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日蓮正宗 正林寺 掲示板

法華講正林寺支部 正林編集部

宗旨建立会(立宗会)

2006-04-28 | 年中行事(末寺)

 宗旨建立会とは、建長五年(一二五三年)四月二十八日未明、清澄山・嵩が森にて、末法の御本仏日蓮大聖人様が、宗旨を建立し、立宗を宣言あそばされたことに対し奉りご報恩申し上げる法要です。

 建長五年四月二十八日未明、御年三十二才の大聖人様は、ひとり清澄山・嵩が森に立ち、遠く太平洋の彼方にさし昇る日の出を待たれました。

 やがて水平線上にその姿があらわれると、起立合掌されていた大聖人の口から「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経」と、末法万年の闇を照す下種の題目が、おごそかに熱誠をこめて力強く唱え始められました。大聖人様は、ご自身の胸中にそなえたもう題目をもって、太陽をはじめ全宇宙法界の生命に厳かな開宗の宣言を送られたのです。

 やがて時は移って午の刻(正午)となり、清澄寺諸仏坊の持仏堂には、十六才の時、房州(千葉県)清澄寺において道善房を師として出家得度以来、生智の妙悟に加えて、京都・奈良など十数年にわたり遊学研讃し、仏教の奥底を究め学問修業をおえて帰山した大聖人の説法を聞こうと、多くの僧俗が集まっていました。そこで日蓮と改名された大聖人様の立宗の第一声は、末法万年における大折伏の第一声として、朗々と響きわたったのです。

 大聖人様は、聴衆に対し、末法の衆生が成仏できる教えは、大聖人様が久遠元初に悟られた南無妙法蓮華経の因果倶時の一法以外にはなく、早く禅・念仏等の邪法を捨てて、この妙法を信ずべきであると折伏されました。

 しかし、このような、いまだかって聞いたことのない説法に対し、謗法の執着が強い地頭の東条景信等は大聖人様の説かれるところを理解せず、瞋りと憎しみを懐いて怨嫉誹謗の徒となり、後には、ついに無間大城の苦を受けることとなったのです。しかし下種の妙法の功徳は、地によって倒れた者がまた地によって立つように、これらの誹謗した者も一度はその罪によって悪道に堕ちますが、それが縁となって逆に成仏への道が開かれるのです。

 このように大聖人様の立宗宣言は信と謗、善と悪の一切に対して行なわれたのであって、根本は大聖人様の南無妙法蓮華経の一念、大慈悲の一念が国土・衆生・五陰の三世間にあまねく浸透し、信謗の如何にかかわらず、一切民衆と宇宙法界に妙法を下種されるところに立宗宣言の究極の意義があるといえましょう。宗旨建立会は、このような宗祖日蓮大聖人様の大慈悲に対し奉りご報恩申し上げる儀式であって、この儀式に際し私たちは、不退転の弘通誓願をなされた大聖人様のお心を拝し奉り、いよいよ信心を強盛に死身弘法の決意を新たにすべきであります。


立正安国の精神

2006-04-01 | 御住職指導

正林寺御住職指導(H18.4月 第27号)

 日蓮大聖人様の御生涯は、『立正安国論』にはじまり『立正安国論』に終わると言われますように、正しい仏法を生活全般に立て平和な国家社会を建設し広宣流布を目的とされるのであります。
 立正安国とは「正を立てて国を安んずる」と読みます。末法の時代に相応しい日蓮大聖人様の正しい仏法によって国(社会)の平和・繁栄を確立することであります。

 立正安国の実現には、破邪顕正が必要です。立正は邪宗教を破す折伏からはじまり、邪宗教を破しなくすことで正しい社会が顕れ安国の実現につながります。

 日蓮大聖人様は『立正安国論』に、
「汝早く信仰の寸心を改めて速やかに実乗の一善に帰せよ。然れば則ち三界は皆仏国なり、仏国其れ衰へんや。十方は悉く宝土なり、宝土何ぞ壊れんや。国に衰微無く土に破壊無くんば身は是安全にして、心は是禅定ならん。此の詞此の言信ずべく崇むべし」(御書二五〇頁)

と御指南です。法華講員が折伏する相手に伝えるべき非常に大事なお言葉であり、立正安国の精神が如実に示された有り難い御書で、この御指南に多くの人が背くため天変地異がおこります。

 第二十六世日寛上人様は、立正安国の立正について『立正安国論愚記』に、
「立正の両字は三箇の秘法を含むなり」(日寛上人御書文段集六頁)

と仰せです。故に、立正安国は三大秘法の御本尊である本門戒壇の大御本尊様を信じるところに根本があり、総本山大石寺に在す本門戒壇の大御本尊様を蔑ろでは立正安国の精神は全く存在しません。

 立正安国の精神は、三年後に迎える平成二十一年立正安国論正義顕揚七五〇年に向け、日蓮正宗の僧俗は片時も忘れてはならない宗祖日蓮大聖人様の最も大事な御精神であります。