ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




弓町本郷教会。文京区本郷2-35。1988(昭和63)年2月21日

春日通りの真砂坂上交差点から横丁を南へ入るとすぐ見えるのが日本基督教団に属する弓町本郷教会。『日本近代建築総覧』では「弓町本郷教会、本郷2-35-14、建築年=大正15年、構造=RC4階建、設計=中村鎮〈まもる〉、施工=不明、「中央美術」S2-10による」。
RC造とはいえ、正確には中村が考案した「中村式鉄筋コンクリートブロック」通称「鎮ブロック」による工法で、コンクリートブロック(塀などに使われる箱型ではなく平面がL型のものを組み合わせる)を積んで外壁を造り、ところどころに鉄筋を入れてコンクリートを流し込んで柱の代わりにするといった工法らしい。安上がりにでき工期も早かったと思われる。素人考えにも本格的な大きな建物はできそうもないが、119棟を函館や福岡に建てたようである(中村鎮による「中村式鉄筋コンクリート」の考案とその実際例[池辺絢子])。



弓町本郷教会。左:2007(平成19)2月16日、右:1988(昭和63)年2月21日

正面右に手前に出ている部分はタイルが新しそうで増築したものらしい。赤く塗られた屋根は葺きなおされているようにも見える。『本郷の回覧板『昔空間散歩の薦め』 ②楠木・弓町本郷教会・女子美弓町校舎コース』に「昭和43年頃の教会付近」を見下ろした写真が載っている。その写真では教会の屋根はフラットで屋上がある。赤い屋根は昭和43年以降に増築された3階部分だった。通りの方に出ている部分があるが、幅も高さも現在のものより短く、やはり改修されている。当サイトには弓町本郷教会の設立時からの歴史が述べられている。

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