは思えませんので。
だってレベル1の隙間で先攻を安定させる方法がないから。
ヨーウィとダイヤモンドガーディアンの差は戦闘教義の有無。
この形を作れば勝てる、という明確な勝ちパターンが
あるかないかの差です。
でも対人のカードゲームではこれが正と負の違いですね。

カード考察第51回は以上になります。
当ブログでは取り上げるカードのリクエストを
随時募集しています。
リクエスト対象カードは
神霊獣の咆哮から星剣姫の烙印までの全てのカード。
金冠の悪魔ゴモリーとステージ2のカードは含まれません。
この記事のコメント欄でもふるってご応募ください。

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