とぎれとぎれの物語

瀬本あきらのHP「風の言葉」をここで復活させました。小説・エッセイをとぎれとぎれに連載します。

とっておきの時間

2012-03-20 15:12:45 | 日記
とっておきの時間





ベルト・モリゾ (1841-1895) 「寓話 又は 乳母と赤ちゃん・ "La Fable"・個人蔵」



ベルト・モリゾ (1841-1895) 「ゆり籠」


 モリゾのこういう絵を見ていると、もし・・・、もし・・・、という問いかけをします、自分に。もし、幼いころ母がずっと私の傍にいたら・・・。こういうかけがえのない時間を・・・。
 この絵は、母と子の、とっておきの時間を少しの作為もなく描いた名作だと思います。上は乳母では・・・。いや、そうです。でも、私は母と思って見ています。
 この絵は神話とか伝説とかの背景はなく、解説をしなくてもすっと心に飛び込んできて、癒してくれます。癒しの絵。そうですね。私はこういう絵に憧れます。じっと見つめていると自然に涙が滲んできます。画家も肩の力を抜いて、じっとこの母子を見つめ続けたと思います。
 モリゾは師マネの絵画のモデルとしても知られている19世紀印象派の女性画家です。マネと恋仲ではなったかとも言われています。事実は分かりませんが、マネと結婚はしていません。


 古賀画伯から連絡があり、佐山さんの第3作目は母子像だということを知りました。


 またびっくりしましたよ。

 
 何をですか。


 いえね、すっかり肩の力が抜けてる・・・。


 ということは・・・。


 そうですね。どう言ったらいいでしょうか。もう、自由に生活を見つめて描いています。西洋画の古典に影響されていません。


 すごい変わりようですね。


 ええ、びっくりしました。佐山さん、これからは自然にのびのびと描いていけると思います。


 で、モデルは?


 もちろん京子さんと子どもさんです。


 その話を聞いていて、私も肩の力が抜けてくるような感じがしました。


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