医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

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日本はコロナ死亡1人を予防するのに20億円かける

2021年12月23日 | 感染症
             仲田泰祐先生

前回、東京オリンピックに必死に反対したアホな人たちのアホなコメントをご紹介しました。
本当にアホな人ばかりでしたね

今回、その反面、東京オリンピックを冷静かつ客観的に分析・賛成し、「東京オリンピックを開催しても東京都の感染者増加は限定的」とする推計を発表した東京大学の仲田泰祐准教授の別の論文を、私なりにまとめてご紹介します。

『ここから論文の要旨』
緊急事態宣言期間が短いと、経済にとって短期的には都合がよい。だが解除後のリバウンドが起きやすくなれば再度宣言を発令せねばならず、中長期的には必ずしも経済にとってよくない。逆に宣言を長く続けて感染をある程度抑えると、短期的には経済に損失を受けるが、ワクチン接種までの時間を稼げる。すると、累計死者数を減少させられるだけでなく、再度の宣言発令リスクを減らせるため、中長期的には必ずしも経済にとってマイナスではない。
(私の注釈:これは三浦瑠麗のいつものコメントが間違いであることを示す根拠です)

三浦瑠麗が緊急事態宣言に反対する理由

感染と経済の関係の複雑さは、様々な国・地域の新型コロナウイルス禍でどの程度の経済損失とコロナ死者数が生じたかを分析することからも確認できる。経済損失とコロナ死者数は国によって様々だ(上の図参照)

感染・経済のビッグデータを利用すると、各地域が直面している制約がある程度わかる。それにより、コロナ死者数をもう1人減らすには経済をどの程度抑制しなくてはならないかが計算できる。そして「顕示選好」という考え方を応用すると、その地域での感染抑制と経済のバランスに関する価値観が浮かび上がる。

この手法で「コロナ死者数を1人減少させるためにどの程度の経済的犠牲を払ってもよいか」という試算をすると、地域間で大きな違いがあることが見えてくる。

日本は約20億円、オーストラリアは約10億円で、米国の約1億円、英国の約0.5億円よりもはるかに高い。地域でも違いがあり、東京都・大阪府では約5億円だが、鳥取・島根両県では500億円以上だ。
仮に1世帯の年収が500万円とすると、死者数を1人減らすために東京・大阪では年収約100年分、鳥取・島根では1万年分以上の犠牲を払いたいという価値観といえる。


冷酷非情な試算にも見えるが、似たような考え方に基づき計算される「統計的生命価値」は昔から政策に活用されている。米環境保護局(EPA)による環境政策の費用便益分析には、環境災害リスクに基づく生命価値の試算が使われている。先進国のこうした分析で使われる数字は大抵2~3億円という規模感だが、日本は約20億円だ。

こうした試算は分析手法に大きく依存するため、数字自体に深い意味はないが、鳥取県では累計死者5人の中で域内総生産(GDP)は約7%(約1500億円)落ち込み、米国では累計死者70万人以上(鳥取県の約14万倍であるにもかかわらず)の中でGDPが約4%(約90兆円、同約600倍)にとどまっている。どんな手法を用いても「制約」の違いだけでなく「価値観」の違いも地域間の違いを説明するのに重要だという結果が得られると推測する。

毎年130万人が様々な理由で亡くなる。日本の新型コロナ感染について計算した1人20億円のような多大な経済損失を、他の原因(例えば交通事故死)による死者数を減らすためにも受け入れるなら、社会経済活動は大きく抑制されるだろう。

例えば交通事故の死者数を減らすために運転を禁止することをイメージしてほしい。日本の一部地域では、「死亡1人の予防に20億円費やすとは、いかにコロナ死者数の減少が最重要視されているか」がわかる。


(私の注釈) 私は2020年4月の時点で以下の記事を公表しています。

新型コロナ対策は「交通事故で死ぬ人がいるから全国で車が禁止される」フェーズになってきた

こうした価値観を所与のものとして、今後の日本の社会経済を予測すると、他国と比べて相対的に、コロナによる死者数の抑制を最重要視する日本は、コロナ前の生活に戻るには時間がかかるといえる。
『ここまで論文の要旨』

どうでしょうか。仲田先生の分析は、東京オリンピックに必死に反対したアホな人たちと雲泥の差があります。

東京オリンピックを中止していたら、死亡1人の予防のために日本の経済的損失は20億円どころか30億円だったかもしれませんね。
埼玉県坂戸市の石川清アホ市長が言っていた「もしやったら、日本は滅亡するのでは」の真逆の結果となりましたね。

仲田泰祐先生、客観的でとても素晴らしいです。

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