イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

キョーレツゥ

2009-05-03 18:16:20 | お笑い

『爆笑トライアウト』、2回めは51日(金)放送。親番組『爆笑オンエアバトル』の翌週です。このサイクル、いまだ体内に定着しませんな。公式サイトで早めに確認して録画セットしておかないと、つい忘れそうになる。

それでも今週は新型インフルエンザ“来日”か?の局面が続いただけに、予約通りの放送時間帯が確保されて、ひとまず安心。

3分以内の制限つきとは言え10ネタぶっ通しで見るリズムもいつ慣れるかなと思ったのですが、2回めとあって“システム”の説明がだいぶ圧縮され、番組としてはいいテンポになったと思います。

10組の中では演順ラストのプリンセス金魚が頭ひとつ抜けていたように思います。中盤からあらかたボケ大前のひとり芝居になり、ツッコミ高道がジリジリしながら立ってボケ待ちする、もったいないパートが多くなった分、会場審査2509kbにとどまりましたが、何よりネタ見せ中の佇まい、顔つき目つきがしっかり芸人らしかったのはこの組だけだった。

それより何より、ツッコミ高道が番組MC小松宏司アナにめちゃめちゃ似てませんか。髪型のせいかな。まだ若いのに下瞼の目袋が目立つところとか。2位に入って『オンバト』挑戦権は確保したので、オンエアなったらネタ後トークで大前にいじってほしいな。

プリ金を押さえての会場1517kbクロンモロンはちょっと納得がいかない。よくある昔話ドロドロ変換ネタでさしたる新鮮味もないし、演じ方も素人っぽい。現役大学生ということですが、いま少し学生らしいというか、フレッシュなネタで来てほしかった。長身で一見おとなしそうなヴィジュアルの渡辺が、悪ガキ風高垣の、エグさ増幅するナレーションに合わせていく顔芸はちょっと見どころがある。

むしろ会場6373kbシーソーゲーム、同7353kb囲碁将棋のほうが“自分ら独特の何か”を見せようとしている分おもしろみがありました。

シソゲは「…まだ、座らないんですけどね」「…言わないんですよね」「…ウソはつかないんですけどね」の、シンクロしそうでしないユニゾンがなかなかクセになるんですが、メガネにダサジャケの関原が“面接必勝法を「教えてやる」とシレッと言いつつぜんぶズレてる”という“地の部分”の可笑しさがあまり効いてなくて、“ユニゾンにならない”“ツッコまれる前に折れる”という枝葉の、小手先の部分を笑うだけの作りになっていたのが残念。細身に黒服で利いたふうな中村と、俳優田口浩正さん風の太めでキョドリ眼鏡の関原、キャラは比較的はっきりしているのでネタでもうひと工夫。

囲碁将棋は“文化系漫才”との振りがついたように、“アレ?これのどこがボケになるんだ?”といちいち考えさせる理屈っぽさがこれまたクセになるものの、惜しむらくは2人とも歌唱力が微妙で全体的に聴き辛い。「それよくやっちゃうんだわ」「やるそれ?」のリフレインでどんどん“やり得ない”域に突入するという構成は好きだし、「広いよ、海だよ」という文田のツッコミは、この箇所だけで視聴者投票してあげてもいいと思ったぐらい。2人のやりとりで醸し出される空気は既存の組にないものがある(それを称して“文化系”と言うなら言ってもいい)と思うので、ロード第一章とかJ-POPといった“知らない人は笑えない”類いでないネタでまた挑戦してほしい。

会場3473kbも、視聴者投票1位に推された山陽ピッツァは、コンビネーミングの字ヅラからいって南海キャンディーズの後を襲う志向かな。巨漢コワモテ濁声の男性と、年かさの子役かと思うくらい小柄小顔の女性のコンビは新鮮ですが、ちょっと“出オチ”“顔オチ”に近くなっているのが逆に惜しい。ネタ見せ中の挙措が“芸人らしい”のも今回のメンツではプリ金に差がないと思う。

会場4496kbにとどまった、今回唯一のピン挑戦ゆってぃは、芸としてのクォリティはともかく、個人的にはかなりツボに来ました。ルックス、ファッション、アクション、喋りすべてがぼんやり、すべてがアバウトというのも珍しいよ。アルミホイル衣装から、いや全身から“スベり芸です光線”“百歩譲って、仮に売れても一発屋です光線”がまばゆいばかりに放射している。♪ちっちゃいこと~は気にするな というモーションは子供にウケそう。

あとの4組はほぼ会場通りの評価でいいと思います。5465kb三日月シュガーは東京03の“ネタ作り三合目”ぐらいの完成度。トリオもう一組8349kbサイドエイトは、チャンピオン大会セミでのパップコーンのネタ内トリオ“レッツ!バスロマンズ”の新ネタみたいだった。つなぎ部分の「おまえゾンビや」「やっぱりな」「主役やぞ」「主役なんか」のくだりはちょっと笑った。

つかみがあまりにも茫洋としているので、いつはじけるか、いまはじけるかと思って見ているうちに終わってしまったのが9325kbYes-man。モチーフとしてせっかくジャンピングロープ=縄跳びを出したんだから、ネタ中一度は、1人は立って演ってみようよ。“エクササイズがらみのネタなのに2人とも終始座ったまま”という意外性を狙ったにしてはゆるいしぬるい。

むしろ敢然と(?)10317kb虹の黄昏のほうが印象は強かった。終始隅から隅までパンクでアナーキーというわけではなく、「(脱いで)和銅開チン!」「(袖のセットを押して)広がれ!舞台!伸びろアキレス!」や「向き逆だよ!」などわかりやすいボケもあるじゃないですか。ひとつ動くたびに「どがどがどがーん!」「ごごごごごー!」「チーン!」「いよぉ~~!」などの奇声と言うか、漫画の“書き文字擬音”みたいのが入るところは、少年ジャンプ世代向きの芸風かもしれません。「スタイルのなさが俺たちのスタイルだ」という潔さは好感が持てるし、ヴィジュアルなんかはいまのままのほうがオリジナルでいいと思うけど、どこかで“観客のほうを向いて乗せていく親切さ”がないと、オンエア圏まで玉をもらうのはむずかしいかもしれないなあ。「むずかしいかもしれない」と言いつつそれがあまり残念でないのもこの組の持ち味のうちなんでしょうね。

番組としては、当然ながら未熟の組が多い、その未熟さも、コンテンツとして鑑賞できる度量が徐々にこちら側にもできてきました。『オンバト』本選のように“常連としての人気”“他局他番組でかせいだ認知度”で、ネタの出来不出来に関係なく玉が上乗せされる痛し痒しがないのは『トライアウト』の魅力と言っていいと思います。

コメント
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