ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




日本歯科大学。千代田区富士見1-9。1986(昭和61)年9月23日

写真のビルは日本歯科大学の校舎であるが、詳細はしれない。敷地の東北に建っていたもの。昭和22年の航空写真に写っているので戦前に建てられたもので4階建てらしい。現在の日本歯科大学生命歯学キャンパスには2棟のビル(本館と100周年記念館?)が建っていて、2004~6年の完成らしいが、1990年の航空写真では古い建物は取り壊されて工事が始まっているように見える。

日本歯科大といえば附属病院の建物が有名だ。『日本近代建築総覧』には「日本歯科大病院、建築年=昭和9年、構造=SRC5、設計=山口文象、施工=清水組」。
『帝都復興せり!』(松葉一清著、平凡社、1988年、2400円)では、竣工時の写真のキャプションに「日本歯科医学専門学校、現存、昭和9年/山口蚊象/富士見1-9-20 昭和戦前のインターナショナル・スタイルの代表的建築として喧伝された。…」とある。山口蚊象となっているが、1942年に文象と改名している。名称も建築時のもので、日本歯科大学になったのは1947年。著者は当書を執筆する際に現物を見て「…現況は、肌は黒ずみ、さまざまな改変の手を加えられ、今では見る影もない。…」と書いている。
下の写真左の工事用のボードで囲まれているのが附属病院だ。上の写真を撮ったときにはまだ外観が見えていたはずだ。ぼくは下の写真を撮ったときも、そんな歴史的建築物があるとはまったく気が付かなかった。


日本歯科大学。1988(昭和63)年1月15日

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