正林寺御住職指導(H19.7月 第42号)
折伏をさせていただく時、不軽菩薩の振る舞いが大切です。不軽菩薩の振る舞いとは、折伏する相手を軽蔑することなく敬うことであります。
釈尊は法華経の『不軽菩薩品第二十』に、
「我深く汝等を敬う。敢えて軽慢せず。所以は何ん。汝等皆菩薩の道を行じて、当に作仏することを得べし。」(法華経五〇〇㌻)
と説かれるように、不軽菩薩の振る舞いを心がけて折伏し、私達の過去遠々劫の罪障からくる軽率な言動と慢心を押さえ、相手の仏性を敬い長所を見つめながら折伏することが大事です。
日蓮大聖人も『崇峻天皇御書』に、
「法華経の修行の肝心は不軽品にて候なり。不軽菩薩の人を敬ひしはいかなる事ぞ。教主釈尊の出世の本懐は人の振る舞ひにて候けるぞ。」(御書一一七四㌻)
と不軽菩薩のように人を敬いながら折伏することが大切な振る舞いであると御指南です。不軽菩薩の人を敬う振る舞いを忘れた折伏には、様々な弊害を生じさせます。折伏時の振る舞いは、非常に大事なことであり折伏する相手に影響もあります。そのために不軽菩薩の軽蔑することなく他人を敬う振る舞いが大切です。
不軽菩薩の振る舞いを実行することで徳を積むことができます。不軽菩薩はその功徳により、大神通力、楽説弁力、大善寂力を得ることができました。
大神通力とは、身に神通力を示現すること。
楽説弁力とは、自在無礙に弁舌する力。 大善寂力とは、心に禅定、すなわち心を静め真理を観察し、心身ともに動揺することがなく、安定した状態を得ることです。
二年後に向かえる七万五千名の精鋭に加えさせていただくには、不軽菩薩の振る舞いは当然ながら身に備えて参加させていただくことが望ましいでしょう。