平成25年10月度 広布唱題会の砌
於 総本山客殿
(大日蓮 平成25年11月号 第813号 転載)
皆さん、おはようございます。
皆さんには、十月度の広布唱題会に当たりまして、多数の御参加、まことに御苦労さまでございます。
本年もいよいよ十月に入りましたが、皆様には僧俗一致・異体同心して、日夜、折伏誓願達成へ向けて御精進のことと思います。
前にも申し上げましたが、本年は十一月に御影堂の大改修落慶法要が行われることになっております。したがって、その前、今月、つまり十月末までには、全支部が折伏誓願を達成して、晴れて仏祖三宝尊に御報告申し上げ、御報恩謝徳申し上げたいと思っております。
そのためには、いまだ誓願を達成していない支部にあっては、講中が一丸となって、あらゆる困難や障害を乗り越え、全力を傾注して大折伏戦を展開していっていただきたいと思います。
「艱難、汝を玉にす」という言葉もあります。行く手を阻む様々な困難を乗り越え、物事を成就していくことは、たしかに難事ではありますが、しかし自行化他の信心に励み、諸難をものともせず、己れを磨き、所願を達成していくところに、我々の一生成仏の鍵があることを銘記すべきであります。
と同時に、それにはまず、講中が折伏誓願達成の祈りを込めて、一心同体となって唱題行に励んでいくことが大事であります。
これは、ある支部の話でありますが、その支部は本年度の前半まではなかなか折伏が思うように進みませんでした。しかし、指導教師を中心に僧俗が一体となって、折伏達成の祈りを込めて、唱題を毎日三時間、五時間と続けていくうちに、その功徳が実り、大きな成果を挙げて、今月の初めには見事、折伏誓願を達成することができました。
この話は、異体同心して唱題に励み、その唱題の功徳と歓喜をもって折伏に打って出るということが、いかに大事であるかを証明していると同時に、「なんとしてでも誓願を達成するぞ」と固く心に誓い、その一念のもとにあらゆる困難を乗り越え、敢然として折伏を実践していくときには、必ず強い祈りと相まって、困難と思われた様々な障害を乗り越え、実現不可能と思われたことでも実現することが可能となり、願いは必ずかなうことを実証しているのであります。
大聖人様は『四条金吾殿御返事』に、
「李広将軍と申せしつはものは、虎に母を食らはれて虎に似たる石を射しかば、其の矢、羽ぶくらまでせめぬ。後に石と見ては立つ事なし。後には石虎将軍と申しき」(御書1292)
と仰せられております。
この李広将軍の話は皆様もよく御存じのことと思いますが、まさしく、草のなかの石を親の敵の虎と思って矢を放ったところ、矢は深く羽ぶくらまで剌さったという話であります。しかし、のちにそれが石と判って矢を何回も射ったところ、二度と石に矢は刺さらなかったということであります。
この話は「一心、岩をも通す」という話となって、一念を込めて実行すれば、どんな難事でも成就するとの譬えに用いられています。
つまり、何事も「為せば成る」との強い一念があれば、たとえいかなる障害が惹起しようが、これらを克服して万事を成就し、所願を達成することができるということを教えているのであります。
まして、我々の戦いは、御本仏大聖人様の御遺命のままに、世のため、人のため、一切衆生救済のため、一天四海本因妙広宣流布を目指した崇高なる戦いであります。
されば、今、我々も、万難を排して妙法広布に生きることこそ、大聖人様の弟子檀那として、最も価値ある生き方ではなかろうかと思います。
ところで、先般、私はアフリカ・ガーナの法華寺創立十五周年記念法要とフランス信行寺創立十周年記念法要に行ってまいりました。
その折、ガーナでは盛大なる歓迎を受けて法要を奉修してまいりましたが、その熱狂的な歓迎が示すように、今、ガーナをはじめ、隣のトーゴ、コートジボワール、ベナンにおいては、既に本年度の折伏誓願を達成されており、これによって、当初六百名だったガーナの法華講は、ガーナだけで二千八百余名、トーゴ、コートジボワール、ペナン、ナイジェリア、コンゴ、南アフリカ、エチオピア等を合わせると、合計四千七百余名の方々が大聖人様の仏法に帰依され、信心に励んでいるのであります。
また、フランスではヨーロッパ各国から代表の方々が集まり、記念法要が執り行われましたが、ヨーロッパでも、既にスペインは折伏誓願を達成し、そのほかの国においても本年度の折伏誓願は必ず達成すると思っております。
こうした現状を見て、大聖人御生誕の地である日本に住む我々は、なお一層の決意をもって自行化他の信心に励んでいかなければならないと痛感した次第であります。
されば、皆様には既に重々御承知の通り、今、宗門は、来たるべき平成二十七年ならびに平成三十三年の誓願を達成すべく、各講中が僧俗一致して大前進をしております。
この時に当たり、各講中ともに、誓願達成の祈りを込めて唱題に励み、その広大なる功徳をもって折伏を行じ、もって御影堂大改修落慶法要を慶祝申し上げ、仏祖三宝尊へ御報恩謝徳し奉らなければならないと思います。
どうぞ、皆様にはこの一月、万難を排し、全支部誓願達成へ向けていよいよ御精進くださることを心から念じ、本日の挨拶といたします。
日蓮正宗公式HP
http://www.nichirenshoshu.or.jp/