医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

コロナ禍の一斉休校は学童の学力を低下させていなかった

2022年01月31日 | 雑感
コロナ禍が始まって約2年経過し、いろいろなデータが集まり始めました。

最近、文部科学省は、「一斉休校の長さ」と「学力」を単純に比較し、「一斉休校」が長くても学童の「学力」は低下していなかったと発表しました。

しかし、この結論付けは誤りです。「一斉休校が長い」小学校では教員が「一斉休校が長い」ことを認識して、「一斉休校が短い」小学校よりも努力・奮発したのかもしれません。そうすると結論は「教員が努力・奮発すると、学力は低下しない」ということになってしまいます。

私がこのブログで以前から何度もお伝えしているように、このような単解析では未知の「交絡因子」が原因で結論が出せないのです。文部科学省の職員はやはり文科系出身者が多く、多変量解析的発想ができる割合が理科系出身者よりも少ないのだと推測できます。

ところで、コロナ禍が始まった頃、例のごとく政府批判ばかりしている悪名高いニュース23の星浩や小川彩佳の一派たちは、学校の一斉休校を行った政府を、「学力低下が心配だ。現場は大混乱する」と猛烈に批判していました。実はそんなことはなかったという論文がこのほど大阪大学大学院 経済学研究科 浅川慎介先生のグループより発表されました。

奈良市では「学びなら」という取り組みで、学期ごとに難易度が一定の全校共通の算数テストを行っていて、異なる年度・学期で比較が可能となっています。その結果を分析したのが上の図です。

その結果、休校によって短期間の点数低下が認められたが、半年後にその低下は回復し、その後点数は5点上昇しました。休校を経験した学年はその後学習意欲がさらに高まりました。成績の上昇がさらに学習意欲を高めたのか、学習意欲の高まりが成績を向上させたかはこの分析からは明らかになりませんでした。


結論として、「コロナ禍による一斉休校は学童の学力を低下させていなかった」のです。コロナ禍が始まった頃、例のごとく政府批判ばかりしている悪名高いニュース23の星浩や小川彩佳の一派たちは、学校の一斉休校を行った政府を、「学力低下が心配だ。現場は大混乱する」と猛烈に批判していた(これは真実です)のは、結果として間違ったメッセージを公共の電波を使用して流していたことになり、公共の利益を損なうことになってしまったのです。

小川彩佳は、かなり前の新聞のインタビューに答えて、「6~8歳時に親の留学に連れられてアメリカに滞在していた頃、もっと世界全体を眺めなければいけないと思った」と答えていました。私の娘も全く同じ歳で(時期は違いますが)私のアメリカ留学に付いていったので、その記事はとても印象深く覚えています。私はその時、「小学生低学年でそんなこと思うかなぁ?NHK「ファミリーヒストリー」で時々見受けられる、経歴を後から美化しているだけではないかなぁ」と思ったものでした。

小川さん、あなたは星浩みたいな奴に騙されていないで、日本がうまくいくことを妨害する世界から抜け出した方がいいですよ。小川さんなら、まだ再生するチャンスはあると思います。

大阪大学大学院 経済学研究科 浅川慎介先生、有用なデータをありがとうございました。

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