橡の木の下で

俳句と共に

第30回「橡の芽投句欄」選後鑑賞

2023-03-28 10:34:03 | 小・中学生の俳句募集
橡の芽投句欄  第三十回

        選  亜紀子

一席    
     岐阜 中三 後藤結衣

雨音が春の足音立てている

 芽吹き前の木々を濡らす雨、屋根を打つ雨、土を濡らして行く雨、春の雨音は確かに冬と違っています。共感します。

二席    
     岐阜 中三 西村光博

足下に見上げているよふきのとう

 地上に顔を出したばかりの小さなふきのとう。ふきのとうの気持ちになりました。

三席
     岐阜 中二 井戸悠陽

北風と僕らが競う帰り道 

 下校が遅くなったのかもしれません。向かい風の道を「寒いね」と皆でわいわい帰って行く光景が浮かびました。

秀逸

     吉岡 中二 佐藤花音
牛匂う春一番の記憶かな 

     吉岡 中二 佐々木梨李
懸命に花めく花よ冬桜 

     吉岡 中二 福島由梨
寒い日は湯たんぽ囲む僕と猫

     吉岡 中一 高𣘺朋花
灰色の空は悲しげ冬桜

     四日市 小六 榊史帆
きれいだなもみじすけてる陽の光

     東京 小六 梅沢愛
友達と落葉かけあい笑い合う
     

佳作   
     東京 小四 吉藤蒼一郎
元旦の赤城を見れば昼の月

     東京 小一 吉藤菫
ゆきだるまひんやりつめたいおともだち

     横浜 小一 吉藤康太郎
おとうととしまうまをみたお正月

     東京 小一 吉藤涼真
てつぺんに雪がつもつた赤ぎ山

     岐阜 中三 神田琉斗
カレンダー受験に近づくばつ印

     岐阜 中二 藤井結乃
霜柱リズムよく踏む通学路

     岐阜 中三 伊藤阿伽
バス停にだれかがつくった雪だるま

     岐阜 中二 田原寛太
氷柱から落ちるしずくをながめてる

     岐阜 中二 福井心満
手袋を忘れて凍る僕の指

      岐阜 中三 脇本優羽
手をさする祖母にカイロを渡す祖父

      岐阜 中二 丹羽涼香
ふきのとう雪の山から顔を出す

      岐阜 中二 田口憲之介
庭の木々新芽をつけて春をまつ

      岐阜 中二 加藤颯真 
タンポポのわたげとびかう風まかせ

      久留米 小三 大野みずき
手づくりのクリスマスケーキ失っぱいも