雨後の田の水満ちてただ静かなり
磨かれし廊に影さす若楓
薫風や襖絵の虎小躍りし
森青蛙あれよ高きに泡育つ
鳴き交すかはづにそよぐ若楓
仙人の間とや黴濃くにほひけり
巡礼のごと回廊めぐる青葉影
菩提樹の咲いて見返り弥陀の前
百千の楓にこもる雨安居
夏安居の経に蜻蛉つどひくる
山帰来磴のなかばに汗拭いて
亜紀子
雨後の田の水満ちてただ静かなり
磨かれし廊に影さす若楓
薫風や襖絵の虎小躍りし
森青蛙あれよ高きに泡育つ
鳴き交すかはづにそよぐ若楓
仙人の間とや黴濃くにほひけり
巡礼のごと回廊めぐる青葉影
菩提樹の咲いて見返り弥陀の前
百千の楓にこもる雨安居
夏安居の経に蜻蛉つどひくる
山帰来磴のなかばに汗拭いて
亜紀子