橡の木の下で

俳句と共に

草稿06/03

2015-06-03 13:29:55 | 一日一句

湖上天国うたびとそろふ船遊

みなづきや蜑は小舟に二人づつ

富士のごと藻を積みゆける近江かな

黒づくめえりの中より鵜が一羽

浮御堂ひとり古りゆく夏霞

白服の一人悠悠遅れ来る

一斉に白波たてて鵜の翔る

湖をたつ鵜の一列の棹となる

梅は実に鳶の糞被て蓮如像

沖島緑かむさる軒寄する

幽霊をしづめし筆の南無阿弥陀

鵜の棹や水も霞もひと色に

亜紀子