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山登りと旅行の雑記帳です。

みちのく潮風トレイルラン(大船渡市南部~陸前高田市区間)

2016年03月20日 | みちのく潮風トレイルラン
長かったみちのく潮風トレイルの旅もいよいよ最終区間を迎えました。

残されていた最後の区間、大船渡市の細浦駅から岩手県沿岸部最南の駅、長部駅を過ぎて宮城県気仙沼市との県境まで走ります。

県境は長部駅から2kmほど先にあるため、県境の手前の駐車スペースに車を置いて長部駅まで歩くことにした。

長部駅到着。


長部駅からBRTに乗って細浦駅へ。
BRTは陸前高田市の旧中心市街地を抜けていく。






現在高台造成作業が進む光景を見ていると、とてもここに街ができるとは想像することができない。

長部駅から40分ほどで細浦駅に到着。


今日はここから県境を目指して走ります。
まずは碁石海岸を目指してスタート。

熊野神社脇にある市の天然記念物に指定されているかやの大木を過ぎ、


巨大な防潮堤を脇に見て、


5kmほどロードを走ると陸中海岸自然歩道の入り口、穴通磯に到着。




遊歩道を歩いて行くと穴通磯。


よくパンフレットで見かける景色。

なんとあの穴の中を遊覧船に乗って抜けることができるらしい。
乗ってみたかったなぁ。

穴通磯からは碁石海岸に向けてトレイルに入る。


松林の中の快適なふかふかトレイルを走っていく。


垂水浜


赤土倉の漁港


貝島




ここはウミネコの繁殖地になっていてたくさん集まっていた。
でも蕪島の方がすごかったかな。

大浜の海岸


を通過して、碁石海岸インフォメーションセンターに到着。


ここも新設されたのか、種差海岸インフォメーションセンターに劣らず立派な施設。
中で休憩しつつレーションを食べていると、おしゃれな巾着を被った掃除のおばちゃんに声をかけられた。
「碁石海岸は見どころいっぱいだからゆっくりしでってけれ」、と温かい声をいただいた。
ズーズー弁で話しかけられると思わず表情が和んでしまうわ~。
この言葉好きだなぁ。

ちなみに、大船渡は椿の産地でもあり、インフォメーションセンター前には世界の椿館がある。


今回は余裕がなかったので見物できなかったけど、いつか機会があれば訪れてみたい。

インフォメーションセンターを後にしてまずは展望台へと向かう。


展望台からの乱暴谷。


ここは狭い回廊のようになっていて、波が雷岩に打ちつける音が雷のような重低音でどぉーん、と響く。
言葉ではうまく伝えられないけど、衝撃がけっこう体に感じて不思議な気分。

展望台の向かい側から見た乱暴谷。


こちらの方がより体に響いた。
自然の不思議な光景。

展望台から先日走った綾里半島。


いい景色だ。

最後は碁石岬へ。




ここからこれから向かう広田半島とさらにその先の気仙沼の方まで見渡せる。


まだまだ先は長いぞ。

碁石岬を過ぎ再びロードへ。
すぐ近くには碁石のような石がたくさんあることからその名が付けられた碁石浜。


残念ながら護岸工事中で、その姿を間近に見ることはできなかった。
護岸工事、本当に必要なのかな…。

そしてようやく最後の陸前高田市に入る。


この付近にはいたるところにふきのとうが自生していて春を感じさせる。


坂を下っていくと開けてきて、広い田んぼが広がる。


この辺りは小友地区といって、震災時はかなり被害のあった地区。

以前、地元の方から聞いた話によると、この付近は広田半島の鞍部になっているところで、周囲に海が見えない地域。

そのため、震災時は津波が来ることに気付くのが遅くなり、逃げ遅れた方がかなりいたということである。

実際、その時の浸水地点を表す表示が建物に記されていた。


少し高台でもあるこの地域にも津波が来るとは恐ろしい。。
この先は黒崎仙峡を目指す。


広田半島の標高が低かった地域はほとんどが津波で流され現在も更地の状況。


六ヶ浦漁港まで走ると自然歩道が始まる。


集落の中にも標識があって入口もわかりやすい。


ちなみにこの自然歩道が北から続く陸中海岸自然歩道の最後の区間でもある。
ここのトレイルは最近刈り払われたのか、きれいに整備されていてとっても走りやすい。


そういえば先日みちのく潮風トレイルのワークショップが陸前高田市で開かれていたから、それに合せて整備したのかな。

左手に海を見ながら快適なトレイルを走っていく。
対岸には先ほど通過した碁石海岸も見渡せる。


小祝浜


大祝浜


そして展望所へ


展望所から望む黒崎仙峡方面


陸前高田というと、津波で壊滅的な被害を受けた街、というイメージが強いけど、こんなステキな自然や景色もあるのだ。

黒崎神社本宮に到着。


これまでのトレイルに感謝。

このすぐ先が黒崎仙峡。


うむ、素晴らしい景色。


雲が多いのが残念だったけど、ここから見る太平洋も最高の景色だった。

そして黒崎仙峡先の駐車場がトレイルの起点。


すぐ近くには黒崎仙峡温泉と黒崎神社がある。




ここにはあとで入浴しにきます。
黒崎神社を過ぎると、あとは最後までロードを残すのみ。
広田半島の長いロードをひたすら走る。


広田漁港を過ぎ


広田漁協広田支所


ここではあの高さまで津波が来たらしい。
完全に水没している。。

広田漁港を過ぎて、県道38号線を進む。
広田湾は牡蠣の養殖が盛んで牡蠣の養殖筏が並ぶ。


最近復活したという広田湾の牡蠣が食べられるかき小屋。


三連休と言うこともあって大盛況だった。

この先堤防工事の為迂回することとなり、通称アップルロードまで登り返す。

なんてこった…
と思ったけど振り返ったらきれいに広がる広田湾が望めて結果的に迂回できてよかった。


ようやく国道45号線に合流。


ここから陸前高田市の中心街へと移っていく。
景色は一変し、更地となった街の中を国道45号線が突きぬけていく。




まだ解体が終わっていない団地の一つ。


4階まで浸水している。

これはガソリンスタンドの看板。


津波到達地点が高すぎて想像できない。

こちらは旧道の駅。


震災の語り部ツアーが行われているようで、ガイドの説明に聞き入る人たちがたくさんいた。

追悼施設にて。


震災の犠牲者の方々に対して、御冥福をお祈りいたします。
合掌。

奇跡の一本松手前の八木澤商店の仮設店舗。


こちらのしょうゆソフトは絶品なので、訪れた際にはぜひご賞味ください。

ここからすぐ先が奇跡の一本松。


この付近一帯は高田松原という日本渚百選にも選定されていた景勝地。
東日本大震災津波によってこの奇跡の一本松を残して全て流出してしまった。

これが奇跡の一本松。


下に立つとその大きさがわかる。

この一本だけ残るとはまさに奇跡としか言いようがない。
現在は復興のシンボルとして防腐加工処理を施して保存されている。

奇跡の一本松を過ぎるとあとは県境に向かって走るのみ。


津波で全壊した気仙中学校、


ものすごい破壊力だ。
もうほとんどの建物が解体されてしまい残された建物は少ないのだが、それでもこういった建物を見ると人間の力は自然の前では無力だな、と感じてしまう。

国道45号から外れて、長部漁港を通過。


最後の海を見ながら走っていくと、


再度国道45号線に合流し、宮城県との県境に到着した。


約53kmの道のりでした。

これにて長かったみちのく潮風トレイルの旅も終了。

最初は正式に開通しているルートだけでも走ってみようという軽い気持ちで始めたこのトレイル。
走ってみると、三陸の海の美しさやそこにある集落、人々の生活の営みなどを感じながら走れるこのトレイルにすっかり魅せられてしまった。

青森県八戸市から陸前高田市まで全行程15日間、約580km。
本当にすばらしいトレイルなので、ぜひ多くの人に訪れてほしい。

数年後には復興も進んで景色も変わっていると思うので、いつの日かまたこのトレイルを訪れてみたい。

みちのく潮風トレイルありがとう!

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