正林寺御住職指導(H16.9月 第8号)
九月は寺院行事が豊富な月であります。行事が豊富であるということは、成仏につながる有難い徳を積ませて頂ける絶好の機会であります。仕事や私生活の合間に寺院行事へ参加することは難しいでしょう。この時に大切な心構えとして、日々勤行に於いて如来寿量品第十六で唱える「不自惜身命(自ら身命を惜しまず)」ということを身口意の三業にわたり、確実に実践していくことが必要です。
日蓮大聖人様は『義浄房御書』に、
「此の五字を弘通せんには不自惜身命是なり。」(御書六六九頁)
と御指南であります。
私達は信心をしていても未熟なため、大聖人が仰せになる不自惜身命の精神を忘れて過去世の謗法が起因し愚癡をいうことがあり、その愚癡を止めて行くところに成仏があるのです。また健康管理を万全にし、身命を惜しむことなく忙しい中を寺院行事に参加して日蓮大聖人に御報恩申し上げることが大切です。
寺院から遠のきたいという怠慢から来る気持ちや来寺したくとも行けない状況下は、凡眼凡智で知ることのできない魔の働きがあることに気が付くべきです。克服するには申すまでもなく、大聖人が仰せの身命を惜しまない信心を忘れることなく確実に持続することです。
毎年九月十二日は「竜の口法難」です。日蓮大聖人が御本仏として「発迹顕本」遊ばされた重要な月です。まさしく大聖人御自ら身口意の三業にわたり「身命を惜しまない信心」を実行され私達に御教示下されました。信心をさせて頂いている私達末弟は忘れてならないことが、大聖人斬首執行の「竜の口法難」です。
人生の辛さは大聖人の身命を惜しまない信心を実行することで乗り越えられます。もし信心を軽んずるようであれば、我が身を惜しみ不自惜身命を忘れた信心であることに気が付くべきであります。
以上、皆様が充実した月になりますよう祈念し住職の挨拶と致します。