イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

源氏名ジャパン

2007-10-21 21:54:35 | テレビ番組

ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』、何度も映像化されたファンの多い作品なので、うろ覚えで引用するのはためらわれますが、最後のチャーリイの手紙の結び近くに、

「ひとおわらわせておけばともだちおつくるのわかんたんです。」(=人を笑わせておけば、友達をつくるのは簡単です)

という一文があったと思います。

それに続いて

「ぼくわこれからいくところでともだちおたくさんつくりたいとおもいます。」ともあったような。

手術前以上に低下してしまった知能をもってもチャーリイ、周りが自分を笑っててくれるうちは善意に包まれ生きて行けると本能的に身体が覚え、察しているんだな…と、例の“世界一有名な追伸”の前に、読者全員「号泣する準備はできていた」となるべきところでしょうが、どんどん記憶があやふやになっていくので、そこらへんはもういいや。

『爆笑オンエアバトル』を見ていると、友達をつくるより、友達でも、友達になりたいでもない不特定多数を笑わせるほうがはるかに難しいと痛感する…ということを言いたかっただけなのでした。

1019日(242050)放送での1位はオジンオズボーン489kbJPOPネタは封印して、もうひとつの得意=変身ヒーローネタで来ましたが、ボケがあらかた客席じゃなく上手(かみて)かツッコミのほうを向いてて、漫才かコントかわけわからなくなってる。

2イワイガワは、“若者の場所に若作りのオジサン”というパターンが決まりきってきた。「相田!みつを!にんげんだもの!」「温ったかくなる?」以外、今回もツッコミが機能しなかった。

一番の問題は3ヴィンテージ437kb5回目の挑戦での初オンエアですが、なぜいままで4回オフエアだったんだろうと思うに、この人たち、笑いが快適であるために必須な“軽み”がないんだ。

星条旗衣装のボケの“濃さ”が致命傷なのではない。ボケだけ異様ド派手衣装という共通点なら東京ダイナマイトも、ブロードキャストもいるのですが、彼らに比べてもこの人たちはどうにも“重い”。

「そういうミニコントに入る漫才うまくて面白い人いっぱいいるー」「キャン&キャンハマカーン三拍子、そういうネタガンうまー」「勝てる気がしねえー」「俺ぜってーやんねぇー」「掃除は掃除するオッサンに任せればいいの?だったらお笑いもダウンタウンに任せとけば良くね?」「やめちゃえよオマエ、やめてしまえば?」など、“軽み”“諧謔”に直結しそうなフレーズはふんだんに盛り込まれているのにそういう空気に弾まないのは、もうキャラと演じ方の問題としか言いようがない。

“軽み”と“濃さ”の関係で言えば、たとえばルー大柴さんなんかは濃いけど、軽いでしょう。ナインティナイン矢部は薄くて軽いけど、岡村は軽くて同時に結構濃い。

“重さ”が露出を続けて行って初めて得られる洗練によって解消できる問題かどうかは、この先オンエアを維持することでしか答えが出ないでしょう。その意味でこの人たちには連勝して次々にネタを見せてほしい。

いつもの紙コント・ウメ397kbは妥当か。400にいま一歩。この辺が似合いの芸風です。笑えるのは行って“帰って”のフル復路「往路のアレがこうなるか~」だけで、23枚返しての途中はあまり意味がわからない。

この人、むしろ友近あたりが髪型、黒のツナギ、声色などモノマネしてくれたほうが素直に爆笑できるんじゃないかな。

6333kbのオードリーと4kb差の5位337kbでからくもオンエアのパップコーンは、アフロの人のヴィジュアルにネタが頼り過ぎだし、その場その場、ひと言ひと言で単発の笑いを取ってるだけで、せっかく5人の芝居コントなのに、ストーリー的な上昇曲線やピークがない。

今回はオンエア全組、オチ、下げがまったく弱かった。最近『オンバト』以外でプチブレイクした、特にピンの一発屋くんたちの影響か、ピンポイントのギャグや顔芸では笑い取れるんだけど、つかみ・盛り上がり・節目・ピーク→オチ、という流れのあるネタがみんな作れなくなっている。

なんとなく、いまの連続ドラマ界に似ていますね。刹那主義なんですよ。

こんなことを考えているうちに、菊花賞が終わってしまいました。東京優駿日本ダービーのあと“同世代牡馬最強”なんて揶揄気味に言われていたアサクサキングスあっぱれ。やはり宝塚記念(15着)は出走自体が余分だったね。ウオッカの四位洋文騎手が乗ってくれて、彼も溜飲が下がるところがあったんでしょう。

父ホワイトマズル。まだまだ奥があります。特に選手権距離は強いはず。今年は出否がまだわかりませんが、いずれジャパンカップでも狙いましょう。

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若さで若さで若さで泳ぐ

2007-10-20 16:54:12 | スポーツ

あ…と思う訃報が2件続きました。

ひとつはハリウッド女優デボラ・カーさん(“カーさん”っつうと『肝っ玉母さん』みたいだが)。86歳。

“浮名を流した果てに薄命”が多いイメージのハリウッド名花の中では、目立った醜聞もなく天寿を全うされたほうではないでしょうか。

回数多く観ているのはもちろんユル・ブリナーとの『王様と私』(57年)ですが、平日午後のTV名画劇場で一度だけ観たジャック・クレイトン監督『回転』(61年)がなぜかいちばん記憶に残っています。

“女教師”、それも良家の坊ちゃん嬢ちゃん御用達家庭教師役がこれほど似合った人もいないでしょう。

『回転』の原作はもちろんヘンリー・ジェイムズの『ねじの回転』。

映画のほうは原作の、脳髄が末梢神経からじわじわ凍って行くような恐怖感は薄く、その意味では期待外れだったものの、カーさん扮する家庭教師のみずみずしく健気な母性的魅力が、壁や床を這って迫るがごとき影の白黒画面で強調されて“コワ悲しい”別の魅力がありました。

月河の中では彼女と、ジュリー・アンドリュース、ドリス・デイが3大女教師女優”です。

ほかに、ちゃんとフル観てる作品と言うと、フランソワーズ・サガン原作の『悲しみよこんにちは』(58年)ぐらいかな。こちらは若く奔放な元祖セシルカット娘ジーン・セバーグと、ちょい悪パパのデヴィッド・ニーブンを争うちょっと損な“大人の色気と分別担当”。

以上の3作品のイメージのおかげで、カーさん、文句なしの美人で他に結構ロマンティックな作品の情熱的な役も演じておられるらしいにもかかわらず、なぜか“オンナのフェロモン”はあまり感じられない女優さんでした。

94年にアカデミー名誉賞を受賞されたときは、NHKBSで拝見しましたが、219月生まれですからあの時点で72歳、それにしてはお足元がいっぱいいっぱいだった感じで、訃報記事を見て納得が行きました。長年パーキンソン病を患っておられたそうです。

アカデミー賞ノミネート実に6回も、受賞には一度も至らず。これは意外でした。アカデミーも、映画史に残る良作の数々で好演を続けた人を無冠のままにしては申し訳ないと思っての名誉賞授与だったのかもしれません。

芥川賞候補8回、ぜんぶ落選のまま選考委員になっちゃった島田雅彦さんに似てますね(似てない)。

訃報のもう1件は元・水泳五輪選手、インストラクターでタレントの木原光知子さん。59歳、なんとお若い。TVコメンテーターやCMでのご活躍が長いせいで、外見の引き締まった若々しさとは別に、「まだそんな年齢だったの?」と思ってしまいました。

調べると、48年生まれで、64年の東京オリンピックで日本代表選手だったときは16歳の高校生だったんですね。バルセロナの岩崎恭子さんの例もあるように、水泳って、選手としてのピークがものすごく早く来ることのあるスポーツらしい。

月河が「木原さんってすごい選手だったんだ」と認識したのはむしろ『金メダルへのターン!』に“元オリンピック選手・木原美知子(←当時)”本人としてご出演されたときのほうです。

7071年に放送されたドラマですから、木原さん、当時22歳。スポ根少女漫画原作で、ヒロイン・鮎子(梅田智子さん)を中心に高校生メインのお話だったとは言え、画面において非常にオトナ感、ベテラン感、もっと言えば“大御所感”があったのを覚えています。

大学在学中に、早めに現役競技生活を引退されたのは、自分でピーク通過を意識されたからかもしれませんが、早熟のアスリートによくあるようにそこでボトッと燃え尽きずに、マスターズなどにも出場され、言わば“両用”で活躍されたのが偉いと思います

クモ膜下出血。まだ若く、体力自慢で働き盛りの人が突然倒れるケースの多い病気と聞きます。人生楽ありゃクモ膜下。世界に伍する運動能力・身体能力と言えども、“病気にならない”という意味の健康には直結しない。

往年のプロスポーツ、オリンピックのスター選手なども、4060代前半で、「つい先日あんなに元気だったのに」って感じで亡くなられるかたは少なくありません。

そう言えば『金メダルへのターン!』には当時、フジテレビ新人男子アナだった故・逸見政孝さんが、実況アナ役で出演されていたそうです。これは、さすがに記憶がないなあ。

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青森から来ました秋田です

2007-10-19 20:49:01 | アニメ・コミック・ゲーム

あれだな、千葉ロッテマリーンズ成瀬善久投手は、誰かに似ている似ていると思ってたら、バストアップでパッと見、元・ツインカムの島根似なんだな。

9901年頃の『爆笑オンエアバトル』を盛り上げた1組。島根の定子。好きだったけどな。00年暮れのSP、シャッフルコントでおぎやはぎと『教育問題を語る』ネタで、PTAおばちゃんの扮装で椅子に腰かけて客席向いて登場しただけで結構笑いとってました。解散しちゃいましたね。

ピンになった島根は映画『魁!クロマティ高校』で学ラン着て金子昇さんの子分演ってたけど。彼らのコントもう一度見たいな。

パ・リーグクライマックスシリーズ第5戦、我が北海道日本ハムファイターズの勝利で幕を閉じましたが、ヒルマン監督胴上げの後の両チームエール交換の場面が見ていて気持ちよかったと、各局各紙のニュースで採り上げられていましたね。

シーズンを通して初めて打ち込まれ4失点、ゲームセット直後はがっくり俯いていた成瀬投手が、勝ったダルビッシュ投手に「日本シリーズ頑張ってくれな」か何かしきりに話しかけて励ましているんだけど、身長差が公称ベースで16センチ(成瀬180、ダル196)あるうえ、スタンドの大喚声で聞き取り辛いもんだから、ダルがいちいちクニャッて上体を屈めるのが可笑しかった。

ハグとかしてあげれば1面トップ確実な絵になったし、客席も一層盛り上がったのにね。ダル、クールだから。

インタビューで風邪気味だったと言っていたし、早く帰りたかったんだろうな。

似ているつながりで言えば、サブマリン渡辺俊介投手は、JRAの木…もとい後藤浩輝騎手に似ていて仕方がないんですが。

クライマックスシリーズ1stステージ第1戦後のインタビューなんか、いまにもアンダーシャツめくってアブトロニック見せそうでした。んなことはないか。

地元のメディアでは大体、札幌ドームに来てくれたマリーンズファン・応援団のマナーの良さ、送ってくれたエールのさわやかさに賞賛と感謝ムードでしたよ。まぁ入場料収入に直結するんだから、チケット買ってくれればどこファンでもみんなお友達です。

………それを言っちゃおしめえか。

一時は仲悪い説があったバレンタイン監督とヒルマン監督も、本当は結構仲良しらしいです。シンジテマシタ~。

まだ日本シリーズが残っているので、月河はジンクスを守ってここではファイターズ応援はしませんが、今年も出足のモタつきあり、交流戦からの14連勝あり、山あり谷あり退屈しないで最後は勝って、良いシーズンでした。明日は百貨店の祝勝セールにも行ってみようかな。

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ズーズー弁の男

2007-10-18 21:08:10 | スポーツ

気のせいかな?福田康夫さんが総理になってからこっち、TVで国会中継もやってるんだけど、めっきり話題になりませんよね。

先日は民主党から代表質問に田中眞紀子さん登板で“角福戦争二代目ヴァージョン”なんてちょっと注目されかかったけど、福田さんが暖簾に腕押しさせ切ったし、だいいち平成も19年、いまさら角福戦争ってもねぇ。ちあきなおみさんを、餡ころ餅ぐらいの付けボクロつけたコロッケのものまね「♪いつものよぉ~に」でしか知らない世代に、「紅白の『夜に急ぐ人』はすごかったね」って話すようなものでしょう。

…喩えがわかりにくすぎるか。

でも最大の原因は大相撲時津風部屋と、あとはボクシング亀田一家でしょうね。

期せずして、両者、暴力ネタ。これだね。時代は暴力ですよ。どうする憲法九条。こじつけか。

亀田選手らの謝罪会見の模様はNHK総合の全国ニュースでも報じられていました。

唐突に松本清張さんの、劇場版映画にもなりTVドラマ化も何度もされている『砂の器』を思い出してしまった。

カメダはいまも相変わらずでしょうね?」

正確には“亀嵩(かめだけ)”ですけど。

語尾の“ke”を明瞭に発音しない、発音しても聴き取りにくい地域がある、という言語学、音韻学上の情報から、容疑者と被害者との関係が徐々に絞られていくという推理展開でした。

森村誠一さんの『人間の証明』ってのもあったな。混血青年ジョニーが日本に来る前口走った「キスミー」“霧積(きりづみ)”

アメリカでも一部ヒスパニック系の下層階級では“R”の音を明瞭に発音しないことが多い。これで西条八十の詩集に出てくる地名とジョニーの出生にまつわる因縁が解きほぐされていきました。

別に、亀田ネタ引っ込めて政治の話題やれ、なんて思いませんけど、もう飽きたな。

いまのTVの、彼らの取り扱い方って「ウチはそんなに肩入れしてなかったかんね」「いまだってホラ、特に肩持ってないっしょ?公平でしょ?」っていう“後出しの了解取り付け”にしか見えないから、迫力ないんだよね。時間と電波の無駄。

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続・何度も言うよ

2007-10-17 00:00:53 | テレビ番組

愛の迷宮』を、主婦という“客層”にカウントされていなくても消費して楽しめるかどうかは、光男(保阪尚希さん)という人物の読解にかかっています。

新妻・文香(宮本真希さん)に「おまえと結婚したのは、家柄がいいから、親父(横内正さん)が気に入っているからだ」と言い放ち、「跡継ぎの男の子を産むのがおまえの務めだ」と排卵日に子作りを強要して、それこそ“人格否定”“モノ扱い”して来た光男が、文香の孕んだ子が自分ではなく航太(咲輝さん)の種かもしれないと兄嫁・可奈子(高橋かおりさん)に吹き込まれただけで度を失い動揺するのは、「ターンジュンなオンナ」だと思っていた文香の心を夫としてなおざりにし、掌握していなかった後悔も少しはあるでしょうが、両親の信愛も人望もあつくすべてにおいて自分より優れていた亡き兄・政男の影を航太に見ている事が大きいと思う。

いち使用人として以上に兄が信頼を寄せて親しくし、その兄の没後は父に何かと目をかけられている航太が、光男には兄の亡霊のように見えるのでしょう。

光男にとって、自分に与えられている地位、課せられている課題、求められる立ち居振る舞いや立場・人間関係までが“兄のお古”のように見え、何をやっても、やらなくても、成功しても失敗しても「自分は“兄の不出来ヴァージョン”」という意識につきまとわれる。

兄が反対を押し切って結婚した可奈子に手を出して、兄を絶望させ飲酒運転死に追いやった後も不倫関係を続けているのも、兄へのゆがんだ対抗腹いせ意識のゆえ。

 そんなに兄の存在がうとましく重石に感じるのならば、普通に学業や仕事で努力して追いつき追い越すか、いっそ家を出て父の事業とは別の道で自立すればよかったものを、そういう前向きな破壊力はない意気地なし野郎なんだな。

母・マキ役の新藤恵美さんが番組公式サイトのインタビューで「光男はマザコン」と看破しておられますが、母にストレートで甘えようとすると父が立ちはだかり、父の脇にはつねに兄が従えられている。その兄は死んだと思ったら、兄が可愛がっていた航太が代ってその場所にいる。

しかも、自分が唯一、兄よりも父に「でかした」と言わせた材料である良家育ちの優等生嫁・文香に子を孕ませた(らしい)。

いまの光男にとって、文香が航太に本気だったか、航太は文香にどうだったのかなんてことは関係ない。要は「また兄さんに負けた」という仮想の屈辱感が彼を駆り立てているのです。

作家の故・遠藤周作さんのエッセイにこんなエピソードがありました。

幼い頃、成績優秀でスポーツ万能のお兄さんに何をやっても勝てなかったが、そのお兄さんの唯一の弱点が、なかなか治らない夜尿症。

朝、「またやってしまった」と、シーツの地図を前に半泣きのお兄さんを見て、「俺も、一つぐらいは兄貴に負けない、デカい大きなことをやってやろう」と決心。翌朝、蒲団の上に“大きいほう”を残して家族を動転させた…という話。

光男にとっては航太の妻・祐子(吉田羊さん)を襲って妊娠させたことが“大きいほう”だったのか。なんと低レベルな。

男性の中で、力・優秀性の誇示のためのツールとして、“女を犯る”ってのはいつの時代も“古典”なのかもしれません。

こうして示威された“力”はそっくり“劣弱さ”にも読み替えられるんですけどね。

このドラマに関しては、当分は、光男の歪みっぷりをメインに鑑賞しようと思っています。

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