イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

世界を開くのは誰だ

2009-05-17 16:25:02 | ニュース

民主党の新党首“兄ポッポ”こと鳩山由紀夫さん、友愛の政治とか自立と共生の社会とか、電波か?と思うようなメタフィジカルなキャッチコピーやスローガンをクチにされるのにはいまさら驚きもあきれもしませんが、それらに混じって「全員野球で」とはいかがなものかと。そこだけ切り取ったようにオヤジ修辞。

高校野球、特に、プロスカウトが注目するようなスター選手を擁しない地方の無名公立校の監督さんがよくインタヴューで使いますよね。鳩山さんとしては、党首選で100票近く集めた岡田克也さん、とりわけ党首辞任したけど依然として選挙剛腕は錆びつかせていないはずの小沢一郎さんとその一派を“お客さんにしない”“民主党はどこかの党のような派閥争いはなく、政権奪取に一丸”ということを強調したかったのでしょうけれど、なんでそこで唐突に、野球持ってくるかな。

鳩山さんという人、小泉純一郎さんとはちょっと違うニュアンスで“変人”なんだろうなと思います。「浮き世離れしている」という表現で評する人もいますね。東大は東大でも、政治家に多い法学部ではなく工学部出身。友愛だ共生だも含めて、語彙選択のセンス・遠近感の独特さ、TVニュースなどでぶら下がりコメント求められたときの、両棲類的な低テンションも含めて、“言語の人”でなく“数理の人”なのかもしれません。

93年の細川護煕さん首班で内閣官房副長官として入閣時、ご自分でクルマ運転して、フロントグラス越しにフラッシュたかれて微妙に目を丸くしながら官邸玄関まで乗りつけられたときは、この人おもしろいなぁと思いましたけどね。閣僚呼び込みと言えば、呼ばれた人はたいてい運転手つきの車で後部座席から下車されるのが常ですから、自民党55年体制の崩壊、細川“殿”の登城と相俟って、“新しい時代到来”感がありました。

その後、結構“長いものに巻かれ体質”、“自分は矢おもてに立ちたくない体質”なのがじわじわ露見してきちゃいましたが。

それにしても、“全員○○”○○に来る部分、何ゆえ“野球”でなければならないんでしょうね。サッカーのクラブ監督や代表監督が「ウチは全員サッカーでいきます」と言うのを聞いた記憶はありません。オリンピックの体操や、こないだやってた世界卓球にも団体戦はあるようだし、剣道の試合も団体戦で最後に主将同士が立ち会いますが「全員体操」「全員卓球」「全員剣道」とは言わない。

「全員体操」なんて言ったら軍隊か、普通にラジオ体操が思い浮かびますしね。

“全員○○”というイメージと、野球というスポーツ種目のイメージとに親和性が高いのかもしれません。日本で野球が、相撲や柔道以上に、“プレイするスポーツ”としても“観戦エンタメ”としても草の根国技化しているのは、必ずしも敗戦後の“なんでもかんでもUSA傾倒”だけが理由ではないようです。

あれかな、今度の選挙でまかり間違…じゃなくて…えーと、何だ、民意に後押しされて、民主党が勝利して鳩山首班となったら「全員政治」「全員内閣」とか言い出すのかな。

なんだかスキマスイッチ『全力少年』みたいですが。

コメント
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