湖上天国うたびとそろふ船遊
みなづきや蜑は小舟に二人づつ
富士のごと藻を積みゆける近江かな
黒づくめえりの中より鵜が一羽
浮御堂ひとり古りゆく夏霞
白服の一人悠悠遅れ来る
一斉に白波たてて鵜の翔る
湖をたつ鵜の一列の棹となる
梅は実に鳶の糞被て蓮如像
沖島緑かむさる軒寄する
幽霊をしづめし筆の南無阿弥陀
鵜の棹や水も霞もひと色に
亜紀子
湖上天国うたびとそろふ船遊
みなづきや蜑は小舟に二人づつ
富士のごと藻を積みゆける近江かな
黒づくめえりの中より鵜が一羽
浮御堂ひとり古りゆく夏霞
白服の一人悠悠遅れ来る
一斉に白波たてて鵜の翔る
湖をたつ鵜の一列の棹となる
梅は実に鳶の糞被て蓮如像
沖島緑かむさる軒寄する
幽霊をしづめし筆の南無阿弥陀
鵜の棹や水も霞もひと色に
亜紀子