草稿11/06

御嶽の噴煙しるく逝く秋ぞ

太陽の塔のうそぶく秋の風

太陽の塔の双手に秋の雲

万博公園欅もみぢを敷きつむる

篁に秋逝く風の俄なり

標本の団栗くぬぎ隊を組み

水澄むやメタセコイアの影並び

ふうもみぢ散りては水に乗りゆけり

秋の園アンネの薔薇の小さかり

康成のへの字の口やそぞろ寒

生ひたちや釣瓶落しの影残り

亜紀子