橡の木の下で

俳句と共に

「薔薇芽吹く」令和4年「橡」4月号より

2022-03-28 11:47:49 | 俳句とエッセイ
 薔薇芽吹く    亜紀子

生き物の不思議の時計日脚伸ぶ
なやらひや伊吹颪もひと暴れ
殉職の碑は戦没碑冴返る
雪壁にトリプルコーク1440
草の芽やわづかな土も笑むやうな
ものの芽や堤一里を小半日
呵呵と鳴く万歳寺の春鴉
来週も来るわと梅のまだ固き
梅ふふむあれこれ護符のきらびやか
面白や霰小紋のアスファルト
蠟梅や夜々の散歩のまがり角
千百本棘より小さく薔薇芽吹く
啓蟄や築地の破れを子らも出て
点を打つ園の日永の鹿威し
あれやこれ夢に遊んで冬籠

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「生物時計」令和4年『橡』... | トップ | 草稿03/29 »

俳句とエッセイ」カテゴリの最新記事