入りてすぐ杜の楠の香梅雨晴間
神木の蛇に鶏卵供へあり
神木の蛇とて卵奉る
祀られて蛇大楠に籠りをり
空色の祢宜の袴も梅雨晴間
神鶏のひたすら返す楠落葉
捨てられて神鶏となる梅雨の杜
ぎしぎしや宮の渡しの波七里
蜻蛉のゆくてに滝の音近し
壁を這ふ蝿虎も蚤の夫婦なる
亜紀子
入りてすぐ杜の楠の香梅雨晴間
神木の蛇に鶏卵供へあり
神木の蛇とて卵奉る
祀られて蛇大楠に籠りをり
空色の祢宜の袴も梅雨晴間
神鶏のひたすら返す楠落葉
捨てられて神鶏となる梅雨の杜
ぎしぎしや宮の渡しの波七里
蜻蛉のゆくてに滝の音近し
壁を這ふ蝿虎も蚤の夫婦なる
亜紀子