イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

マンゴー、OK

2009-05-06 16:46:02 | テレビ番組

GW期間中のNHK『ハゲタカ』再放送も6日で終了。連休中とは言え朝900から2話ずつの放送では、新規に観た人は少なかったかもしれませんが、0723月の本放送当時とは国内外の経済情勢も、経済政策も、それらをめぐる世論も、大きく異なっている09GWのいまだからこそ、再放送で再度問題提起する価値はじゅうぶんあったと思います。

人物たちが、過去の遺恨や達成できなかったことを乗り越える、吹っ切る、あるいは糊塗するためのみではなく、現在および未来に重心をおいて再出発していく結び方がよかったですね。過去があって現在があり、現在の先に未来もある。

本放送当時、人物の役名が“ホライズン”インベストメントの“”津(大森南朋さん)=猛禽類、三“”銀行の“”野(柴田恭兵さん)=草食動物のアナロジーになっているのがおもしろいなと思ったものですが、改めて見ると劇中の企業名も第1話から“西”乃家旅館→“サン”デートイズ→“大空”電機→“あけぼの”光学と、“太陽”、それも落日から日の出へ向かうイメージの暗喩になっていたんですね。

脇の人名も、第3話で丁々発止の入札合戦を繰り広げた三葉グループ投資会社アイアン“オックス”の“日下”部(矢島健一さん)、大空電機新経営陣の方針と労働組合の突き上げとの板挟みになり命を絶つ技術者が“牛”島(徳井優さん)と、空に在るものと地に生きるものとのイメージを取り混ぜながらなかなか味のある命名をしています。本筋にさほどの関係はないかもしれませんが、作家さんにしても脚色・脚本家さんにしても、フィクションを作っていて架空の固有名詞を考えるのって楽しいだろうと思うので、つい深読みしてしまいました。

さて連休最終日、思わぬ拾い物は『徹子の部屋』の水谷豊さん。いやいや、俳優として『相棒』『左文字進』シリーズ以外は特に贔屓ではなかったのですが、面白いわぁ、この人。こんなに面白い人とは思わなかった。こりゃスタッフも、共演者も10年越し惚れ込んで付き合っていこうという気になるわけだわ。

70年代~80年代、歌手としてもかなりメジャーに活躍され、徹子さん司会の『ザ・ベストテン』にも出演していた頃は、インタヴューはもちろんホストとサシでのトーク番組なんてとんでもなかったという水谷さん、いまだに、“真っ裸の素(す)トーク”が無理で、キョドリのスクリーン通さないとしゃべれない人なのね。演技に生きる役者さんには、“演技”を身にまとわないと対人できない、こういうタイプ結構多いんです。逆にそれこそが、いまだに青っぽい、枯れない若さの源泉かも

『相棒 season7放送中に報じられファンを心配させたり安堵させたりした“自宅ドア激突、額に裂傷8針縫合事件”の顛末を徹子さんに説明するとき「こう立ち上がって、コッチに向いて…あぁそうだ、こっちにもう一度曲がって、こう行くと、こう廊下に出るんですよ…」と本当に立って歩いて実演して、徹子部屋セットの外に出そうになってる姿には爆笑しましたね。言葉で記号的抽象的に説明できず、カラダを使った実演になってしまうのは、頭の構造や脳回路が、いい意味で少年なのでしょう。

今年19歳になるという愛娘に、携帯電話を買ってあげるべくショップに同行し書類に親子と書いたら店員に「娘さんでしたか、いま裏で、“水谷豊が愛人に携帯買ってるよ”と噂していたところでした、大変失礼しました」と詫びられたという話のときは、控えめに誇らしげでしたね。

今年56歳を記念して56日に歌手としての新譜をリリースされたそうで「56歳の次は57歳になるんです」と、自己フォローなのかなんなのかわからない合いの手入れておられましたが、仕事もご家庭も何の心配もなさそうな水谷さんに、懸念されるとすれば、ここへ来ての多忙が過ぎての健康面ぐらいか。長い俳優キャリア上、いかに撮影中のケガが多かったかを「それから…」「それと…」とどんどん前のめりになりながら語ってくださったくらい、命にかかわらない程度の負傷には縁のある人のようなので、内臓とか脳血管とか、重大な病気はかえって免除なタイプでしょうかね。

たぶんこの秋からスタートするであろう『相棒』新シーズンもさることながら、1992年の『勢揃い一家 次郎長売り出す』以来17年ぶりの鬘つけての時代劇挑戦という『だましゑ歌麿』も、岸部一徳さん鈴木杏樹さんと『相棒』チックな共演陣が揃っていて期待できそうですよ。最近もうひとつ元気のない時代劇、“キャリア長く実績もあるのに時代劇のイメージがない”水谷さんのような人が参入して来てくれれば企画面も、きっと活性化するはずです。

コメント
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