ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




蜂谷ビル。千代田区九段北1-2
1986(昭和61)年9月23日

靖国通りの九段坂の下にあったビル。現在は「九段中央ビル」という10階建てのビルに建て替わっている。両側のビルは、右が「豊平ビル(現・九段北一丁目ビル)」、左は「グランドメソン九段」で、今も変わらない。昭和30年頃の火保図では九段1丁目4-1の住所で「清和会」。実は「峰谷ビル」と「蜂屋ビル」とした地図もあるのだが、後の文章の都合で蜂谷ビルに決める。
期待はしなかったが「蜂谷ビル」をネット検索したら、関連のありそうなサイトが2件あった。まずは『TSUTAYA DISCAS>佐野史郎』。佐野史郎が映画デビュー作の『夢見るように眠りたい』(1986年公開)を語ったなかに、「…今では見られない風景とか、都市のドキュメンタリーとしても良いよね。公開中に取り壊された“仁丹塔”とか、九段にあった探偵事務所の外観の蜂谷ビルとか、…」とあるから、その映画では探偵事務所があるビルとして登場するのだろう。
もう1件は『ウィキペディア>石川光陽(1904-1989)』だが、関連性は不明。石川光陽は「警視庁に所属していた警察官・写真家」で、「警視総監直々の命令を受けて東京大空襲の惨状などを撮影したことで知られる」という人。今までそれとは知らずに彼の撮った写真を見ていたのかもしれない。1919(大正8)年から2年間、「東京九段下の蜂谷写真館」で修業したそうだ。その建物は関東大震災で焼失したと思われ、その後建て直したのだかそのまま閉店してしまったのかもわからない。つまりは峰谷写真館と峰谷ビルが同じという保証はなにもない。ビルの外観は写真館だったといってもまあうなずける、という程度なのだが、言っておけば知っている人がなにか知らせてくれるかもしれない。

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