「奈良・日帰りの旅」シリーズで奈良市の「東大寺」をご紹介していますが、今日も伽藍の一部をご紹介します。
「東大寺二月堂(国宝)」
東大寺二月堂は、東大寺にある奈良時代(8世紀)創建の仏堂で、旧暦2月に「お水取り」(修二会)が行われることからこの名があります。
二月堂の現在の建物は、寛文7年(1667年)のお水取りの最中に失火で焼失し、2年後に再建されたものです。
このお堂は2005年12月に国宝に指定されています。
本尊は大観音(おおがんのん)、小観音(こがんのん)と呼ばれる2体の十一面観音像で、どちらも何人も見ることを許されない絶対秘仏となっているそうです。
・お水取りで知られている二月堂です。
「閼伽井屋(あかいや)(重文)」:鎌倉時代初期
案内板によれば次のようにと書かれています。
この閼伽井屋は、修二会に際し、毎年3月12日(13日午前1時すぎ)にこの屋内にある井戸より、本尊「十一面観世音菩薩」にお供えする『御香水(おこうずい:閼伽水(あかみず)』を汲む儀式を行うところです。
天平勝宝4年(752年)、実忠じっちゅう)和尚が二月堂で初めて修二会を行い、諸神を勧請した際、若狭国の遠敷(おにう)明神が献じたものであるところから「若狭井(わかさい)」とも呼ばれています。
現在の建物は13世紀初期に再建されたものであろう。
「鐘楼(国宝)」:鎌倉時代、
13世紀初頭の建築で国宝に指定されています。。
吊られている梵鐘(国宝)は大仏開眼と同年の天平勝宝4年(752年)の製作で、中世以前の梵鐘としては最大のもの(高385㎝、口径271㎝)で、重量は26.3トンもあるそうです。
「梵鐘(国宝)」
東大寺の鐘は、重さ26.364トンもある大鐘で、擬人化して「奈良太郎(奈良の大鐘、或いは奈良時代の大鐘)」と呼ばれて来ました。
直径は2.708m、高さは3.853mで、音色は豪壮、長く響き渡ることで知られ、「日本三名鐘」の一つとされています。
現在の鐘楼は、鎌倉時代(1207~10年)に、栄西によって再建されたもので、梵鐘も、鐘楼も、国宝に指定されています。
この鐘楼には中に入ってその梵鐘を下から覗くことができますが、過去に数度落下したことがあるようです。
「俊乗堂」
鎌倉時代に大仏と大仏殿を再興した中興の祖・俊乗房 重源(しゅんじょうぼう ちょうげん)を祀る堂です。
現在の堂は宝永元年(1704年)の再建です。
本尊の俊乗上人坐像(国宝)は、上人が86歳で没した直後の製作と思われ、鎌倉時代肖像彫刻の傑作と言われています。
「俊乗房重源上人坐像」
「俊乗堂」は鐘楼の北側に、公慶上人(こうけいしょうにん)が重源上人(ちょうげんしょうにん)の遺徳を讃えて建立しました。
堂内中央に国宝「重源上人坐像」が安置されているそうです。
1180年(治承4年)平重衡によって大仏殿が焼かれるなど、東大寺の多くの伽藍が焼失しましたが、翌年60歳を過ぎた彼が造東大寺の大勧進職に任ぜられ、10数年の歳月をかけて東大寺の再興を成し遂げました。
再建に当って、大仏様(だいぶつよう)と呼ぶ宋風建築様式を取り入れ、再建の功により大和尚の号を受け、1206年(健永元年)86歳で入滅しました。
・俊乗房重源上人坐像のレプリカです(ウィキペディアより)