イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

誰でもいつかは飛びたてる

2007-10-09 23:04:23 | テレビ番組

TVドラマのサウンドトラックにしばらくはまってみようと決めてから、ずっと「ならばこれは押さえとかないと」と必修に数えていた1枚=99年の日本テレビ系『ラビリンス』サントラ盤を先日入手しました。

12曲アストル・ピアソラのナンバー、バンドネオン演奏は日本人の小松亮太。こういう構成になっていることも、実はドラマ放送終了近くに知りました。

病院を舞台にした事件と謎解きに権力闘争・愛欲をからめたドラマ本編のほうは初回から3話~4話ぐらい見ていないので、どんな設定で何が眼目だったのか雲をつかむようなまま終わってしまったのですが、記憶に残っているのは暗い過去を秘めた敏腕医師役・渡部篤郎さんがダークでクールで捩じれていてえらくカッコよかったこと。あとはドラマ開始時点で謎の死を遂げている渡部さん姉役・森口瑶子さんの「パ…ピ…ヨ…ン」ぐらい。

それでもとりあえず最終話まで見てしまった。腹にイチモツな人だらけの布陣での謎引っ張りの中でも、それにかまけず人物像描出に手を抜かない脚本・寺田敏雄さんの緊密な仕事ぶりもありますが、何よりここぞと言う場面でこれぞという曲が流れる、音楽の魅力が大きかったと思います。

改めて聴いてみると、『沙粧妙子』に続きこれも記憶補正かな?もっとスピード感のある、あるいは煽情的な曲の釣瓶打ちだったような気がするのですが、意外に静かな、スリープモード推奨な構成になっています。

01 ミケランジェロ’7002 タンゲディアⅢ~03 ミロンガ・フォー・スリー と劇的につなぐ冒頭、後半の07 ブエノスアイレスの夏(オーケストラヴァージョン)の疾走感から、08 金星の女たちの歌(ヴォーカルヴァージョン)の静かな解放感に至る流れが素晴らしい。

ピアソラの曲たちをフィーチャーするためにかなり製作陣も権利面で予算を取ったからか、TVシリーズのサウンドトラックにしてはブックレット曲解説も懇切丁寧です。

小松亮太さんという演奏家はこの一作で名前を知りましたが、彼の個性というより、バンドネオンという楽器の“乾きながら粘っこい”みたいな音色にかなり耽溺性があるのだと思います。

聴いているうちに、どの曲がどんなシーンで使われ流れていたか、もう一度ドラマも観てみたくなりましたが、さすがにビッグネームの音楽著作権絡みか?映像ソフト化の予定は現在もないようです。序盤の人間関係設定部分を見逃しているのがなんとも惜しい。

そして、ケースの背帯の出演者クレジットをよく見ると、おや、現在『愛の迷宮』でまさにダークに捩じれている保阪尚希(当時は保坂尚輝)さんのお名前が。

あれれ?失礼ながらまったく記憶がない。クレジット順としては渡部さん・桜井幸子さん・高橋由美子さんに続く4番めなので、決して軽い役ではなかったはず。保阪さんは当時から医師や医学生の白衣が似合うキャラでもありました。

渡部さんと、後半に行くにつれいや増す怪しさをコントロールし切ったラスボス・内藤剛志さんの存在感が他を圧していたということかしら。

これ一件とっても、ドラマをちゃんと観てなかったことが惜しまれます。

このドラマが始まる直前まで日曜のフジテレビ系『スーパー競馬』のキャスターをつとめておられた斎藤陽子さんが、内藤さんの愛人ナース役でえらく色っぽかったことはしっかり記憶しているんですがね。

どうでしょう、タイトルも“迷宮”つながりだし、現行の保阪さんがもんのすごい怪演で再ブレイクしたりしたら、再放送してくれないものか。他局ネットだけど。5話(5日放送)での航太(咲輝さん)に、むしゃくしゃまぎれに言いがかりをつけていたぶる場面なんかかなり“来て”ました。

こちらは、いまのところヒロイン文香(宮本真希さん)の不倫の恋心がストーリーの主動機になってはいますが、最終的には保阪さん扮する光男がこの枠06年『新・風のロンド』の大介(神保悟志さん)のような“裏主役”になりそうな気がします。

コメント
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