日蓮正宗 正林寺 掲示板

法華講正林寺支部 正林編集部

正しい心の師匠

2005-10-01 | 御住職指導

正林寺御住職指導(H17.10月 第21号)

 生きる上で私達は心を律するため、正しい心の師匠をもつことが大切です。日蓮大聖人様は『曽谷入道殿御返事』に、
「心の師とはなるとも心を師とせざれ」(御書七九四頁)

と仰せであります。成仏や絶対的な幸福に導いてくださる正しい心の師(三宝)を見失うことなく、悩み迷い多き自分自身の心(我見・人生観)を師とすることのないようにということであります。
 人生は正しい心の師(三宝)を見失い、限られた自分自身の経験を頼り過信し自分の心を師とするため迷いが生まれます。

 更に日蓮大聖人様は『蓮盛抄』に、
「涅槃経に云はく『願ひて心の師と作るとも、心を師とせざれ』云云。愚癡無懺の心を以て即心即仏と立つ。豈未だ得ざるを得たりと謂ひ、未だ証せざるを証せりと謂ふ人に非ずや」(御書二七頁)

とあり、未だ本当の悟りを得ていない自分の心を師としてはいけないと御教示であります。
 信心では私達の心から生まれる本当の悟りからかけ離れた気持ち、愚癡や怒りなどの心を師とせずに日蓮大聖人様のお言葉を師とすることが大事であります。

 成仏に導いてくださる正しい心の師(三宝)を尊崇していくところ、地涌の菩薩の眷属として、蘭室の友に相応しい人格が自然と具わってまいります。
 貪瞋癡の三毒が生まれる己の心を師とせず、大聖人様が『教行証御書』に、
「雑言・強言・自讃気なる体、人目に見すべからず、浅猿き事なるべし。弥身口意を調へ謹んで主人に向かふべし」(御書一一一〇頁)

との仰せを心がけることであります。
 自行化他にわたる法華講員に肝心な教訓が「心の師とはなるとも心を師とせざれ」という御指南であります。


 

宗祖日蓮大聖人『御講聞書』に曰く、
「所詮不信の心をば師となすべからず。信心の心を師匠とすべし。浄心信敬に法華経を修行し奉るべきなり。」(御書1857)