老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

植物とのふれあいの中で ⑤   ~イタドリ~

2016年06月14日 20時16分08秒 | 園芸福祉・植物とのつながり
 今回は、皆さんご存知のイタドリです。
植物学的には、東アジア原産のタデ科の多年生植物で、和名はイタドリ(虎杖、痛取)、学名はFallopia japonicaです。
国内至る所で、身近にあり、別名は、スカンポ、イタンポ、ドングイ、スッポン、ゴンパチ、エッタン、ダンジ、サシボなど様々です。

 昔から、薬草としても使用されており、根茎を天日乾燥させたものを虎杖根(こじょうこん)といい、緩下作用、利尿作用があるとして民間薬に使われていますし、カンゾウといっしょに煎じて咳を鎮めるためにも利用されています。
更に、若葉を揉んで擦り傷などで出血した個所に当てると多少ながら止血作用があり、痛みも和らぐとされる。これが「イタドリ」という和名の由来でもあるようです。

 私も、子どもの頃に親しんだ植物で、若くて少し太いものを狙ってポキッと音を立てて折り採って、皮を剥いてそのままおやつ代わりに食べましたが、食べ物が少ない時だったかも知れませんが、少し酸っぱくて結構美味しかった記憶があり、今でも時々そのまま口にすることがあります。
但し、“食べ過ぎると体に悪い”と言われていて、食べる量はそんなに多くなかったように思います。

 また、私が育った兵庫県(主に少年期に親しんだ播州では、エッタンまたはダンジと呼んでいました)ではそれ程料理には使われていなかったように思うのですが、先日旅行した高知県では立派な料理材料のようで、道の駅でも少し加工したものが販売されていました。
また、PCで“イタドリ 料理”で検索すると、60種類以上ものレシピが掲載されていますし、各地の伝統料理にもなっている様です。

 この植物はあちこちで見かけるので、非常に繁殖力が強い様ですが、先日のTVではちょっと意外なことが報道されていました。
和歌山県(ここではゴンパチと呼ぶようです)では、数年前の水害でイタドリが根こそぎ流されてしまい、まだ充分に回復していない地域があるようなのですが、食用の需要をカバーできずに、2年前から休耕田での栽培に取り組んでいるようです。まさに、“あのイタドリを栽培??”という思いです。

 このイタドリについては、そのまま生で食した人は案外少ない様ですが、子どもの頃にイタドリ水車で遊んだ記憶がある人は案外多いようです。
切り取った茎の両端に切り込みを入れてしばらく水に晒しておくとたこさんウィンナーのように外側に反る。中空の茎に木の枝や割り箸を入れて流水に置くと、水車のようにくるくる回ります。
また、私たちの親の代では、戦時中のタバコの葉が不足した時にイタドリの葉を代用葉としてタバコに混ぜたことがある人も結構おられたようです。(まさ)