橡の木の下で

俳句と共に

平成24年「橡」8月号より

2012-07-27 10:00:06 | 俳句とエッセイ

  梅雨の街    亜紀子

 

佳境かな無頼鴉の子育ても

夕うぐひす山の端に日のすべり入る

子と二人茅花流しの旅ひと日

百畳の厨に梅雨の煙出し

梅雨の街誰も一人の櫂を持ち

黒鳥は国なき王子さみだるる

青梅雨や獣舎いく百しづもれる

梅雨暗き馬屋に縞馬尻並べ

フラミンゴ泥壺の巣に卵抱く

煙りの木梅雨の最中を花盛り

荒梅雨や青鷺の眉一文字

合歓の花をりをり鳰の水走り

家庭訪問吾が早口のやや暑き

 

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