平成23年8月度 広布唱題会の砌
(於 総本山客殿)
(大日蓮 平成23年9月号 第787号 転載)
皆さん、おはようございます。
本日は、八月度の広布唱題会に当たり、皆様には多数の御参加、まことに御苦労さまでございます。
本年も既に八月に入り、各支部ともに本年度の折伏誓願を達成すべく、昼夜を分かたず、僧俗一致の戦いを懸命に進めているものと思います。
そもそも誓願とは、自らが仏に成るとともに、多くの人々を救済せずにはおかないという固い決意であり、一旦発起された誓願は必ず達成しなければならないのであります。
特に本年は、多大な被害を出した東日本大震災をはじめとして、この大震災によって起きた原子力発電所の事故による放射能汚染問題、その後も続く余震による様々な被害、また異常な大雨による被害、さらにこのような天変地夭に呼応するかのように、政治も経済も混迷を極めているのが現状であります。
しかし、こうした現状を見て多くの人々は心を痛めておりますが、さりとて、なぜこうした災難が起きるのか、また解決の方策はあるのかとなりますと、識者と言われる人達も懸命に模索している姿は伺えますが、根本からの解決の方途については、残念ながら全く不明であります。
大聖人は『神国王御書』に、
「我が面を見る事は明鏡によるべし。国土の盛衰を計ることは仏鏡にはすぐべからず。仁王経・金光明経・最勝王経・守護経・涅槃経・法華経等の諸大乗経を開き見奉り候に、仏法に付きて国も盛へ人の寿も長く、又仏法に付きて国もほろび、人の寿も短かかるべしとみへて候。譬へば水は能く舟をたすけ、水は能く舟をやぶる。五穀は人をやしない、人を損ず。小波小風は大船を損ずる事かたし。大波大風には小舟やぶれやすし。王法の曲がるは小波小風のごとし。大国と大人をば失ひがたし。仏法の失あるは大風大波の小舟をやぶるがごとし。国のやぶるゝ事疑ひなし」(御書1301)
と仰せであります。
すなわち、今の御文に「国土の盛衰を計ることは仏鏡にはすぐべからず」と仰せられ、また「仏法に付きて国も盛へ人の寿も長く、又仏法に付きて国もほろび、人の寿も短かかるべしとみへて候」と仰せの如く、仏教の明鏡に照らせば、その国の興亡盛衰は、ひとえにその国の仏法の善悪邪正の如何によるのであります。
このことは、既に『立正安国論』においても、
詳しく仰せられているところであります。『立正安国論』には、
世の中の不幸と混乱と苦悩の原因は、すべて邪義邪宗の謗法の害毒にあり、この謗法を退治して正善の妙法を立つる時、国中に並び起きるところの三災七難の災難は消え失せ、積み重なる国家の危機も消滅して、安寧にして盤石なる仏国土が出現すると仰せられています。
すなわち、仏国土実現の最善の方途とは、人々が一日も早く謗法の念慮を断ち、実乗の一善、すなわち三大秘法の随一、本門戒壇の大御本尊に帰依することであります。
されば、私どもは御本仏大聖人の御金言のままに、確信を持って、世のため人のため、真の仏国土実現へ向かって謗法を破折し、折伏を実践していくことが今、謗法の害毒によって迷走し続ける日本を、また世界を救うためにも最も必要とするところであり、かつまた我ら本宗僧俗に課せられた最も大事な使命であり責任であることを、一人ひとりがしっかりと銘記していただきたいのであります。
本年は「実践行動の年」であります。座して広布を語るのではなく、立ち上がり、実践行動をもって広布に挺身していくことが最も大事なのであります。
どうぞ各講中は、僧俗一致・異体同心の団結と果敢なる実践行動をもって、平成二十七年・三十三年の目標達成へ向けて、そしてそのためにも本年度の誓願を必ず達成されますよう心からお祈り申し上げ、本日の挨拶といたします。
日蓮正宗公式HP