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橡の木の下で

俳句と共に

「秋の風」平成28年『橡』12月号より

2016-11-27 07:15:34 | 俳句とエッセイ

  秋の風     亜紀子

 

東京の万の明りの秋の声

閑散と流山線秋ついり

長雨に塞ぎの虫の葉巻虫

しじみ蝶たちて千草に風生る

女郎蜘蛛のてぎはよろしく餌を括る

女郎蜘蛛の糸の強きに怯みたる

お祭も運動会も順延に

詩の種を呟き捨つる秋の風

ピラカンサ満載鵯にすぐたわみ

老いぬれば塵も小さき暮の秋

無理はせぬ腰の体操鵙日和

蠅虎もとんと出不精顔を見ず

地下鉄路抜け秋色の地上線

堰ひとつ秋雲疾き渡し跡

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