老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

植物とのふれあいの中で ④   ~ジャカランダ~

2016年06月08日 13時30分24秒 | 園芸福祉・植物とのつながり
 前回は3回にわたって、サツマイモを紹介しましたが、今回はジャカランダです。

 このブログのトップページを飾っている花で、ノウゼンカズラ科の高木で原産地は中南米ですが、青紫色の花が綺麗なこともあり、南アフリカや豪州などの南半球だけでなく、ハワイ、アメリカ西海岸、地中海~北アフリカ沿岸、更にアジアやヨーロッパなど各地に広がっています。
日本でも、海外でこの花に魅せられた人がこの花の素晴らしさを伝えて、徐々に知られるようになりました。国内では宮崎県南郷のジャカランダが有名ですが、大阪でも西区の八幡屋公園、森の宮の旧住宅公団、さらに天王寺の一心寺などでも立派な木が育っています。

 開花時期は日本などの北半球では5~6月頃、南半球では11月頃(いずれも初夏)と言われていますが、ある資料では、乾期に落葉し雨期の始まりに一斉に開花するともありました。
秋になると、葉が落葉しますが、花の後には円形に近い偏平な形の果実が付き、この果実の中に多数の種子が入っています。

 和名は“桐モドキ”と言いますが、日本から移民された方は形状・色が桐の花に似た花を見て遠く離れた祖国を偲ばれたようです。ちなみにハワイに移住された方は、日本の桜を偲んでジャカランダのことを「ハワイ桜」とか「紫の桜」と呼んでいたようです。
また、この花の魅力は、ちょうど日本の桜のように、高木になって街中が一色になることですが、地面に散った花がまるで紫色の絨毯のように見えることも大きな魅力です。

 私は30数年前に駐在した南米のアルゼンチンで初めてジャカランダに出会いました。季節が全く逆の同地では11月頃に街中の公園や街路樹で開花し、市民たちは初夏の到来を喜ぶのです。その当時は海外旅行もあまり一般的ではなく、園芸の知識もほとんどなかった私にとって、このような花といきなり出会ったことは強烈な印象で、この時期に出回る安くて美味しいチェリーと共に忘れられない思い出となりました。
このような経緯で、私にはジャカランダという英語読みよりも、初めに聞いたハカランダというスペイン語読みの方がこの花を思い浮かべやすいです。

 堺市にある大阪府営大泉緑地の一角に私たちのボランティア団体が実習花壇として管理している「はないずみの庭」という花壇があり、2003年(平成15)にこの花壇をボランティアの手で作った時に、府の了解も得てその中にジャカランダの苗木も植栽しました。
その後順調に育ちましたが、当初は花の付きが悪く、年に数えるほどの枝に花を付ける程度でした。それも春に咲いたり、あるいは秋になってから咲いたりと非常に気まぐれでした。どうやら気温、雨、剪定などに左右されるようです。
所が、昨年(平成27年)に急に沢山の花を付け、その華やかさで一躍公園の名物になり、カメラを手にした人も沢山来られましたが、先日のこのブログで紹介した様に、今年もまた沢山の花を付けてくれました。
  
 我が家でも、6年ほど前に小さな苗木を買ってきて、ベランダで大事に育てています。1昨年に2房の花を付けてくれて大喜びしましたがその後は咲かず、他の人に話を聞いても、コンスタントに咲くには10年ほどは掛りそうということで、暫くは辛抱強く待つことにします。(まさ)
 
アルゼンチンの公園にて

2年前に我が家のベランダで咲いた花

果実はこの様な形です