医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

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新型コロナウイルスワクチンの有効性を証明するにはどのような研究が必要か(帯状疱疹ワクチンを例に)

2020年07月09日 | 感染症
前回、「子宮頚癌ワクチンも接種しないで、新型コロナワクチンに期待しているバカな国」ということについてお伝えしました。


それでは、新型コロナウイルスワクチンの有効性を証明するにはどのような臨床研究が必要か、ということを帯状疱疹ワクチンの有効性を示した論文を紹介しながら解説したいと思います。

帯状疱疹は発症したらできるだけ早く薬物治療を開始しないと、その後チクチクとした神経の痛みがいつまでも続きます。

Efficacy of an Adjuvanted Herpes Zoster Subunit Vaccine in Older Adults
N Engl J Med 2015;372:2087-96
(インパクトファクター★★★★★、研究対象人数★★★★★)


この研究は時間的に「前向きの研究」で、ランダム化二重盲検研究です。

過去に帯状疱疹を発症したことのない50歳以上の参加者を、帯状疱疹ワクチンを接種する群7,361人と、プラセボすなわちワクチンの入っていない生理食塩水を注射する群7,436人にランダムに2群に分け(本人はどちらの群になったか知らないし、医者もその人がどちらの群か知りません)、その後1年間の帯状疱疹の発症率が「年齢別」に調べられました。
(正確にはワクチン群7,698人とプラセボ群7,713人ですが、途中で脱落者がいたのでこの数字になりました)

結果は上の図のごとくです。
プラセボ群はどの年齢層(50-59歳、60-69歳、70歳以上)も発症率は1,000人あたり約9人ですが、ワクチン接種群は1,000人あたり約0.3人と、劇的な効果がありました。

帯状疱疹の発症率は50歳を超えてくると、毎年1%もあるのですね。単純計算だと10年で10%です。

発症率1%/年の帯状疱疹でさえワクチンの有用性を証明しようとするとこういう研究が必要になるのに、罹患率0.1%~1%の新型コロナウイルスワクチンの有用性を証明するには、前回お伝えしたように様々な困難が立ち塞がります。

というか、新型コロナウイルスワクチンの有用性を「厳密」に証明することなどほとんど不可能で、「姑息的」な「ごまかし」を使わないと、新型コロナウイルスワクチンの有用性を証明するのは難しいでしょう。


作家、百田尚樹先生の「バカの国」、興味深いです。私もパクらせていただいております。
バカの国(新潮新書)

「帯状疱疹ワクチンも接種しないで、新型コロナワクチンに期待しているバカな国」



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