山形の過去、現在、未来

写真入りで山形の歴史、建物、風景を紹介し、併せて社会への提言も行う

王子フィーバーと親王誕生

2006-09-06 21:46:41 | Weblog
 なんで、まだ残暑厳しき9月初旬に雛人形の写真なのか?
 甲子園に新ヒーロー、いわゆる「ハンカチ王子」の出現により熱病が蔓延したかと思っていたら、今朝の親王誕生のニュースにより日本中が沸き返った状態である。
 わが山形県は3月から4月にかけて公的施設や商家、古民家など各地で旧家に伝わる雛人形が公開され、どこも観光客や市民で賑わう。実際に江戸時代から明治、大正に至る古い雛人形の数は山形県が群を抜いて多く、まさに「雛人形王国」と言えそうだ。これは山形特産の紅花を京、大阪に運んだ見返りに山形に運んだものが多いからであるが、京文化を凝縮するものとして珍重されたのであろう。
 山形人に限らず、日本人が古代宮廷装束の雛人形を大好きなのは、やはり京の王朝文化に代表される伝統的日本文化に対する憧憬が根強いからであろう。
 内裏雛のモデルは蘇我家でもなければ藤原家でもない。栄華を極めた平家でもなければ、鎌倉から江戸に至る幕府の将軍家でもない。ましてや短期政権の織田家や豊臣家ではない。やはり天皇家であることは間違いがない。だが、歴史上の特定の天皇と皇后ではない。むしろ古代から現代まで連綿と続いた皇族の超個人的性格が内裏雛となって壇上に飾られるようになったのであろう。
 それでも日本人はどうも雛人形だけでは飽き足らないようである。きわめて表現しにくいももの、あえて表現するなら「生きた内裏雛」をも求めるようであり、これが草の根の皇室人気を支えているのではないか。
 旧家の雛人形も見たいが、「日本最古にして最高のセレブファミリー」の姿にもお目にかかりたいのである。
 いかに権力絶大でも、権力絶大なるがゆえに政治的存在でしかない大統領夫妻は雛人形には成り難い。

 ※ 写真は大江町の内裏雛(3月に撮影。3月30日の記事参照)
コメント (2)
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