正林寺御住職指導(H16.6月 第5号)
六月は衣替えの季節であり、気候もすっきりしない日が続きます。季節における様々な変化が生まれても、御本尊様への信心は変わることなく続けることが大切です。
日蓮大聖人は『四条金吾殿御返事』に、
「此の経をきヽうくる人は多し。まことに聞き受くる如くに大難来たれども『憶持不忘』の人は希なるなり。受くるはやすく、持つはかたし。さる間成仏は持つにあり。」(御書七七五頁)
と仰せであります。
季節が変わるなかで生活に異変や難が生じても、信心を忘れることなく御題目を唱えていけば必ず成仏するのであります。人生で経験する様々な困難が御本尊様に御題目を唱えることで成仏につながる貴重な栄養素となり皆さんの命を強靱にしていきます。
御本尊様の素晴らしさと有り難さを耳にする人は多くいますが、真剣に真面目に聞いて信心を実践する人は稀であります。御授戒を受け御本尊様を受けているだけでは、人生のあらゆる困難を栄養素に変えることはできません。信心を実行して持続する信心が欠かせません。
信心は一生を通じて持続することが簡単なようで非常に難しい修行です。一生を通じて正しい信心を行うには寺院の参詣が大事であります。寺院は信心の命綱であり、命綱を失いひとりよがりの信心では正しい成仏はできません。命綱が寺院で毎月行われる広布唱題会と御報恩御講への参加です。
以上で皆様の信行倍増を御祈念し、住職の挨拶と致します。
『上野殿後家尼御返事』に曰く、
「法華経第四に云はく『若し能く持つこと有らば即ち仏身を持つなり』云云」(御書三三六頁)