東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

古い松下製 電池管ラジオ4W-260の修理(1/2)

2011年04月23日 | 古ラジオ修理工房

 思わぬ不思議なラジオを手に入れました。デザインが気に入った据え置き型トランジスタラジオを手に入れたつもりでした。ところが、蓋をあけてみると、なんと真空管ラジオでした。それも電池で動作させる真空管を使用したラジオでした。真空管はA電源とB電源を使います。A電源はいいとして、B電源用の電池は今ではどこを探しても売っていません。B電源用電池は絶滅電池です。

           A電源とB電源を使う電池管を使用した松下製のコンパクトラジオ


 私はこれまで製作に使用してきた真空管はMT管とST管です。電池管は触ったことも見たこともありませんでした。雑誌か何かで聞いたことがある程度の知識しかありませんでした。このラジオの内部に収められた小さな電池式真空管を見てとても新鮮な驚きを感じました。少しMT管に似ていますが、このような真空管が本当にあったのですね。

               ラジオを裏蓋を外すと、4本の電池管が配置


 この電池管ラジオは、歴史的にはラジオの方式が真空管からトランジスタへ変わっていく過程で出現したラジオのようです。デザインやバーアンテナなどはトランジスタ方式ラジオを彷彿させますが、内部は真空管方式そのものです。真空管からトランジスタへ変わりつつあった昭和30年代初期に製造されたのではないかと思います。

        破損しているバーアンテナ          破損部分を接着剤で固定
 

 故障がないかどうか内部を丹念に見ました。すると、バーアンテナの端が破損していました。軽微な故障です。そして、バーアンテナがぐらぐらしていました。バーアンテナがぐらぐらしたためにバーアンテナの端が破損したのではないかと思います。バーアンテナの破損とバーアンテナがぐらぐらする故障は接着剤を使って固定することで直しました。

   バーアンテナを固定する部品紛失          バーアンテナを接着剤で固定
 

 次に、このラジオの背面に貼られていた回路図を調査しました。使用されている真空管は、1AB6(局部発信兼混合),1A14(中間周波),1AH5(検波),3CA(低周波増幅)です。整流用には真空管が使われておらず整流素子を使ってありました。あまり聞いたことがない名前の真空管です。電池で動作する珍しい真空管です。

            このラジオの回路図、四つの真空管を使用


 このラジオをなんとか動作させてみたいと思います。そのためにはA電源1.5VとB電源67.5Vを揃える必要があります。A電源には普通の単一電池がそのまま使えます。しかし、B電源が困りました。とっくの昔に製造中止の電池です。この電池を自分で作るしかないようです。9V(006P)を7個直列に繋げはB電源になりそうですが、電流が分からないので006Pで大丈夫かどうか分かりません。とにかくやってみることにしました。どうしても無理ならば、例えば100V電源を整流平滑してネオン管(ネオン管の発光定電圧は約60V)で降圧して作るしかありません。

古い松下製 電池管ラジオ4W-260の修理(2/2)へと続く。

       A電源の単一電池           B電源の67.5V電池(今や入手不能)
 


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