和歌山県植物公園のお花のご紹介の3回目の今日は「ビオラ」と「アイスランドポピー」です。どちらの花もお馴染みの花ですが、調べたことをご紹介します。
「ビオラ」
ビオラはスミレの仲間で、スミレ科スミレ属の一年草です。
園芸上はパンジーの小輪多花性をビオラと呼んでいます。
パンジーとの定義の区別は曖昧で、花径5㎝以上をパンジー、4㎝以下をビオラとすることが多いようです。
現在では見た目が豪華なのがパンジー、可愛らしいのがビオラとする主観的な分け方が一般的になっているようです。
ビオラもこれだけの本数を一か所に植えると、可愛らしさから豪華な花壇に変身します。
「アイスランドポピー」
アイスランドポピーはポピーの種類の一つですが、一般的にポピーと言えばこの「アイスランドポピー」を指すことが多いそうです。
原産地はヨーロッパで日本には江戸時代に渡来しました。
花の名前は、18世紀に北極探検隊がシベリアでこの花を発見したことからで、アイスランドとは全く関係ないそうです。
「アイスランドポピー」は別名を「虞美人草」と言います。
「虞美人(ぐびじん)」とは、中国歴史上の絶世の美女である「虞姫(ぐき)」に例えてつけられたものですが、これには悲しい「虞美人草」伝説があります。
「虞美人草」伝説
紀元前200年以上前、項羽(こうう)と劉邦(りゅうほう)は長期間戦っていました。
項羽には正室がなく、生涯愛した美姫は虞妃(ぐき)でした。戦いに連れ添っていましたが、「垓下の戦い」で劉邦の策の前に敗れ、大軍に包囲されました。
死を覚悟した項羽は、別れの宴で「力は山を抜き 気は世を覆う 時に利あらずして 騅(愛馬)逝かず 騅逝かざるを奈何すべき 虞や虞や若(なんじ)を奈何せん」とうたいおさめました。
この意味は、虞姫をこの世に残して最後の出陣をせねばならぬ“恨み”をうたったもだそうです。
項羽のうたいおさめが終わると、虞姫は剣をとって舞い、舞いつつ項羽の即興詩を繰り返し歌って応え、虞姫が舞いおさめると項羽は虞姫を刺し、一陣のつむじ風となって敵軍の中に突っ込んだ、とされています。
虞姫は葬られ、彼女のお墓には翌年赤いヒナゲシの美しい花が咲きました。人々はこの花を「虞美人草」と呼び、ここから虞美人草伝説が始まったというものです。