嘗て、独特の形状をしたガラス瓶の清涼感もあって、夏の風物詩として長く親しまれてきた清涼飲料水に「ラムネ」があります。
当時、ラムネの栓はビー玉でしたが、当然のことながら、ビー玉の大きさは瓶の口より大きくなっています。
昔、地下鉄漫才で名を馳せた漫才師に春日三球・照代がいました。
彼等の地下鉄ネタに「地下鉄の電車はどこから入れたの? それを考えてると夜も寝られないの。」でした。
子供の頃の私は眠れない事はなかったのですが、ラムネ栓のビー玉をどのように入れたのか不思議でなりませんでした。
一体、どのようにして入れたのでしょうか?
そこで今日は子供の頃の疑問について調べてみました。
ラムネは日本で製造された最初の清涼飲料水とされていますが、日本への伝来は1853年浦賀に来航したペリー又は1860年長崎の英国商船が有力説のようです。
又、日本での製造は1865年頃で、当初はコルク栓を使用していたので、栓が乾かないように寝かせておく必要から、底が尖った「キュウリ型瓶」が使われ、栓が飛び出さないようにグルグル巻きに縛っていたということです。
・ラムネ瓶です(ウィキペディアより)
「コルクより簡単に栓をする方法」としてイギリスのハイラムコッドが発明したガラス玉栓がありました。
この特許が切れた1888年(明治21年)を境にして、日本でも「ビー玉栓ラムネ瓶」が普及する事になったそうです。
しかし、世界的な潮流としては、1892年(明治25年)にウイリアム・ペインターが発明した王冠栓が主流となり、それに伴ってガラス玉栓は廃れていきます。
そして、1908年(明治41年)、日本でも王冠栓の製造・販売が開始され、大日本麦酒(現アサヒビール)が王冠採用第1号となりました。
しかし、中小業者には王冠用の設備投資が困難だった事と、ビー玉の風鈴の如き清涼感が好まれた事から、ビー玉栓ラムネ瓶が採用され続け、現在まで生き延びてきたということです。
では、瓶の口よりも大きいビー玉はどのように瓶に入れ、どのようにして栓になるのでしょうか?
ビー玉の入れ方は次のようです。
1.ビー玉が入るくらいの口の広い瓶を作る。
2.ビー玉を入れる
3.口の部分に熱を加えて柔らかくした後、ビー玉が出ない大きさまで絞る。
4.次に飲料を注入し、それを一度逆さまにすると炭酸ガスの圧力でガラス玉が圧着され栓が閉じる。
このラムネ瓶は全てが回収出来ることから、当時としては非常に画期的な仕掛けだったようです。