路地若葉 亜紀子
黄金週間庭に生ふ蕗煮て過ぐる
黄金週間花苗分つ両隣り
ひはの声語尾引き絞る薄暑かな
早口の血筋脈々路地若葉
山あぢさゐ雨に洗ひし顔上ぐる
薔薇のごと芍薬香る夜べの卓
子かまきり何を狩るやら見てみたき
衛士ひとり緑陰深く身じろがず
まだきより巣外保育四十雀
黙し来て黄鶲旅を続けゆく
薔薇夫人作業衣に身をかためをり
微に入りしレースの意匠風かよふ
なぐさみに撒きし西瓜のこぞり出る
巣立ちしか朝の小窓に声のして
洗濯を蝶とたのしむ梅雨干ぬ間
路地若葉 亜紀子
黄金週間庭に生ふ蕗煮て過ぐる
黄金週間花苗分つ両隣り
ひはの声語尾引き絞る薄暑かな
早口の血筋脈々路地若葉
山あぢさゐ雨に洗ひし顔上ぐる
薔薇のごと芍薬香る夜べの卓
子かまきり何を狩るやら見てみたき
衛士ひとり緑陰深く身じろがず
まだきより巣外保育四十雀
黙し来て黄鶲旅を続けゆく
薔薇夫人作業衣に身をかためをり
微に入りしレースの意匠風かよふ
なぐさみに撒きし西瓜のこぞり出る
巣立ちしか朝の小窓に声のして
洗濯を蝶とたのしむ梅雨干ぬ間